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Lost and Found (MONKEYのための習作)
公園のごみを拾い始めたのは、犬が死んだからだ。
目鼻の奥にいつも水風船のようなものがあって、たまに破裂する。あとに残る暗く湿った洞穴のような時間を、毎朝ごみを拾い、集積所に預けて帰ることで埋めていた。
ペットボトル、缶、瓶、スナックの袋、煙草の箱、吸い殻、マスク、ボールペン、イヤホン、コンドーム、靴、ハンガー、絵画、薬、台本、花火……。
捨てられたもの、落とされたもの、忘れられたもの。そ
お花見する外国人観光客たち。うれしい朝。
井の頭公園に、旅行者が増えてきた。
さまざまな国の人たちが桜を背景に次々と記念撮影していて、いつも見ている風景がとくべつなものだったことを知る。ニューヨークやパリや京都でもないのに。みんな、ジブリを目指してくるのだろうか。
木の下のベンチで一服しているわたしたちも、もしかしたら彼らの投稿に写り込んで、全世界に発信されている。
年配のご夫婦らしきふたりに英語で道を尋ねられて途中まで同行する。台湾
Life is Beautiful と思う瞬間(ごみ拾い日記4)
朝の公園で、ごみの散らばった、落胆するような風景の10倍以上は、いまここで生きている、驚くほど美しい動物や植物に出会える。朝からきれいだなーと感動することが、たくさんある。それをリールにするのが最近のマイブームです。
ごみを拾った帰り道、緑のなかを通って帰ると、孤独とか闇とかに触れてしまった心が、浄化されていく。
これが街へ出て買い物したりしたら駄目で、ただ無心に緑のなかを、アスファルトよりも土