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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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記事一覧

「唇の奥」(詩)

教えられるかしら あなたの愛が わたしを何色に染めたのか それは一色に見えるかもしれないし …

とし総子
6時間前
5

「息を吹く」(詩)

吐息は 溜まっていた息? それなら白い手よ  放してあげなさい 灯火を吹く息は ためらってい…

とし総子
1日前
11

「ふれる」(詩)

見つめられるものの手を はなしていいだなんて なんてこと 目に見えないものにばかり 名前を…

とし総子
2日前
10

「炎」(詩)

心が 燃えてもいいですか 大火事です すべてのこだわりと自信を 塵と化してもいいですか それ…

とし総子
3日前
14

「無音の不明瞭」

無音が湧き上がって 私の耳を割ろうとする それに抵抗して 私はうつくしい歌を回す 無音の不…

とし総子
5日前
13

「きらきら星」(詩)詩集「風景」より

キラキラ星を探して 君はそういった ながれ星ではだめよ キラキラ星よ 夜は迫り 列車は夜に…

とし総子
7日前
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「わたしの王よ」(詩)

花に背を預け 汚れがすべて風に溶け 流れの力があらゆる澱をとるのなら 私はもう無為に寝転がり 全てに手足も首も髪もつかまれて 割れてあげよう ゆるしてあげよう わたしをわたしのまま腹に入れ わたしをわたしのまま空気を吸わせ 互いの中の私と共に 繋がりを持って生きるといい その闇の隅々を わたしは負いに生まれたのです

「かたさがはこぶ遠さ」(詩)

私に降り注ぐ水玉 たくさんのたくさんの祈りだったら みんな割れて汚濁と混ざるよ 私に降り注…

とし総子
10日前
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「おばあちゃん、わたし」(詩)

まともな孫じゃなかった さいしょから まともであろうとする努力のあとなんて 見つけられなか…

とし総子
12日前
11

「綿毛」(詩)

私は錆びていく あなたが好き あなたが好き 私は三角を失った積み木 あなたが好き あなたが…

とし総子
13日前
13

「わたしのやさしい詩」(詩)

わたしはやさしいひとだった わたしはやましいひとだった わたしはただしいひとだった わたし…

とし総子
2週間前
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「希求」(詩)

言葉の全てが嘘になってしまっても そう と私は思う そんなはずはないと なんて露ほども過ら…

とし総子
2週間前
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「白い水玉」(詩)

わたしはあなたを信じましょう あなたがわたしをうつすままに わたしは 黒や赤の縞模様だった…

とし総子
2週間前
9

「重い青」(詩)

青の重い水の中 光は届くものだろうか わずかに溶けたものが 手の指の間をかすめていくだけかもしれない ここにいったい何体の 少女が 女が 沈み込んでいる 手の届く先 誰かいるのか 水の手触りはしない 冷たさが這い回るだけ 呼吸の苦しさは感じられない 体の中のほうがよほどつよく低温だ 上は見えない こころは浮かばない 火はいっこうに放たれず ここは濁る一歩手前の青と黒を行き来している