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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~読了
結婚した娘が置いていって、たまたま家にあったビブリア古書堂の4冊目。これが最後である。このシリーズはまだまだ続いているようだが、自分で買ってまで多分読まないだろう。
シリーズ4巻目の本作は、江戸川乱歩の稀覯本を中心に話が進められる。
推理小説がテーマになったのは初めてだ。古い西洋館、隠し宝箱、暗号、など、今回の物語は小道具も含めて推理小説のエッセンスに満ちている。
一方、確執のある母親との再会、
クーンツ「ベストセラー小説の書き方」読了
この本は、作家を志す人やベストセラー小説を書きたい人達の夢を挫くに充分な、ウンザリするような忠告で満ち溢れている。
しかし作者のクーンツ自身は、自らの経験のほぼ全てを惜しげもなく大盤振る舞いしている風で、アイデアの出し方やスランプからの脱し方など、あまり類を見ない手引書だ。ハウツーものというより、米国における作家という業界が、如何に過酷な世界であるかを解説した本だと言えよう。
この本が出版され
デニス・ルヘイン「ミステック・リバー」読了
再読である。改めてじっくりと読んでみると、恐ろしく生々しい。
最初に読んだのは20年前で、確か通勤中に読んでいた。だから今回再読するまで、この作品の真価に気が付かなかったのかも知れない。ミステリーとしては話の筋だけ追うと、わりと単純とも言える。
クリント・イーストウッド監督で映画にもなった。映画になってみると、更に単純で、ケビン・ベーコンの刑事とマフィアのショーン・ペンの因縁話とも取れる。
しか
パトリシア・コーンウェル「検屍官」読了
- 検屍官の役割について掘り下げ、現代社会における法医学の重要性を強調する。
- 著者の描写に注目し、人物像や事件のリアルさを論じる。
- 検屍官の仕事についての苦労や困難を紹介し、彼らの重要性を再確認する。
- 作品内に登場する科学技術や法律の改善点を指摘し、社会の安全性向上について考える。
- 検屍官の視点から見た事件の真相に迫り、読者に理解を促す。
AIアシスタントを「使ってみる」にしたら
「海のある奈良に死す」読了
読了まで、かなりの時間がかかってしまった。遅読なせいだけではなく、勿論日常生活に時間を取られていた事もあるのだが、やはり正直な告白をするなら、読みにくかったのだ。
例によって、ネタバレをしないために一切の具体的な内容には触れず、あくまでも感想だけを抽象的に書くつもりでいる。
「何が」は省略して「どのように」読みにくかったかを述べれば、次のような事が原因だと思われる。
第一に、ストーリー的に短編
#真相をお話しします「#拡散希望」とこの本全体の感想
<以下ネタバレの危険性あり>三行空けます。
第五話「#拡散希望」の感想
この本の中で一番構造が複雑な短編。
章分けされているがその一章の中にも時系列の前後がある。何故こうも複雑に組み立てたのか作者の意図が今ひとつわからない。
ストーリー自体は構造ほど複雑ではなく、スッキリした内容なのだが、そもそもこれらが全て一人称の「僕」目線なので、全てがウソという可能性もある。
この本は五篇とも全て一人称小
#真相をお話しします「三角奸計」の感想
一応今回もネタバレ警告を出しておく。
<以下ネタバレの危険性あり>三行空けます。
第四話「三角奸計」の感想
設定が少し入り組んでいて、わかりにくい。
友人どうしのフザケ合いのやり取りはちょっと面白い。これらは直接ストーリーと関係がない所も多く、その中で貼られる伏線も多少強引な印象を受ける。
やはりミステリを読み慣れていると、あらゆる可能性を視野に入れてしまうため、作者の意図どうりにミスリードで