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エレン先生、数学を語る

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受験数学に毒されてしまった秀才さんのために、エレン先生が易しくモノホン数学を叩きこむよ
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記事一覧

数学王ガウスの裏をかこう

YouTube にはいろいろな数学系動画があります。 昨日、こんなのを拝見しました。「正規分布」…

KK
14時間前
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e^i はいつ、どうやって量子論に混入しだしたのか?

「量子力学」の名称は、今からちょうど百年前に提唱されました。 前に紹介したとおりです。ド…

KK
7日前
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さんすうは数学ではなく児童心理学寄りに成らざるを得ない

掛け算の順序問題については前から興味がありました。 「なにそれ?」と思った方はウィキペデ…

KK
7日前
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量子力学に伴う「こんな親戚の人いたっけ?」感覚について

線型性とか双対性とか、数学には「〇〇性」が頻繁に出てきます。 厄介なことに、物理学を学ん…

KK
12日前
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量子力学はどうしてこう初学者に冷たいのか

愚痴まじりの前振りから これまで何度か吐露したことですが、私はある段階よりずっと、数学…

KK
13日前
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ブラケット記法で数学の内積を記したらいかんの?と大学生らしき方が呟いていたので「それ共役複素数に特化した内積やよ」と返信。どうやらディラックがこれを発明した経緯を知らないらしい。考えてみれば量子力学の教科書は冒頭から「はい覚えましょう」が目立つね。私が何か解説を書き下ろすべき?

KK
13日前
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迷える数学学徒&物理学学徒たちに、そっと耳うちしてあげる本を

幼い頃、数理物理の方面に進みたかったこともあって、作用素論には今でも心惹かれます。ちなみにこの本で独習しました。懐かしいです。十代のとき地元の県図書館(今は移転して影も形もない)にこのシリーズが、全10巻揃っていたどうか覚えていませんがとにかく書棚に並んでいて… これが最終巻です。今でも読み返しています。 高校で習うツーバイツーの行列の話題から始まって、固有値、固有ベクトルの話に進んで、それぞれ複素数が混じってくることを例示しつつ、複素数と行列の切っても切れない関係をあぶ

「行列」は数学・東海道本線の支線

高校数学から一時期姿を消してしまった「行列」。私はああいうのが割と好きでさっさと独習して…

KK
3週間前

書評『ゲーデル 不完全性定理』(岩波文庫)

ゲーデルですゲー出る。映画で話題のオッペンハイマーが「人間知性の限界を示した定理」と大間…

KK
4週間前
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天才数学者たちはコンピュータ誕生を予想しないまま予言していた

ゲーデルという名前は、多少でも数学啓蒙書を楽しんだことのある方なら目にしたことがあります…

KK
1か月前
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今からちょうど百年前、ウリゾーンのあれと、もうひとつ大きな発見が数学であった気がする。検索してみるとバナッハ=タルスキーの逆理の証明がこの年だとか。ほかにもあった気がする。思い出せない。

KK
1か月前
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背伸びはひとを育てる

とりわけ数学は、どうやって難問を解くか(または作るか)で能力が判定されるところがあって、…

KK
1か月前
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数学徒でないほとんどの方には「だからぁ?」な小ネタを紹介します。

 今年2024年はウリゾーン急逝よりちょうど100年。

位相空間から距離空間を導出できることを示した、あのウリゾーンです百年前の8月死去わずか 26歳。

KK
2か月前
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量子力学の本質は、複素数で回る数学的空間を、どうやって実数で回る物理的空間に落とし込むかということに尽きる。ここがわかれば学習者は道に迷う恐れをうんと軽減できるのに、どの教科書も専門書もそこをすぱっと語らない。語ったものはないのでしょうか。