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社会に出たら適応障害になった件。

適応障害になった、なんて他人から見たら、いや本人からしても人生の失敗。
できれば経験せずに生きる方がいいだろう。
だけどなってしまったからには次に繋げたい。失敗を笑い飛ばすための備忘録。


失敗との向き合い方を変えるキャンペーン中。


仕事に耐えられなくて適応障害になった。

新卒入社して1年も経たないうちに何もかも楽しく思えなくなって
やっと受診できた精神科で“適応障害と中度のうつ状態“だと診断書を書かれた。


診断を受けても鬱と適応障害の違いは全くわかっていなかったが
調べていくと適応障害には明確なストレスの原因があり、原因から離れることで状態が回復していくケースが多いことがわかった。


そらなるわ、と思った。
当時は4月から始まった毎月のようにノルマを課される半年の研修に耐え
やっと現場に配属されたと安心していたら
研修時代とは比べ物にならないノルマに追われるようになって疲弊していた。


お客様としっかりお話し、それぞれに合うサービスを自分の言葉や熱意で
ご提案することで喜んでいただけるところに惹かれて選んだ会社だった。
会社の人もみんな優しくて好きな人たちばかりだった。


しかしそれ以外が全く体に合わなかった。


原因を考える。

原因は大きく3つあるだろう。

・毎月課される厳しいノルマを重く受け止めすぎた
1番苦しかったのがノルマだ。
研修時代は1ヶ月で課されていたレベルのことを毎日求められるようになった。
毎日数字のことが頭にあるせいで、いつしかお客様=ノルマを達成するための道具、のように見てしまっていた自分に嫌気がさした。
「自分のご提案でお客様に喜んでいただきたい、そしてお客様と温かく繋がり続けたい」そんな純粋な気持ちが消えていた。

また、ノルマを達成したかどうかで自分の価値を測っていた。
研修時代からノルマ達成者が同期同士で称賛されており、達成できたらできる人扱いされ、結果次第で上司の対応も見方もそれなりに変わる環境で過ごした。
配属後、同期同士の関係は“辛い中一緒に頑張る仲間“に変わったが
1日の振り返りと共にノルマ到達度を記入して提出したり、全員の到達度が閲覧できる(むしろ毎日みてと言われていた)システムがあったり、配属された班ごとにノルマ到達度で競うイベントも定期的に開催されていた。唯一の休み時間である昼休憩でも話題に上がるのは愚痴かノルマの話で、聞いているだけで休んだ心地がしなかった。

できた時は「とりあえずよかった」と一時的に安心して来月にはまた1から積み上げなければいけないことに不安を感じ、できていない時は「自分はダメだ」と責めた。
「そんなことで自分の価値は決まらない、来ているだけで偉い」
と同期と慰め合ったところで、
1日のほぼ全てを仕事が占める生活をしていた私にとって
そんな言葉は水ですぐ取れてしまう絆創膏のような、信用できないものだった。


・シフト制、遠い職場
当時はあまり気にしていなかったが、働き方も合っていなかったと思う。
早番、遅番に合わせて生活したことで「ゆっくりお風呂に浸かりたいけれど明日が早いからシャワーで済ませよう」「遅番だから夜やる予定だった家事は朝に済ませておこう」等シフト中心に生活を回すため、“やりたいことよりやるべきこと“を徹底していた。初めての一人暮らしだったが、自分1人の空間ですらも手を抜けなかった。完璧主義にも程がある…
さらに職場が遠く、出勤に時間がかかるため、家を出る時間が早くて余計に自分の時間が削られていった。(時間ができても結局出勤の日は全力で睡眠時間の確保に努めていた)


・常に大きな音がなっている職場環境
私は映画館で映画を観るのが少し苦手だ。大きな音が体に響くような感じがしていちいちびっくりしてしまう。
職場はそんな環境だった。広いオフィスで常に電話が鳴り、誰かが話している。広いが故に指示を出すためにマイクが使われ、自分もお客様と話している。
もう訳がわからない。周りの音にビビりながら隣の話し声を聞きながら話すことがどうしても難しかった。もはや自分が何を言っているのかわからなくなった。
上司に相談して端の席にしてもらっていたがそれでも苦痛だった。


失敗から得たもの。

だいぶ特殊な職場環境にいた自覚はあるが、経験したからこそ自分の苦手な環境や苦手具合に気がつくことができた。(多少苦手でも我慢できると思っていたし、それでもやってみたかった)
自分の「無理!!!!!」がわかることで次の職場環境を選ぶ軸が定まる。また、ストレスを溜めない工夫ができるようになる。


>>>失敗から得たこと<<<

・ノルマがある環境では必要以上に自分を追い込んでしまう
自分の価値を他人の評価に見出しているうちはそういう環境に入ると心を失う。ノルマがない職や自分で設定できる職を選ぶ方が苦しまずに済む。長期的には、他人軸マインドも変えていきたい(他人軸マインドに気付けたのはよかった)。

・変化の大きい過ごし方、こん詰め状態が苦手
休んで初めて余白の大切さに気づいた。シフトも残業があまりない点では時間を作りやすい働き方だが、予定変更や変化にストレスを感じやすいようなので、毎回同じ時間帯で働くサイクルが作れる職場が適していそう。すべきことがあっても必ず自分を労る時間は確保するように心がける。バランスが大事。そもそもストレス発散法や癒されるものがわかっていないため、そこをリスト化して実践できるとなおいい。


・大きな音は無理
我慢できるなんて過信。映画館の数時間が限界。静かすぎて音が出せない場所も緊張するのでカフェみたいな程よい雑音の環境があればとても良い。音に慣れることはできないのでここは絶対に死守すべき。


これから。

診断を受ける前、朝起きて行きたくないと泣き、家を出る直前に泣き、始業前トイレにこもって泣き、帰り着いて泣き、シャワーしながら泣き、ベッドで寝たら明日が来てしまうと泣く生活をしていた。

こんなになるまで働く必要があるのだろうか。
自分のSOSを無視して何のために働くのか。お金?別に物欲もない。
症状が回復してきたからこそ思えるが、
適応障害になったことが働き方や生き方、自分の価値観を見直すきっかけになった。その点は感謝しないと。
次のキャリア、まだ全然決めていないけど、
頑張ることを楽しみながら働ける場所を探したい。

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