楽加生(らくかせい)
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noteの軌跡 : プロフィールに代えて
私はこれからの人生を余生ではなく、1日1日を大切にして、これまでの人生に加える「加生」と考えています。
楽加生というペンネームは、今日という1日に感謝しながら、楽しく加生を重ねていきたいとの思いから付けました。
ここでは、プロフィールに代えて、2022年8月から これまで、noteに綴った加生の軌跡を一覧にしています。
真っ先に読んでいただきたい記事はこれです!❤#未来のためにできること
❤
CANCER QUEEN ステージ Ⅱ 第4話 「選択」
キングはようやくお目覚め。病院では4人部屋でよく眠れなかったから、夕べは久しぶりにぐっすり。おかげさまで、わたしもこれ以上寝たら溶けちゃいそう。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
と、さっそく新年のごあいさつをしたのに、彼はいつものようにそっけないの。わたしの声は聞こえないだろうから仕方がないけれど、やっぱり反応がないのは寂しいわ
CANCER QUEEN ステージⅡ 第3話 「退院」
今頃の人間の世界は師走とかいって、すごくあわただしそう。がんの世界には季節がないから、わたしたちはいつも勝手気ままに暮らしている。がんの種類によって成長するスピードがまちまちだから、何年ものんびりしている子もいれば、やたらとあわただしい奴もいる。
わたしは、今はのんびりよ。ずっとこのままでいたいけれど、自分でもこの先どうなるかはよくわからない。でもまた大きくなりすぎて、キングに迷惑をかけるこ
お詫び
先ほど、連載小説「CANCER QUEEN ステージⅡ 第2話『傷痕』」を誤って二重に投稿してしまったようです。
後から投稿したほうの記事を削除させていただきましたが、すでにスキマークを押していただいたフォロワー様には、心から深くお詫び申し上げます。
CANCER QUEEN ステージⅡ 第2話 「傷痕」
キングはドクター・ジャックのアドバイスどおり、手術の翌日からリハビリテーションを始めた。見るからに大変そう。彼は傷口が痛むことより、点滴用のスタンドを押しながら歩くことのほうが煩わしいようだわ。スタンドには、傷口から出る血液や膿を溜めるドレーンの管とか、尿道カテーテルとか、ほかにもいろんなものがぶら下っていて、気をつけないと、管がからまったり、外れたりしそうなの。
彼は毎日がんば
CANCER QUEENステージⅡ 第1話 「復活」
夢を見ていた。わたしはたった一つの、ほんの小さな細胞だった。真ん中に大きな目のような核があって、それがきょろきょろと周りを見回している。キングの肺の中で、わたしというがんの赤ちゃん細胞が誕生した瞬間だ。人間の赤ちゃんもこんなふうに生まれてくるのかしら。 わたしの細胞はしばらくじっとしていたあと、突然、分裂を始めたと思ったら、見る見るうちに膨らんで、あっというまに
CANCER QUEEN ステージⅠ 第10話「手術」
手術は明日だけれど、土日は診察も検査もないので、キングは静かな病室でのんびりと過ごしている。窓の外を眺めたり、読書をしたり、音楽を聴いたりと、いつもの休日以上にリラックスした様子。唯一、バイオリンを弾けないことだけが心残りみたい。下手でも弾いていると、いやなことを忘れるから。
はたから見ると、この人が生死を分ける手術を目前に控えたがん患者だとは、だれも思わないでしょう。
CANCER QUEEN ステージⅠ 第9話 「ドクター・ジャック」
12月16日、予定通り入院。10日間の入院ともなると、いつも通勤で背負っているリュックサックだけでは足りずに、キングはもう一つ大きめの旅行バッグも提げていくことにした。
病室は今度もまた窓側だった。窓からはラッキーなことに、ランドマークタワーや観覧車まで、横浜の街が一望できる。
これで個室だったら、高級ホテルのVIPルーム並み。4人部屋なのが残念。でも贅沢は