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記事一覧

お線香とねこ

つうう と のびていく その 白い線を 見上げている ねこ のびていく 白い線の じゃまを するなんて 無粋なことは しない 少しの動きでも その 白い線が ゆらり …

あまなす
1時間前
22

理由とか、動機なんて、なんとなく、くらいで十分さ

奇岩シューズ、というくらいだから 奇数なわけ、はやい話、片方の靴、ということ だから、ふつうは 偶岩シューズ、なんだけど そのお店では、奇岩シューズだ なくしてし…

あまなす
20時間前
78

明日の降水確率はカルガモちゃんです

まったく、驚くことでもない 混乱だって、していない ましてや、パニック、だなんて―― 朝、起きたら カルガモちゃんに なっていた わたしとしては ねこのほうが よかっ…

あまなす
1日前
72

悩ましいこととかがあるわりに

ドーナツの穴は ナニイロ、なんだろうねえ ねこがつぶやいた わたしのほうを向いて、ではなく 窓の外を見ながらだった ぼそっと、口から出ただけかな、と わたしは、それ…

あまなす
2日前
120

ささやかながら

庭を ちょっとばかり 片付ける イスを置けるスペースを なんとなしに 確保してみる 夏になったら 飲みものを手に 夕涼みでも なんて ひそかに 計画している 夏は 正直 …

あまなす
3日前
134

ねこヒラリきらり

そのとき そのときの 感情の うつりかわりで からだの イロが 次々 変化していく ウチのねこ 寝ているときも 見るたんび 変わっていく いったい どんなユメを…

あまなす
4日前
140

あめにうたえば

きっと、足りてないんだよ 乾いちゃってるんだよ がさがさ言ってるのが 分かるくらいさ そろそろ、ひと雨、きそうだねえ 雨の匂いが、ひと足先に 教えに来てくれたようだ …

あまなす
5日前
130

ゆるゆるでも ちぐはぐでも

赤色と赤色をまぜて いちごのジャムを つくっちゃう むらさきと むらさきをまぜて ブルーベリージャムが できちゃった そこのオレンジ色 持ってきてくださる? ここにあ…

あまなす
5日前
106

異様な街並み

右隣のおウチは、代々 文学トリマーの家系 幼馴染みのカオルちゃんも 今度、文学トリマーの試験を受ける 左隣のおウチは、代々 山岳カルマの家系 幼馴染みのワタルくんも …

あまなす
6日前
104

少し休んだら、と言われているような

クレヨンで みどり しろ あか を ぬりながら クリームソーダ色 と タカキが とびきりの 笑顔で 言った ここのところ 忙しくって 喫茶店に 連れて行って あ…

あまなす
6日前
100

ねこのお歌

ウチのねこは お歌がヘタっぴい そこで、夏くじらに お歌を、教えてもらうかなあ と、なったのだけど 水は苦手だから、と ウチのねこが、海に 行きたがらない なら、夏フ…

あまなす
7日前
89

人間やるの 初めて なんだから なにごとも 怖くて あたりまえ と ねこに 言われる

あまなす
8日前
102

お決まりの結末

文学をやるトリと、文学をやるウマが 手と手を取り合うことでできた 文学トリマーなる文学団体 自分が文学だと思うんなら文学だ を合言葉に、勢力を拡大している けれど…

あまなす
8日前
85

居心地のよさ

今夜は、なんだか 気持ちがざわつく 妙な胸騒ぎ 月を見てみる 満月じゃないけどなあ なんなんだろう 理由がつけられないのは キモチの悪さにつながる よくない、よくない…

あまなす
9日前
97

これからの季節は

歌がうまいといったら やっぱり、春うさぎなの でも、春うさぎの歌がきけるのは 春っぽい時期だけのことなの 決まりきったことなのだけど やっぱり、ききたくなってしまう…

あまなす
10日前
119

ただただ、おなかが痛い

朝は ごめんね と ねこに言うも ねこは 聞こえないふりで 知らんぷり

あまなす
10日前
91
お線香とねこ

お線香とねこ

つうう と のびていく
その 白い線を
見上げている ねこ

のびていく
白い線の
じゃまを するなんて
無粋なことは しない

少しの動きでも
その 白い線が
ゆらり ゆらり
体を くねらせてしまうことを
ねこは 知っている

その身を
みっともなく
くねらせる
白く のびる線を
ねこは ことさら
嫌悪する

そのくせ
そよぐ風の いたずらに
白い線が 身を よじると
ねこも じっとしていられず

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理由とか、動機なんて、なんとなく、くらいで十分さ

理由とか、動機なんて、なんとなく、くらいで十分さ

奇岩シューズ、というくらいだから
奇数なわけ、はやい話、片方の靴、ということ

だから、ふつうは
偶岩シューズ、なんだけど
そのお店では、奇岩シューズだ

なくしてしまった片方を
おんなじに、つくってくれるお店

けど、靴を片方だけなくすって、いったい……

海で、靴を半脱ぎに
ぶらぶらやってたら
流してしまった
とかかな

ブランコにのって靴飛ばしをしたら
思いのほか飛んでっちゃって
見あたらな

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明日の降水確率はカルガモちゃんです

明日の降水確率はカルガモちゃんです

まったく、驚くことでもない
混乱だって、していない
ましてや、パニック、だなんて――

朝、起きたら
カルガモちゃんに
なっていた

わたしとしては
ねこのほうが
よかったんだけどなあ
もしくは、魔法つかい、かなあ

でも、まあ、仕方ないかあ
なっちゃったもんは

けど、やっぱり
ねこがよかったなあ
もしくは、魔法つかい、だよねえ

学校に行くと、みんな
それぞれ、何かに
なっていた

となりの席

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悩ましいこととかがあるわりに

悩ましいこととかがあるわりに

ドーナツの穴は
ナニイロ、なんだろうねえ

ねこがつぶやいた

わたしのほうを向いて、ではなく
窓の外を見ながらだった
ぼそっと、口から出ただけかな、と
わたしは、それに、応じなかった

しばらくして

ドーナツの穴は
ナニイロなんだい?

先ほどより、やや強い口調
さらに、わたしのほうに、向き直っている
確実に、わたしは、問われている

けど、なんと答えたものか

うーん

と、言って
ごまかす

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ささやかながら

ささやかながら

庭を
ちょっとばかり
片付ける

イスを置けるスペースを
なんとなしに
確保してみる

夏になったら
飲みものを手に
夕涼みでも
なんて
ひそかに
計画している

夏は
正直
あんまり
好きではない

けど
ささやかながらも
そういった
楽しみが
あったりすると
夏も
悪くないかなあ
なんて
思えてしまうなあ

ねこヒラリきらり

ねこヒラリきらり

そのとき

そのときの

感情の

うつりかわりで

からだの

イロが

次々

変化していく

ウチのねこ

寝ているときも

見るたんび

変わっていく

いったい

どんなユメを

みているんだろう

それにしても

あまりに

変化しすぎて

何色と

言っていいのか

なんとも

分からない

ひとまずは

ユメイロ

とでも

言っておこうかな

あめにうたえば

あめにうたえば

きっと、足りてないんだよ
乾いちゃってるんだよ
がさがさ言ってるのが
分かるくらいさ

そろそろ、ひと雨、きそうだねえ
雨の匂いが、ひと足先に
教えに来てくれたようだ

ぽつぽつきたら
その手に持ってるカサなんか
放り出しちゃってさ
体いっぱいで、感じてみたら、いいんだよ
体じゅうに、行き渡らせていったら、いいんだよ

顔なんか、ぬれちゃって
靴下なんかも、どろどろで

あはははは、なんて笑いなが

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ゆるゆるでも ちぐはぐでも

ゆるゆるでも ちぐはぐでも

赤色と赤色をまぜて
いちごのジャムを
つくっちゃう

むらさきと
むらさきをまぜて
ブルーベリージャムが
できちゃった

そこのオレンジ色
持ってきてくださる?

ここにある
オレンジ色とあわせて
ママレードにしちゃうから

わたし、魔法つかいなの
これくらい
あたり前に
できちゃうわ

あしたの朝ごはん
楽しみね
フフフ

異様な街並み

異様な街並み

右隣のおウチは、代々
文学トリマーの家系
幼馴染みのカオルちゃんも
今度、文学トリマーの試験を受ける

左隣のおウチは、代々
山岳カルマの家系
幼馴染みのワタルくんも
今度、山岳カルマの試験を受けるらしい

挟まれているわが家は、特別どうこうはなく
お父さんは、中堅メーカーのサラリーマン
お母さんは、専業主婦という
いたって、普通の家庭

それにイヤ気がさしたとか
そういうことでもないのだけど

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少し休んだら、と言われているような

少し休んだら、と言われているような

クレヨンで

みどり

しろ

あか



ぬりながら

クリームソーダ色



タカキが

とびきりの

笑顔で

言った

ここのところ

忙しくって

喫茶店に

連れて行って

あげられて

なかったなあ



ちょっぴり

反省

ねこのお歌

ねこのお歌

ウチのねこは
お歌がヘタっぴい

そこで、夏くじらに
お歌を、教えてもらうかなあ
と、なったのだけど
水は苦手だから、と
ウチのねこが、海に
行きたがらない

なら、夏フクロウに
教えてもらうかなあ
と、なったのだけど
夏フクロウは
夜にならないと
お歌をやりはじめない

夏フクロウが、お歌を
やりはじめるころになると
ウチのねこは、すっかり
眠たくなっていて
お布団にこもってしまい
お歌どころで

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お決まりの結末

お決まりの結末

文学をやるトリと、文学をやるウマが
手と手を取り合うことでできた
文学トリマーなる文学団体

自分が文学だと思うんなら文学だ

を合言葉に、勢力を拡大している

けれど
自分は文学だと思っている
との言いわけのもと
ずばばんと言いきってしまえば
それだけで、文学、の格を得られちゃう
そういったとこが、ウチのねこは
気に入らないみたいなのだ

ウチのねこがやっているのは
文学ではなく、文芸なので

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居心地のよさ

居心地のよさ

今夜は、なんだか
気持ちがざわつく
妙な胸騒ぎ

月を見てみる
満月じゃないけどなあ
なんなんだろう

理由がつけられないのは
キモチの悪さにつながる
よくない、よくない

なんてことを考えていたら
無意識に、はや足になっていた
いけない、いけない

足のくり出しがはやくなると
キモチも急いてしまう
よくない、よくない

夜の散歩
というより
今夜は、巡回
という感じ、なのかな

特に、変わったと

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これからの季節は

これからの季節は

歌がうまいといったら
やっぱり、春うさぎなの
でも、春うさぎの歌がきけるのは
春っぽい時期だけのことなの
決まりきったことなのだけど
やっぱり、ききたくなってしまうの

それを無理やり歌わせたりなんかすると
悲しそうに泣いてしまったり
ごはんを食べなくなってしまったり
どこか遠くの知らないとこに行ってしまったり

だから、これからの季節は
ケロケロにおまかせするのがいいの

え? ホタル?

あれ

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