羽織

休職療養きろく | ゆるやかにすこやかでありたい

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「うつ病前の自分には戻れない」の真理

うつ病を患うと、患う前の自分には戻れない。 前のようになろうと思わない方がいい。 色んなところで言われているこの表現、少し前まではずっとマイナスの意味で捉えていたけど、最近戻れなくていいんだから当たり前だと思うようになった。 ※タイトルから誤解がないように先に言うと、この解釈が正解とか、どう捉えるべきとかの話をしたいんじゃなくて、純粋に私はうつ病の前の自分に戻りたいと思わなくなったという話。 うつ病になったこと、それにより休職して仕事から離れたことを、良かったこととは思

    • うつ病、それもまた日常

      2週間に一度の通院が3週間に一度になった。 嬉しかった。 毎週が隔週になった時の何倍も嬉しかった。 病院に行かなくていいことが嬉しいというより、私の生活の中に自然に溶け込んでいるルーティンになっていることに気付けたような気がして嬉しかった。 最近はようやく今の自分にとっての無理のない生活のリズムが馴染んできた気がしていて、特別元気かと言われたらそうでもないけど、元気じゃなくはない、が安定して続けられるようになった。 土日はゆっくり休息しないと持たないけど、平日にご飯の予

      • 世界よもっと甘くなれ

        人間の大抵の悩みごとは自分を相対的に評価してしまうからだと思う。 社会的な生き物なんだからそれはそうなのだけど、 元気のない人間はこれによりもっと元気がなくなる。 体を壊してしまっても仕事を休めなかったり、辛い環境から離れることを渋ってしまうのは、キャリアや評価など、今後の人生を相対的に人から評価されてしまうことに対する不安からであることは大きい。 そのつもりはなかったけど、私も私自身の「頑張る」を人と比べていたんだと思う。 頑張りは人と比べてはいけないものランキング第

        • 毎日が消去法でもいい

          全て第一希望の選択をしながら生きる人っているんだろうか。 元々第一希望じゃなくてもそれを自ら第一希望にしていくのだろうか。 ふと、私の毎日は消去法だなと思う。 別に会社に行きたくないけど、他に選択肢がないから会社員をやっている。 働きたくはないけど、働かなきゃ生きてけない凡人なので働いている。 でも、きっと電車に乗っているほとんどの人がそうだし、そうやって色んな妥協や諦めで人生は進んでいく。 綺麗なものだけ見ていきたいとか、絵に描いたような理想的な人生とか、そんなのは幻想

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        「うつ病前の自分には戻れない」の真理

          メンタルの基礎代謝

          うつ病を患ってから一番変わったなと思うのは、1日で勝手に消費されるメンタルのエネルギー量、つまり基礎代謝が下がったことだなと思う。 過度に頑張らずにいたら、生きていくのに必要なエネルギーが少なくて済むようになった。 強いストレス環境に長く身を置いたせいで、脳の一部機能を停止して自分を守った結果、脳内における正しく感情を機能させるために必要な免疫力が著しく低下した状態、それが私のうつ病だった。 少し話は逸れるけど、よく言われる「うつ病は心の病気」という解釈、もちろんそれも

          メンタルの基礎代謝

          休職とお金。無給でどう生きたか

          休職する前にもうちょっとリアルな解像度でサクッと知りたかったなぁと思ったことはやっぱりお金のことだった。 最近少しずつ自分の休職を消化できつつあるので、実際どうだったかを振り返ってみようと思う。 どこかの誰かの役に立つかも立たないかもしれないが、これを見て少しでも辛い毎日から離れる後押しになれたらこれ幸いと思って記してみる。 あくまで私自身の経験の記録なので、汎用性がないことはご了承ください。 通常時の金回り事情 まずは休職当事者のステータス。 リアルを書きたいのでほぼ

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          少し楽に生きるライフハック

          私は生きているだけで力が入る、プロの力み屋(りきみや)だ。 肩の力を抜いてと言われたところで、それができたら何十年も力み屋やってない。 長いこと付き合っているこの力みによる気の抜けない生活の形状記憶を何とか脱するために、小さな訓練を意識して少し軽減ができているようないないような気がするので、うつ病持ちの小さなライフハックとして記録しておこうと思う。 酸素を吸って毒素を吐く 深呼吸をするというよりも、大きなため息をつくようにする。 はぁ~~~~っと毒素だらけの空気を放つ気

          少し楽に生きるライフハック

          余白と余韻のある生き方を

          日々を生きることに必死だ。 なんだか毎日を生きることが精一杯で上手く息を吸えても吐けてもいないような、そんな気がする。 復職したとて心はそう綺麗に前にまっすぐは進まない。 これが私のリアル。 復職して一カ月と一週間が過ぎた。 それなりに仕事のペースも今の自分にカスタマイズされてきて、朝から晩まで生きるリズムが安定してきた。寝る時間も起きる時間もご飯を食べる時間も毎日一緒。 ちゃんとそれを苦じゃなく続けられているなと自分では思っている。 体調も特段大きな不調もなく、ほどほど

          余白と余韻のある生き方を

          肯定的なネガティブという技

          頑張らないなんて無理だ。 これが、復職して3週間をやり切った私の気持ち。 4月の目標は、無理なくゆっくり、少しずつ働く生活を取り戻すことだった。 会社に行ければ満点、定時まで働けたらもうひとつ満点。 そうやってのんびり甘くやりたかったけど、現実の私はそう簡単に「頑張らない私」をやれるわけもなく。 平日の朝、頑張らない頑張らないと自分に言い聞かせていた人格は一瞬のうちに消え去って「休んでたけど普通に元気になって問題なくフルタイムで働ける私」がアクセルを踏み始める。 ある程

          肯定的なネガティブという技

          穏やかな復職のための心得

          復職してからの毎日は驚くほど平穏に過ぎている。 穏やかすぎて不安になるくらい。 まだ大した仕事はしていないので、わ〜私ちゃんと働けてる〜!と言えるほどではないけど、それなりに社会人として平日を過ごしていてよろしい!ではある。 復職してから社内で会う人は口を揃えて「戻ってきてくれてよかった」と言ってくれる。 引き継ぎもなしに私の仕事を丸々背負うことになった人にまで、普通に何事もなかったかのように明るく話しかけられる。 最初のうちは「まぁそう言うしかないわな」などと捻くれて

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          歳を重ねる自分に言いたいこと

          復職してちょうど一週間。 毎日無意識に気を張ってるんだろう、物凄い肩が凝る。 無理をしていないと言いつつも、きっとどこかで頑張ってしまっている私へ。ところで明日は誕生日ですね。 別にもう誕生日は全然嬉しくない年齢になってしまったけど、なんだか今日は明日が待ち遠しい。 何故かって、明日は記念すべき復職後初の週5フルタイム勤務完遂日(予定)だから。 無事にちゃんと定時まで働けたら、ついでにめでたい日なので盛大に「おめでとう!!!」って自分に言ってあげたいなと思っている。 今

          歳を重ねる自分に言いたいこと

          復職初日所感

          先週無事、復職初日を終えることができた。 ひとつ大きな肩の荷物を下ろせた感じ。 出勤前日、カオナシのように声にならない呻き声を上げる私に友人夫婦がかけてくれた「20点でいい」「遊びに行くようなもん」をおまじないのように繰り返しながら、起きて、朝ごはんを食べて、化粧をして、着替えて、駅まで歩いて、電車に乗った。 4ヶ月ぶりの通勤電車。 「気まずい」とか「ついに始まってしまった」とか、不安という巨大なモンスター感情に支配されながら都心まで運ばれる。 会社の最寄り駅で降りて、

          復職初日所感

          私を救ってくれた言葉たち

          休職をしてから4ヶ月。 うつ病を患い、再起不能かと思っていたあの頃から2日後に復職を控えるまでに回復することができた。 この4ヶ月間、私は人の言葉と優しさに沢山救われた。 私をここまで生き延びさせてくれた大切で宝物のような言葉たちを絶対に忘れたくないので、ここに記しておきたいと思う。 本当に幸せで恵まれていたと思うことは、この休職期間に寄り添って背中をさすってくれる友人がいたことだったと心から感じている。 過度に私を丁重に扱わず、いつも通りのおふざけと茶化しで笑わせてく

          私を救ってくれた言葉たち

          そこの私、頑張ったら減点ですよ

          なぜ私は復職をするのか、それは自分の生活のためだ。 絶対に忘れてはならないことなので、声を大にしてここに記録しておきたい。 復職を前に、カウンセラーさんと話をした。 今の気持ちを素直に話して、正直戻りたくないし、戻ってしまったらまたちゃんとしないとと自分の本音を見過ごしてしまわないか、頑張らないと約束した自分を信用できないという不安も話した。 まず、そもそももうすぐ復職だと身構えてしまっている時点でアクセルを踏んじゃってますねと言われた。 仕事のことを考えすぎている。確

          そこの私、頑張ったら減点ですよ

          復職を控えて今思うこと

          復職面談をしてきた。 産業医からは「うん、すっきりとお話も出来ているし大丈夫そうですね」と言われ、無事復職の運びとなるに至る。 ここまで長かった、と言いたいところだけど意外にそうでもない。 休職し始めた12月のことはほぼ記憶になくて、1月は心身ともにしんどい日が多くて、このnoteを始めた2月は色んなことを考えては悩み落ち込み忙しなく過ごして、3月はようやくエネルギーが補充されてきた自覚が芽生えて、あれよあれよと復職を決断したりして、今思えば自分の中では最短ルートを通って

          復職を控えて今思うこと

          めげてしまう春の夜は

          気付けば来週で3月が終わる。 まだ東京のソメイヨシノはぎゅっと蕾んでいるけど、冷たい風の上には春の空が広がっている。 始まりの季節は、みんな何かを頑張らなきゃいけないような空気を運んでくる。 晴れやかな顔をしていた方がいいような気にさせられて、一斉に前を向いて歩かないといけない気がして、布団を引き剥がされながら叩き起こされるような気持ちになるから、私は昔から春という季節が少し苦手だ。 4月から復職することを決めたけど、もちろん(もちろんなのが辛いが)全然晴れやかじゃない。

          めげてしまう春の夜は