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MENA(中東・北アフリカ)専門家によるイラン解説 XVIII

 皆さんはアニメ版『ゴールデンカムイ』をご覧になったことがありますか? ここで『アニメ版』と明記しているのは、『ゴールデンカムイ』には、コミック版や実写版なども存在するためです。 #ゴールデンカムイ は、日本国外でも人気がある #アニメ だと、海外の方々から聞いてはいましたが、彼らの説明では、このアニメの具体的な内容が良く分かりませんでした。

 そこで、Netflixで配信されていたのを機に、昨日から視聴を始めました。この作品は #アイヌ民族 をテーマにしており、それが今日のテーマである #多民族国家 につながります。

 私はアメリカやオーストラリア、中国、ASEAN諸国、インド、NAMA諸国など多民族国家での生活が長く、異文化を楽しむことができる性格なので、今回はイランがどのような民族構成であるかについて大まかに説明します。

多民族・多言語国家イラン

#イラン は多民族・多言語国家です。イランには様々な民族が居住しており、主な民族には #ペルシャ 人、 #アゼルバイジャン 人、 #クルド 人、 #ラーシュ 人、 #バローチ 人、 #アラブ 人などが含まれます。これらの民族はそれぞれ独自の言語や方言を話します。公用語はペルシャ語(ファルシ語)ですが、他にも多くの言語が使用されており、特にアゼルバイジャン語やクルド語、ラーリ語、バローチ語、アラビア語などが広く話されています。イランの文化や社会は、これらの多様な民族的背景によって大きく形作られています。

ペルシャ人(Persians)
 ペルシャ人はイラン最大の民族グループで、イランの人口の約半数を占めます。彼らは主にイランの中央部と南部に居住しており、国の政治、経済、文化の中心的な役割を果たしています。公用語であるペルシャ語(ファルシ語)はインド・ヨーロッパ語族に属し、ペルシャ文化は古代からの豊かな詩、音楽、美術に富んでいます。ペルシャ文学と詩は特に世界的に有名で、詩人のハーフェズやルーミーは国際的に評価を受けています。

アゼルバイジャン人(Azerbaijanis)
 アゼルバイジャン人はイランで二番目に大きな民族グループで、主に北西部のアゼルバイジャン地方に居住しています。彼らはトルコ語系のアゼルバイジャン語を話し、シーア派イスラム教の信者が多いです。アゼルバイジャン人の文化は音楽、ダンス、料理においても独自の特徴を持ち、豊かな民族的伝統を持続しています。

クルド人(Kurds)
 クルド人はイランの西部と北西部、特に #クルディスタン 地方に居住しています。クルド語はインド・ヨーロッパ語族のイラン語群に属し、複数の方言があります。クルド人は独自の文化を持ち、彼らの伝統的な音楽、ダンス、衣装はクルド社会の重要な部分です。クルド人は独自の社会構造を持ち、部族と家族が重要な役割を果たします。

ラーシュ人(Lurs)
 ラーシュ人はイラン西部に主に居住するイラン系民族です。彼らは主にロレスタン州、イーラーム州、フーゼスターン州などに分布しています。ラーシュ人の言語は『ラーリ語』と呼ばれる西イラン語群に属しており、ファルシ語(ペルシャ語)と類似点が多いですが、独自の方言と特徴を持っています。伝統的に、ラーシュ人は遊牧または半遊牧生活を送っており、羊や山羊の飼育に従事していますが、現代では多くが定住して農業や都市部での様々な職業に従事しています。彼らの文化は音楽、詩、ダンスに富んでおり、独自の伝統的な服装や祭りがあります。

バローチ人(Baluch)
 バローチ人は主にイランの東部、特にシースターン・バルーチェスターン州に居住していますが、パキスタンやアフガニスタンにも分布しています。彼らはイランの中でも特に文化的、言語的に異なる民族グループです。バローチ語はインド・ヨーロッパ語族のイラン語群に属しており、複数の方言が存在します。バローチ人の社会は部族制度に基づいており、各部族が独自のリーダー(首長)を持っています。彼らの経済は伝統的に遊牧牧畜が中心でしたが、現在では農業、貿易、一部では漁業も行われています。バローチ文化は豊かな口承文学、音楽、ダンスを有しており、色鮮やかな民族衣装が特徴的です。

アラブ人(Arabs)
 アラブ人は主にイランの南西部、特にフーゼスターン州に居住しています。彼らはアラビア語を母語とし、多くがシーア派のムスリムです。イランのアラブ人コミュニティは、伝統的なアラブ文化を保持しており、詩、音楽、口承文学が文化的アイデンティティの重要な要素です。彼らはまた、地域経済において農業や石油産業で重要な役割を担っています。

 これらの民族はイランの多様な文化的風景を形成し、それぞれが国の歴史とアイデンティティに影響しています…と、ここまで前振りしたら、もう、ゴールデンカムイ・インスパイヤー系で #創作大賞2024 #創作漫画部門 に以下のような作品を書くしかない!

タイトル:クルディスタンのラビリンス

時代背景
20世紀初頭、ロシア革命後の混乱が続く中、イランのクルディスタン地方。ロシア帝国の崩壊に伴い、新たな権力争いがこの地を再び不安定にしていた。

主要キャラクター
アリアン:イラン・クルド人の青年。元イラン陸軍の不死身の兵士で、戦争で家族を失った過去を持つ。彼の村はかつてロシアの支配下にあり、ロシアから逃れた者たちによって建てられた。

ソフィア:ロシアの不良少女であり、 #グレタ・トゥンベリ のような革命運動家。ロシアを追放され、クルディスタンに逃れる。アリアンとは異なる背景を持つが、共通の目的で行動をともにする。

プロット

第1幕:不穏な風
 アリアンは、故郷に戻り平和な生活を求めていたが、村に新たな外国の影が忍び寄ることを感じ取る。一方、ソフィアは、ロシアの革命理念を広めるために秘密裏にクルディスタンに入国し、アリアンと出会う。

第2幕:隠された遺産
 アリアンとソフィアは、ナジーム部族長のもとを訪れる。ナジームは、村の近くに古代から伝わる、まるで #スプリガン のネタのような貴重な遺物が隠されていると打ち明ける。この遺物はかつてロシアによって探されたが、見つかることはなかった。ナジームは、遺物を守ることでクルド人の独立と誇りを保ってきた。

第3幕:権力の争い
 村にロシアの残党勢力と新たなソビエト政府からの使者が現れ、遺物を巡る争いが始まる。アリアンとソフィアは、ナジームと協力し、遺物を守る戦いに挑む。彼らは異なるバックグラウンドを乗り越え、困難な状況の中で信頼関係を築いていく。

第4幕:最後の戦い
 敵勢力を迎え撃つ中、アリアンとソフィアは遺物の真の価値とそれがクルド人にとって何を意味するのかを理解する。最終的に、彼らは遺物を利用してクルディスタンの未来に貢献する道を選ぶ。

エプローグ
 このシナリオは、歴史的な背景に架空の物語を織り交ぜつつ、文化的アイデンティティと自己決定のテーマを探求しますが、どんな話になるかは、ネタバレするので教えられないというか、どんな作品にするか、まだ考えていないのです。

つづく…

#武智倫太郎

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