マガジンのカバー画像

【Destination LegendEdition】

50
私のつらかった経験、社会情勢(ロシアのウクライナ侵攻、コロナウイルスなど)をもとに、平和への祈りを込めて創った作品です。 イラストを多く入れ、漫画を読む感覚で見て頂けるよう、考… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

【Destination】第49話 クロスカウンター

【Destination】第49話 クロスカウンター

黒雲から漏れていた陽の光が消え、辺りは薄暗くなり始めた。宴会開始までに残された時間は30分を切ってしまう。刻一刻と近づく死刑執行のとき。

ユリの生命に危機が迫る中、ルカは元世界チャンピオン「ナオキ」との戦いに挑むが、発作の影響で応戦するどころか拳をかわすこともできず、攻撃を受けるたび、激しく体力を奪われていく。

今、彼女にあるのは「村とユリを救いたい。約束を果たしたい。ヒデキからうけた恩に報い

もっとみる
【Destination】第48話 世界統一王者

【Destination】第48話 世界統一王者

「ヒュドラ軍No.2 ナオキ」

年齢43歳 身長188cm 体重96kgと大柄な体格。元プロボクサーでヘビー級世界統一王者。1980年6月30日、ショウサカ府ワニナ地区に生まれる。

相手ボクサーをガードごと薙ぎ倒すケタ外れのパンチ力、ヘビー級では考えられないほどの軽快なフットワークと急所を正確に打ち抜く高度なオフェンステクニック。

そして、相手のパンチをガードのみに頼らず、ボディーワークで空

もっとみる
【Destination】第47話 少年の選択

【Destination】第47話 少年の選択

危険を承知でルカを助けに戻るべきか、身の安全を優先して村へ帰るべきか。サトシとマモルの意見は別れ口論となる。

「村に帰るべき」

「人の厚意を踏みにじり、感謝の気持ちを伝えても笑顔のひとつもなく冷徹。そのうえ異常なまでの強さ。助けに行けば反対に殺されるのではないか」。マモルの意見は絶対反対。

「助けに戻るべき」

「冷たい態度、人間離れした強さ、確かに感じた殺意と狂気に満ちた恐ろしい目。マモル

もっとみる
【Destination】第46話 恩義 

【Destination】第46話 恩義 

ルカの恩人ヒデキ

「生物学」「薬学」「心理学」に精通。この三分野のスペシャリストとして豊富な知識をもち、世界で最も権威ある賞「リーベル賞」を受賞。

それほどの高い学識がありながら、驕り高ぶった態度は一切なく、謙虚な姿勢を崩さない。

性格は温厚でほがらか。他人への思いやりと人間らしい心の温かみがあり、度量が大きく大人の余裕を感じさせる。

周囲への気配りを欠かさず、悩んでいる部下がいれば、話を

もっとみる
【Destination】第45話 半信半疑

【Destination】第45話 半信半疑

一向に回復の兆しを見せないルカの発作。全身の血管が不規則に激しく脈打ち、心臓と肺の激痛で動くどころか呼吸すらまともにできず、徐々に意識が遠のいていく。

それでも気力を振り絞り、ヒュドラ軍討伐と「ユリ」救出に向けて立ち上がろうとするルカだったが、ふとわれに返り、自らの行動に疑問を抱き始めた。

幼いころに受けた凄惨ないじめ、成人してからも続いた過酷な日々。

その記憶が甦り、「自分は誰にも助けても

もっとみる
【Destination】第44話 葛藤

【Destination】第44話 葛藤

ルカによって命を救われたサトシとマモルは、「ようやく自由を手に入れた。これで夢が叶えられる」と明るい未来に希望を抱き意気揚揚。昂ぶる感情を抑えられずにいた。

ルカはそんなふたりに、「本当の自由はヒュドラ軍を潰さなければ得られない。東に行くには時期尚早」と冷めた顔で現状を説明。

身の安全確保のため、いったんラハマの村へ帰るよう諭す。

少年たちに「ヒュドラ軍の壊滅」を約束したルカは、アジトのある

もっとみる
【Destination】第43話 異変

【Destination】第43話 異変

「人は空を飛べない」

その常識を変えたい、絶対にできると信じ抜いたからこそ、人は飛行機をつくることに成功し常識を覆した。

新しい世界を切り開いてきた者、自分の人生を大きく変えてきた者たちは、自らがもつ常識、他人の常識外のものに可能性を感じ、それを信じて行動してきた。

常識の範囲内で行動したとしても、結果は常識の範囲内のものしか生まれない。

「女性は腕力で男性に勝てない」

ルカの強さは、そ

もっとみる
【Destination】第42話 兵器

【Destination】第42話 兵器

「戦争が始まる」

それは「国家機構崩壊」、「法と秩序の消滅」、「性暴力と破壊の恐怖」これらが同時に始まることを意味する。

戦争は人間の尊厳に対する直接的攻撃、個人や民族の存在を完全否定するもの。

戦場は人間がおかれる最悪の極限状況。

生身の人間が銃で撃ち合い、手榴弾を投げ合い、刃物を持って殺し合う。精神状態は常に異常。そうでなければ人を殺して平気でいられない。

そして、異常な精神状態が倫

もっとみる
【Destination】第41話 性暴力

【Destination】第41話 性暴力

この世には、いつの時代にも、どの国にも男女の違いを理解しようとせず、または知りながら、腕力の差や立場の優位性を利用し、自らの欲望を満たそうとする卑怯者が存在。

「体の大きい男性のほうが、ケンカが強いほうがえらい。女や子どもは男に絶対服従」そう考える者がいる。

明日、不慮の事故で動けなくなる、人を頼らなければ生きられなくなる可能性があるにもかかわらず。

とりわけ、体が小さく力の弱い子どもや女性

もっとみる
【Destination】第40話 Personality not gender

【Destination】第40話 Personality not gender

男女にはそれぞれ一長一短があり、生物としての能力に「優劣」をつけることはできない。だが、うわべだけでみた能力を単純に「比較」することは可能。

「コミュニケーション能力」

万人に共通するものではないが、一般的に女性のほうが、男性よりコミュニケーション能力が高いとされている。女性は会話の中から、相手の情報を正確に得て物事を遂行。

逆に男性は会話よりも、「オレの背中を見て学べ!」といったように、な

もっとみる
【Destination】第39話 男女の特徴

【Destination】第39話 男女の特徴

「男性と女性は平等」、そこに優劣は存在しない。

だが、生物として比較したとき、それぞれ異なった特徴をもっているのは事実。

男女の違いが顕著になり始めるのは14歳以降。12歳(小学6年生)くらいまでは、身長や体重に性差はほとんど見られない。

しかし、思春期を迎えると、男子のほうが身長が伸びて体重も増加。次第に筋肉が発達しガッチリ、ゴツゴツとした体型になる。

一般的に男性の骨格は、女性よりも大

もっとみる
【Destination】第38話 性別の存在

【Destination】第38話 性別の存在

この世には「男と女」ふたつの性別が存在する。

ヒトはこの「性別」があるがために、相当な労力と時間、そして莫大なお金を費やしている。

幼いころから異性を意識するようになり、男子は運動能力の高さや腕力、おもしろさ、ときには、いじわるをして女子に自分をアピール。

女子は少しでも可愛くなろうと、服装や髪型、体型に気をつかい、化粧を覚えて外見の美しさに磨きをかける。

やさしさや周囲への気配り、言葉づ

もっとみる
【Destination】第37話 歴然たる差

【Destination】第37話 歴然たる差

ルカとケイジ。両者の間には天と地ほどの大きな実力差があった。

戦闘開始前、考えに考え抜いた必勝の策は、なんの意味も成さず、ジャポル最強の刀「トモキリランマル」を持ってしても、かすり傷ひとつつけられないまま、ケイジはあっけなく敗れ去る。

ルカの攻撃力は凄まじいものだった。

強烈な拳を腹に受けたケイジは、アバラ骨を砕かれたうえ、内臓、とくに胃に大きなダメージを負い大量に吐血。

その後、とどめと

もっとみる
【Destination】第36話 天罰

【Destination】第36話 天罰

因果応報

「因果応報」は約2500年前、ローラシア大陸にある国「ドウイン」で誕生した、仏教における概念。コクチュウ、北ショウセン半島を経てジャポルへと伝来した。

文字どおり「因」(原因)となる行動から「果」(結果)が生まれ、必ずや「報」(報い)が訪れるという考え方。人間の日常生活は、さまざまな選択とその結果によって形成されている。

この考え方は、仏教の教えにおいて中心的な役割を果たしただけで

もっとみる