見出し画像

小説「博物少女 キャラクターストーリー#1」後編

 ※このキャラストーリーは本編「博物少女 ヒロメリエ!」にまだ出てきていないキャラクターや設定などが登場します。ご了承ください。
※このキャラストーリーは「博物少女 ヒロメリエ!」と若干時間軸が前後していたり、微妙にパラレルワールドだったりします。
(TVアニメのドラゴンボールと映画のドラゴンボールくらいの違いです)

-------------------------------- 
 
 シャコ「じゃ~ん、シャケたっぷりのクリームシチューだよ~!」
  ミカ「おぉ……これは見事な……それにサラダにバゲットまで……まるでホテルのレストランのようだ」
 シャコ「あははは、大げさすぎ! あ、唐揚げ乗せるお皿これでいい?」
  ミカ「あ、あぁ……。(いいんだろうか……こんなキラキラしたテーブルに唐揚げなんか添えて)」

ガタッガタ(椅子に座る音)

 シャコ「……そういえば初めてだよね? 二人きりでご飯食べるの」
  ミカ「え? そうだったか……?」
 シャコ「じゃあ早速ミカチーの唐揚げから、いただきまーす!」

ザクッ(唐揚げをかじる音)

 シャコ「フンフン……、おっ、この味付け……、もしかして自家製ですかな?」
  ミカ「あっいや……みりんと醤油で軽めにつけ置きしたくらいで、自家製なんて大層なものでは……」
 シャコ「へぇー、あたしもたまに作るんだけど大体市販の唐揚げ粉で揚げてるからさー」
  ミカ「そ、そうなのか……」

カチャカチャ……モグモグ……(食事の音)

  ミカ(………え? 今のってどっち!? ついいつものやり方で作ってしまったが、やっぱり市販の粉のほうが良かったのか……? ……ひょっとしてあとから来るすずりたちも唐揚げ粉を使った唐揚げのほうが好みなんだろうか……?)
 シャコ「ん? どったの?」
  ミカ「い、いや、なんでもない。そうだ、わたしもシチューいただこうかな」

(シチューをすする音)
 
  ミカ「!」
  ミカ(うッうまい……! 同じ北の大地で生まれたクリームとサーモンが口の中でお互いに呼応しあい、それが美しいハーモニーを奏でてるかのようだ……! じゃがいもや人参もしっかり火が通ってて絶妙な柔らかさでいくらでも食べられる……シャコはこんなに料理が達者だったのか)
 シャコ「にひひひ、おいしい?」
  ミカ(う、いかん、顔に出てしまっていたか……恥ずかしい)
 シャコ「あ、ねぇ、ミカチーは唐揚げになにかける? レモン? 塩? タルタル?」
  ミカ「!?」
  ミカ(今のはどういう意味だ……!? やっぱり、わたしの唐揚げはまずかったのか? レモンやタルタルソースでもかけなきゃとても食べられないと……、あぁ……なんということだ……ッ!)

 ガタッ(立ち上がる音)
 
  ミカ「……捨ててくる」
 シャコ「おぉい! どうした急に!?」
  ミカ「みんなの好みを把握せずに自分勝手な味付けをしてきてしまった……、わたしには他人を慮(おもんばか)る配慮が欠けていたのだ……もはや武士道の風上にも置けんッ!」
 シャコ「いや思考が暴走し過ぎだって! ちゃんと美味しいから! 塩とかレモンの話題に深い意味とかないから!」
  ミカ「ほ、本当か……いやしかし…… 口に合わないなら無理に食べる必要は……クッ」
 シャコ「だからそんなことないって! もー、ミカチーは色々考えすぎだよー」
  ミカ「ハァ……ハァ……す……すまない」
 シャコ「やれやれ。ま、そこがミカチーのいいところでもあるんだけどね。むしろもっと好きに行動してくれたほうがあたしも嬉しいよ。」
  ミカ「ぜ、善処する……」
 シャコ「うむ! 励めよッにひひひ」
 
 
 ピンポーン(チャイム音)
 
 シャコ「お、3人来たかな」

 ガチャッ(ドア音)
 ドタドタドタ(フローリングの廊下を歩く音)
 
  鳴狐「まったく近頃のコンビニときたら話にならん! やはり今の時代こそ個人商店じゃな……、この大変な時期にお金も落とせてなんかいい気分にもなれたのじゃ!」
 すずり「す、すみませんシャコさん、鳴狐様、かなり遠くの馴染みの酒屋さんまで行くと言い出してしまって……」
  鳴狐「世間の緊張状態が、人の心にまでマスクをかけてしまったようじゃ……、なんと嘆かわしい……!」
 れゐこ「ぜんぜん上手くないの、無理があるの」
 シャコ「はいはい。ていうか3人共 手洗った? 準備しとくから先に洗面所行ってきなさい」
 3人「はーい!」
 ドタドタドタ(フローリングの廊下を歩く音)
 
  ミカ「……ちょっと好きに行動しすぎではないか? 勝手に上がってきたし……」
 シャコ「ミカチーも今度からは勝手に上がってきていーよー?」
  ミカ「なぁ!?お前はいつもそうやって…!」
 シャコ「にひひ、いつものミカチーに戻ったね♪」
  鳴狐「ふー……やれやれ、忙(せわ)しないのじゃ…ん? おぉ! うまそうな唐揚げがあるではないか……!」
 シャコ「あぁそれね、ミカチーが……」
  鳴狐「ちょうど酒の肴がほしかったところじゃ。遮光器よ、にんにくはあるか?」

 ピクッ(眉間にシワが入る音)
 
  ミカ「にん……にく?」
 れゐこ「れゐこはパンよりご飯派なの、クリームシチュー丼にして、さらにとんかつソースかけて食べるのがれゐこ流なの!」
  ミカ「丼……?  とんかつソース……!?」
 シャコ「あははは、な~んか急にファミレスみたいな雰囲気になっちゃったね~」
  ミカ「きさまら……ッ!」

ゴゴゴゴ・・・(地鳴り音)
 
  ミカ「ちょっとは遠慮しないかぁあああッッ!!」


 <おわり>

<すずり キャラクター紹介動画>

<れゐこ キャラクター紹介動画>

<鳴狐 キャラクター紹介動画>


<前編はこちら>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?