片山 緑紗(かたやま つかさ)

チョコレートの記録、読書と旅と歴史と日常を写真といっしょに書き散らかしています。喫茶店…

片山 緑紗(かたやま つかさ)

チョコレートの記録、読書と旅と歴史と日常を写真といっしょに書き散らかしています。喫茶店にまつわる昔話などをたまに。 https://www.every-photo.com/1740666783124963/photos

マガジン

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固定された記事

自己紹介のようなものとして。※ときどき更新

このページを開いてくれてありがとうございます。うれしいです。このnoteの、大まかな分類をここに記しておきたいとおもいます。 チョコレートについてチョコレート(カカ…

いつもと違うカメラであそぶ

 今週の真ん中はとてもよく晴れていました。空が青くて、空気もカラッとして、じっとしていてはもったいないようなお天気でした。それとグラデーションして、週のあたまと…

CHOCOLATE TREE-チョコレートツリー ウィスキーニブス 70%-

 記事にするのをつい忘れてしまう、チョコレートテイスティングの記録です。しかもまだ昨年(2023)分・・・。  CHOCOLATE TREEのタブレットを食べるのは、初めてだった…

喫茶店百景(五島編)-ふねを待つあいだ-

 3週間ほどまえに訪ねた五島市の久賀島にまた行った。日帰りで、仕事の用事なのでばたばたと時間が過ぎ、久賀島から福江島に戻ってから帰りの高速船までのちょっとした時…

(たぶん)変わりゆくサン・ジワン枯松神社

 数日前にちょっとだけ外海地区を訪問した。いつもお世話になっているTKサンにお付き合いいただいて、枯松神社と子捨川・仏崎を見に行った。  枯松神社というのは、外海…

日本人的心性のふしぎ

 ついきのうまで、民俗学に関する本を読んでいて、いろいろのことを考えた。ひとつに、日本人の、輪廻的、円環的な人生観というのにふと思い出したことがある。  うちの…

喫茶店百景-basement-

 帰宅途中に、ある建物にふと目がいった。ずっとむかし、その建物の2階にバーがあったのである。  ずっとむかし、というのは私が幼いころのことで、このマガジンにはそ…

いろどりをもつ短編 梅崎春生

 あることのために読んだ短編集で梅崎春生の「赤帯の話」に出合った。このひとの作品を読んだおぼえはないから、まあはじめましてといっていいとおもう(恥ずかしながら)…

ヴァローナのチョコレートで

 テリーヌショコラという名をもつお菓子の存在は知っていたものの、とくに口にする機会もなく過ごしてきました。  すこし前にふと、食べてみたくなったんですよね。見つ…

4月下旬の日常的風景-久賀島と福江島-

 仕事の用で、久賀島に行ってきた。五島列島のいちばん大きな島である福江島の、北西に位置する島である。  昨年9月以来である。ちょっとした事情で急に行く必要が出て…

いいにおい

 この頃すこし思考が散漫ぎみで、noteにもなんだか集中できていません。きょうは、満月ですね。さそり座の満月は出血とかかわりがあるそうです。きのう、AmazonPrimeVideo…

吉宗(よっそう)で茶碗蒸しをたべる

 少し前に、むかし馴染みのお姉さんが東京から帰省していて、そのあいだに2度ほど会って時間を過ごした。お姉さんは私がちびの頃に、両親の店(喫茶店をしていた)でアル…

MAROU-マルゥ ベンチェ 78%-

 ベトナム産のカカオ豆を使用したビーントゥバーチョコレートメーカーのMAROUのミニタブレットからベンチェ78%の記録です。開封したのは昨年12月・・・。  購入したのは…

九州6か国の太守かあ(『王の挽歌』読後)

 事務所のそばには美術館があって、その美術館には屋上庭園があります。事務所の窓から見えるその場所に、そういえば上ったことがないことに先日気がつきました。  ある…

引き潮

 ちょっとした用事で外海まで車を走らせた日、なんとなく、という感じで海岸におりて写真を撮りました。  この日は曇り空、夜には雨模様になるかな、とおもっていたけれ…

カレイドスコープ的散文

 以前、長崎出島にあったオランダ商館で商館長として滞在していたヘンドリック・ドゥーフという人物について書いた。出島というちいさな居留地に出入りが許されていた丸山…

固定された記事

自己紹介のようなものとして。※ときどき更新

このページを開いてくれてありがとうございます。うれしいです。このnoteの、大まかな分類をここに記しておきたいとおもいます。 チョコレートについてチョコレート(カカオ)の個性や味わいを探求することが好きになりました。買って撮って食べて、書いていきます。 チョコレートのマガジン コーヒーについて生まれたときから両親(途中から父親のみ)が喫茶店をしていました。自家焙煎のコーヒーが、いちおうひとつの売りでした。2019年に閉店しています。コーヒーについて、喫茶店について、家族

いつもと違うカメラであそぶ

 今週の真ん中はとてもよく晴れていました。空が青くて、空気もカラッとして、じっとしていてはもったいないようなお天気でした。それとグラデーションして、週のあたまとおしりは曇ったり、雨が降ったり。 *  夜には雨が降るかなあ、という日の午後、少しだけ外海に行った。このあたりは雨の前後に霧がよく出る。この日は視界が通らないほど真っ白だった。  この写真、ノイズに見えるのはぜんぶ、小さな水滴である。画像にはLightroomで「かすみを除去」をキツめにかけているんだけど、実際はほ

CHOCOLATE TREE-チョコレートツリー ウィスキーニブス 70%-

 記事にするのをつい忘れてしまう、チョコレートテイスティングの記録です。しかもまだ昨年(2023)分・・・。  CHOCOLATE TREEのタブレットを食べるのは、初めてだったとおもいます。シングルオリジン(単一産地)のラインナップもあるのですが、今回はウィスキーフレーバーのものを購入しました。ディスカウントされてたんだっけな(わすれた)。  CHOCOLATE TREEはスコットランド発のクラフトチョコレートメーカーです。2009年イギリス・エディンバラ市内にオープン

喫茶店百景(五島編)-ふねを待つあいだ-

 3週間ほどまえに訪ねた五島市の久賀島にまた行った。日帰りで、仕事の用事なのでばたばたと時間が過ぎ、久賀島から福江島に戻ってから帰りの高速船までのちょっとした時間を、喫茶店で過ごした。  港から歩いて10分もかからない場所にその喫茶店はあった。五島市内のひとに教えてもらった店で、知っていたら前回もここで休んだかもしれない。 ▽高速船待ちの時間つぶしに迷ったようす  落ち着いた雰囲気の、照明が暗い店だったのでほっとしつつ、席をとって座り、メニューを開く。コーヒーを飲みたか

(たぶん)変わりゆくサン・ジワン枯松神社

 数日前にちょっとだけ外海地区を訪問した。いつもお世話になっているTKサンにお付き合いいただいて、枯松神社と子捨川・仏崎を見に行った。  枯松神社というのは、外海の黒崎地区にある場所で、神社というけれど社格は持たない。かくれキリシタンの史跡の一つで、訪問ははじめてではない。  わりとどうでもいいことかもしれないけれど、枯松神社参詣のために車を停めるこの場所は、外海総合公園という公共の場である。車から降りて枯松にむかおうとしたところで、TKサンが、ここは県内で(たぶんそうい

日本人的心性のふしぎ

 ついきのうまで、民俗学に関する本を読んでいて、いろいろのことを考えた。ひとつに、日本人の、輪廻的、円環的な人生観というのにふと思い出したことがある。  うちの母親は色んな意味で宗教的な思想や思慮深さなどがないひとなんだけれど、たびたび私にむかってこんなことをいった。 ——つかさはわたしのばあちゃんの生まれ変わり。  つまり私にとってはひいばあちゃんである。誕生日が同じなんだそうで、きょうだいのなかで私だけひいばあちゃんに抱かせられなかったのを残念がりつつ、こういうこと

喫茶店百景-basement-

 帰宅途中に、ある建物にふと目がいった。ずっとむかし、その建物の2階にバーがあったのである。  ずっとむかし、というのは私が幼いころのことで、このマガジンにはその時代のことを思いだして書く記事が多い。  近所の、その2階にあったバーには父親とその友人たちに連れられて行っていた。ビリヤード台がおいてあったのは憶えている。暗くて、他の景色はよく見えなかった。大人のまねをしてビリヤードで遊んでみたり、つまみのチョコレートを食べるなどして過ごしていた。  店の名は「basemen

いろどりをもつ短編 梅崎春生

 あることのために読んだ短編集で梅崎春生の「赤帯の話」に出合った。このひとの作品を読んだおぼえはないから、まあはじめましてといっていいとおもう(恥ずかしながら)。これはシベリア抑留民の一場面を描いた短い話である。赤帯というのは抑留民のうちのある班の親方であるソ連兵のことで、あだ名である。  この短い話は、冒頭と最後の場面で夢の話が出てくる。情景の描写には色の表現がよく出てくる。そんなふうなことを感じながら読んだ。  主人公(「私」という日本人)は、空腹を抱えてくりかえし、食

ヴァローナのチョコレートで

 テリーヌショコラという名をもつお菓子の存在は知っていたものの、とくに口にする機会もなく過ごしてきました。  すこし前にふと、食べてみたくなったんですよね。見つけたレシピの材料と工程がシンプルだったので、作ってみました。  材料に使うチョコレートは、カカオ64%くらいのものがよいと書かれていました。さて、どこのチョコレートを使おうかな  これはあまりあれこれ調べたりしなくとも、ヴァローナのにしよう、と思いました。フェーブと呼ばれる楕円形のものを、数種類買い求めました。 最

4月下旬の日常的風景-久賀島と福江島-

 仕事の用で、久賀島に行ってきた。五島列島のいちばん大きな島である福江島の、北西に位置する島である。  昨年9月以来である。ちょっとした事情で急に行く必要が出てきて、連休に入ってしまう前にと急いで手配した。レンタカーが空いていてよかった、と胸をなでおろした。天気もわるくなさそうである。  今回は日帰りで、だけど福江と久賀をつなぐ定期船がドック中だったから、移動の時間にすき間ができた。業務上の用事を終えたあとに、久賀島内をのんびり車でまわり、福江島で帰りの高速船まで散歩して

いいにおい

 この頃すこし思考が散漫ぎみで、noteにもなんだか集中できていません。きょうは、満月ですね。さそり座の満月は出血とかかわりがあるそうです。きのう、AmazonPrimeVideoで『Citadel』というドラマの視聴を開始したんですが、スパイもの、アクションもののドラマだから流血シーンがいっぱい出てきます(関係ないか)。  集中する気力がないので、だらだらっと最近のことでも書いてみます。 *  数日前に、夕飯のお誘いをいただきました。しごとが終って帰るだけの、日常とい

吉宗(よっそう)で茶碗蒸しをたべる

 少し前に、むかし馴染みのお姉さんが東京から帰省していて、そのあいだに2度ほど会って時間を過ごした。お姉さんは私がちびの頃に、両親の店(喫茶店をしていた)でアルバイトをしてくれていた人である。  店のアルバイトに来てくれていたのは、彼女が大学生(短大かも)だった頃のことだけれども、実は彼女の家は裕福でアルバイトの必要などなかった。ちょっと変わった経緯でうちに来ることになり、しばらくのあいだ働いてくれていた。  結婚してしばらくあとに長崎を離れたお姉さんと、数年前ぐうぜんか

MAROU-マルゥ ベンチェ 78%-

 ベトナム産のカカオ豆を使用したビーントゥバーチョコレートメーカーのMAROUのミニタブレットからベンチェ78%の記録です。開封したのは昨年12月・・・。  購入したのは、福岡のあるところにお供したときに、その場所の近くにあったカフェにMAROUの文字が見えてふらふらとチョコレートだけ手に取ったんでした。ぐうぜんというか、先週末はこのときお供した先の方の演奏を、聴きました。  ライブは古い漬物屋の蔵というかそんなところが会場で、JAZZのカルテットでした。  蔵の天井にはツ

九州6か国の太守かあ(『王の挽歌』読後)

 事務所のそばには美術館があって、その美術館には屋上庭園があります。事務所の窓から見えるその場所に、そういえば上ったことがないことに先日気がつきました。  ある日の午後、散歩のつもりで上ってみて、眺めがいいことと人の少ないのに気分がよくなりました。 *  再読となる遠藤周作氏の著作『王の挽歌』を読み終えました。大友義鎮(宗麟)を主人公にした作品です。  作品のなかで、ところどころ大友宗麟の、亡母にたいする心情が描かれていたり、謀反人服部右京亮の妻をもてあそぶ自分の内にあ

引き潮

 ちょっとした用事で外海まで車を走らせた日、なんとなく、という感じで海岸におりて写真を撮りました。  この日は曇り空、夜には雨模様になるかな、とおもっていたけれど、予想していたより早い時間から雨になりました。  潮がひいていて、小さい三脚でもなんとか撮れた。空と向こうの景色が霞んでいて現像がしにくかったです。  特に書くようなこともなかったんだけど、せっかく写真撮ったから、載せてみました。 *  週末に、帰省している知人のお姉さんに会いました。ずっとむかし、両親の店で

カレイドスコープ的散文

 以前、長崎出島にあったオランダ商館で商館長として滞在していたヘンドリック・ドゥーフという人物について書いた。出島というちいさな居留地に出入りが許されていた丸山遊女と彼ら商館員との交わりのことなども調べてみたい、という考えを頭の隅にもっている。それを今日、ふと思いだしてキーボードを打っていて、ある人物に出合った。  正確には、ある人物が書いたものを読んだ。  そのひとは平野威馬雄という名で、彼は混血児である。自身の体験から混血児にまつわることについて、救済のような活動をした