谷頭和希

チェーンストアやテーマパークなどの「空間」について書いてます/著書『ドンキにはなぜペン…

谷頭和希

チェーンストアやテーマパークなどの「空間」について書いてます/著書『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』『ブックオフから考える』/これまでの活動履歴は自己紹介記事から/執筆・編集・イベントのご依頼はimprotanigashira@gmail.com までお願いします!

マガジン

  • 「場所」の声を聴く〜「空間」から批評を立ち上げる

    チェーンストア研究家・ライターの谷頭和希が、いろいろな「空間」を批評していきます。街のこと、田舎のこと、郊外のこと、チェーンストアのこと、テーマパークのこと。さまざまな空間をめぐり、時にはまったく異なる分野も参照しながら、「場所」の声に耳を澄ませていきます。「批評」と名乗っていますが、マーケティング論や経営論などにも触れていくので、ビジネスマンにもおすすめですよ。

  • 日本テーマパーク史研究ノート

    日本におけるテーマパークを歴史的・文化的に解明する研究です。あくまで研究ノートなので、端書きだと思って読んでください。 現在は、日刊SPA!の連載「テーマパークのB面」で展開してます。このノートの更新はありません。

最近の記事

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谷頭和希の活動一覧

主に、チェーンストアのことや、チェーンストアから見ることのできる街の様子について書いたりしゃべったりしています。以下、項目に分けて今までの活動を紹介します。 書籍2023年6月2日に青弓社より『ブックオフから考える『なんとなく』から生まれた文化のインフラ』を出版します。2冊目の単著です! https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20230919-OYT8T50112/ ↑ ありがたいことにこの本もいくつかの書評を書いて

    • 有料マガジンを始めます

      こんにちは。チェーンストア研究家で批評家の谷頭和希です。 この度、有料マガジンを始めることにしました。 その名も「『場所』の声を聴く〜「空間」から批評を立ち上げる」です。 このマガジンについてこのマガジンでは、普段さまざまな媒体でいろんな記事を書いている谷頭が、「空間批評」というジャンルを立ち上げていきます。 「空間批評」とはなにか。 それは「場所」について、都市論・建築論・デザイン論・美術論・社会学・人類学・経営学・マーケティングなど、さまざまな知見を用いて迫っていくも

      • 建築基礎~蓮沼執太の場合

        蓮沼執太の音楽は建築的である。 などというと不思議に響くかもしれない。確かに古くから「建築は凍れる音楽である」と言われてきたようにその両者の関係は深い。しかしこの言葉を放ったのは西洋人(ゲーテかシェリングか不詳だが)であってその念頭に置かれていたのは、ソナタ形式やロンド形式という強く形式に規定されていたクラシック音楽と、ゴシック様式やバロック様式といったこれまた強く様式に規定されていた西洋建築だ。「形式=様式」を媒介とした両者の強い構築性に西洋人は類似性を見て取ったのである。

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        • 六本木的な、あまりに六本木的な

          A つまり、べつの話とは、「なぜ、それは六本木でなくてはならなかったのか」という問いだ。「東京の中のアメリカ」という特別性(K)。もしくは「六本木ヒルズ」という特異点(F)(G)。これらは確かに六本木という街を特徴づけている。しかしなぜ『三月の5日間』が六本木から始まるのかということについては答えてくれない。 B『三月の5日間』は演劇団体チェルフィッチュの岡田利規が2004年に上演した演劇作品だ。 渋谷、円山町のラブホテルに閉じこもるミノベとユッキー(C)、ミノベの友達であ

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        • 「場所」の声を聴く〜「空間」から批評を立ち上げる
          ¥500 / 月
        • 日本テーマパーク史研究ノート
          12本

        記事

          千葉の高倉健

          出会い用があって千葉駅の周辺を歩いていたときのこと。 ぼくの方に飛行機が突っ込んできた。 あぶない。 そう思う暇もなく、僕の目には驚きの光景が広がっていた。 ゲーセンだ。いや、上に飛行機もある。飛行機とゲーセンのハイブリッド。 一体これは何なんだ。ぼくは一瞬にしてこの飛行機ともゲーセンともいえない謎の建造物に魅了されていた。 まず、この絶妙な傾き加減がいい。落ちそう、だが、落ちない。なんともいえない角度で均衡を保っているのである。この角度のおかげで、あたかもぼくに

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          千葉の高倉健

          鶯谷万博開催にあたって

          大阪に万博がやってくるらしい。 いろいろと反対意見はあるみたいだが、万博と言えば、僕がずっと気になっていたことがある。 それは、 鶯谷で万国博覧会が開けるのではないか? というくだらない疑問である。 鶯谷といえば、日本でも有数のラブホテル街。すぐ近くには高級感あふれる東京国立博物館やら寛永寺があるとは思えないほど、山手線の線路際にひっそりと、しかしとてつもない数のラブホテルがたたずんでいる。で、そんな愛と欲望の街、鶯谷でなぜ万博が開かれるのか? それは、ラブホテルに

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          鶯谷万博開催にあたって

          2月の仕事

          こんにちは。谷頭です。2月の仕事をまとめるよ。今月も、とても頑張った気がします! 数えてみると、記事を22本(!)、メディア出演が2本という結果でございました。頑張った。 東洋経済オンラインさて、もはや僕の主戦場となっている東洋経済オンライン。 1月と同じく、7本書きました。特にワークマンの記事と、イトーヨーカドーの一本めの記事はヤフートピックスにもあがってめちゃくちゃ読まれましたね〜 また、12月から続いていたスタバ連載も完結いたしました。 3月は新しい短期連載が始まる予

          2月の仕事

          1月の仕事

          こんにちは。谷頭です。 早いですね、もう1月が終わりです。このまま2024年も瞬時に終わっていくのでしょうか。不安すぎますね。 というわけで、1月の仕事まとめです。結構働いた気がします。 書いたもの東洋経済オンライン 7本!?って自分で振り返って思いました。4~5日に1本出してたのね・・・ ウルトラヒットは「ヴィレヴァンが知らぬ間にマズいことになっていた」でした。本当にたくさんの人に読んでいただいたようで、月間ランキング1位。ありがたい限りです。 最後に出した「TSU

          フリーになりました&定期購読マガジンはじめます

          みなさま、こんにちは。谷頭です。 2024年もはじまって半月以上が過ぎておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 フリーになったよさて、ご報告。この度、勤めていた職を辞め、2024年1月よりフリーランスのライター・編集者として活動することになりました。すでに何人かの人には内々で話をさせていただいていましたが、ちゃんと世間的に(そんな大々的でもないのだけれど)発表はしていなかったので、改めてご報告させていただきます。 すでに多くの人からお仕事の相談をしていただいたり、新しい

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          東洋経済オンラインのスターバックス連載の2回目が公開されました。

          東洋経済オンラインでの連載「スタバにはなぜフラペチーノがあるのか~「矛盾」に満ちたスターバックスから学べること~」の第2回が公開されました! 今回は、初期のスタバに着目して、現在の姿とは全く異なっていたスタバの過去を掘り下げます。 連載は全6回で、1週間ごとに公開されます。 読んでね!

          東洋経済オンラインのスターバックス連載の2回目が公開されました。

          楽待新聞で新しい連載が始まりました

          不動産オーナー向けのサイト「楽待新聞」で新しい連載が始まります。 初回はこちら↓ 連載全体の紹介文も載せておくね。 ということで、ショッピングモールに注目しつつ、そのエリアの紹介もしていくよ〜、みたいな連載です。フィールドワークが主になるので、割とライトな感じの連載になるかな、と思ってます。 けど、不動産オーナー向けのサイトなのでこれまでとはトンマナが違うこともあり、正直手探りの初回に。 まあ、編集さんや読んでくれてる人(ちなみに「楽待新聞」は熱心な固定読者がいるよう

          楽待新聞で新しい連載が始まりました

          東洋経済オンラインでスターバックスについての新連載がスタートしました&嬉しいご報告

          2023年12月30日より、東洋経済オンラインにて、「スタバにはなぜフラペチーノがあるのか~「矛盾」に満ちたスターバックスから学べること~」と題した連載がスタートしました。 初回は「スタバで「フラペチーノ」飲む人が知らない"真実"コーヒーじゃない「看板商品」を持つ凄さとは?」というタイトルで連載全体の予告的な文章を書きました。 が、なぜか、めちゃくちゃ読まれております・・・・。なんと、この記事を書いている2024年1月6日12時59分段階で、1時間アクセスランキング2位、2

          東洋経済オンラインでスターバックスについての新連載がスタートしました&嬉しいご報告

          東洋経済オンラインで記事が公開されました

          東洋経済オンラインで記事が公開されました。 「渋谷がもはや『若者の街』じゃなくなった深い理由」と題して、渋谷の変遷について書いています。読んでね!

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          全てはすずの存在のために?――まだ見ぬ数多くの『この世界の片隅に』に向かって

          1、 精神科医である斎藤環は、批評再生塾第3期に寄せた「『この世界の片隅に』を批判せよ」と言う課題文で次のように書いた。 この文章を読んでまず疑問に思うのは、何故この作品は現段階で批評を敗北させ得る力を持ったのか、ということだ。 『この世界の片隅に』は数多くの批評家をも黙らせしめた。辛口と言われるキネマ旬報の採点では3人の評者がそれぞれの観点から満点を付け、前述の斎藤も試写会の段階で「120年に1度の傑作」と評したのである。 その斎藤は「美術手帖」の2017年2月号に掲載さ

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          全てはすずの存在のために?――まだ見ぬ数多くの『この世…

          祈りのテロリズム――『猫に時間の流れる』をめぐって

           結論を言います。  保坂和志とはテロリストである、と。  もちろんこの2つの言葉は、その小説の表層を読むだけではつながりを持てません。それどころか、保坂和志と共に1990年代を代表する作家の1人である阿部和重が露骨にテロを取り扱ったのに比べれば、保坂はむしろそうした暴力的な表現からは程遠く、対極にいる作家であると認識されることが多いのではないでしょうか。  というのも保坂の作品においてはそもそも――しばしばそれが非難の対象になるように――物語らしい物語が起きないのです。

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          祈りのテロリズム――『猫に時間の流れる』をめぐって

          「物語」を生き抜くこと~『ニッポニアニッポン』をめぐって~

          17歳の少年鴇谷春生。彼は自らの名前から、「トキ」(学名「ニッポニアニッポン」)に異常な興味を覚える。現在の「トキ」に対する日本国民の態度に怒りを感じた彼は「トキ」のためにそれを密殺することに決め、佐渡島での「トキ」暗殺計画を練る。しかしそれは失敗し、自らの人生の目標を失い絶望する。 その物語に、彼が好意のあまりストーキング行為をした本木桜と、佐渡島で出会う本木桜に似た少女、瀬川文緒との物語が絡む。 この阿部和重の小説、『ニッポニアニッポン』を語ることについて、社会学者で

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          「物語」を生き抜くこと~『ニッポニアニッポン』をめぐっ…