見出し画像

【22,000字】熱と強い倦怠感が長引き、自宅療養した私たちのケース(新型コロナ未確定)

1 はじめに

40年間風邪をひいたことがなかった76歳の母が、3月初旬から4週間以上、風邪で寝込んでいます。体温は最高で37.0度で、咳ありで強い疲労が続いていました。内科医からは、「風邪なのか、新型コロナなのかは現時点では判断できない。」との診断をいただいたため、PCR検査は対象外となり自宅療養をしています。

4月上旬、日本ではcovid-19(以下、新型コロナ)の感染者数が指数級数的に増えるかどうかの瀬戸際にいます。今後、感染者が急増し感染蔓延期に移行した場合には、軽症者や感染に不安を感じる人々が医療機関に押し寄せることで起こる院内感染や医療崩壊を防ぐためにも、重症者向けにベッドを確保するためにも、新型コロナの疑いを持つ軽症者の自宅療養と自主隔離は、大切な対策になってきます。

追記:4月3日、加藤厚労大臣が軽症患者は自宅療養にする方針にしました。

現状、インターネットやテレビでは、「新型コロナをどう防ぐか?」に関する情報がほとんどで、「かかったらどうするか?」という情報が少ないです。このため、この時期に長引く風邪の症状が出た方々にとって、私たち家族が実行した自宅療養と自主隔離対策が参考になるのではと思い、はじめてnoteに投稿しました。母親は関西でひとり暮らしの医療従事者。私は東京に暮らす非医療従事者ですので、noteに書かれた方針については個人の体験談として、自己責任でご判断ください。

結果的に新型コロナが陽性と確認された方でも、症状の程度や地域によっては、PCR検査を受けるまでに何度も医院に通うことになった、たらい回しにあった、長い自宅待機になった、その際に同居家族も感染した、といった報道を耳にします(3月中旬時点)。病人にとっては、発熱と倦怠が数日以上続くと気力や判断力が低下しますし、病人を支える家族にとっても、看病と家族内感染リスクとのバランスや重症化する不安から、ストレスで疲労がたまりやすくなります。その際に、私たち家族が行った取り組みが、新型コロナか、ひどい風邪かどうかも判らず不安の中で療養している方々、濃厚接触者で自宅待機中の方々の参考になれば幸いです。感染された方が回復されることを心から願っています。ともに乗り切りましょう!

2 自宅療養に至った経緯

・2月末の中国からの旅行者との濃厚接触後、強い倦怠感と乾いた咳で寝込み仕事を休む。37.2度の熱が3日続き、その後も発熱が続く。→
・7日間、発熱は高くないが倦怠感は取れず、これほど体調が悪いのは人生で初めてと、消耗した声で、娘と息子(私)に初めて相談がくる。→
・私が子どもの頃から、「いろんな人が触ったつり革や手すりを触った手を、口や目に持っていかない。」が口癖の母が、この症状で、ただ事ではないと思う。→
・母の症状は、リンク先の左上の症状(医療従事者の感じる軽症)に素人の私には見えました。

・私は、相談を受けた翌日に関西へ帰郷し、3月中旬に地元の保健所コールセンターに症状と経緯を連絡。37.5度以上ではなかったからか、PCR検査用の施設ではなく、内科医院での診察を指示されました。→
・数件の内科医院に予約電話したところ診察を断られました。院内感染対策が不十分なため発熱患者を受けつけていない場合と、発熱患者が来院したが医院からも保健所にはPCR検査要請が通らなかったという理由で、受診を断られた場合の2パターンありました。→
・胸部レントゲンで肺炎症状は確認できなかったため、「現時点では、風邪なのか新型コロナなのかは判断できない。」との診断で、PCR検査の必要なしと診断されました。→
・3月中旬は、PCR検査が保険適用され、大阪や兵庫でクラスター感染が報道された直後でした。大規模な集中治療やPCR検査の体制が未整備な時期で、保健所と内科医院との連携も十分ではない状況に思えましたので、クラスター源、陽性者との接触者、海外渡航者、重症者、既往症者にPCR検査を優先させて、胸部レントゲンでは肺炎症状は見られない軽症の母への検査の優先度が落ちることは仕方ない判断だと思いました。

3 私たちが行った自宅療養とは?

私たちが自宅療養・自主隔離すると決めた経緯について紹介します。新型コロナの特徴を振り返り(3−1)、新型コロナに関わる検査・診断を検討し(3−2)、症状が出た軽症の段階でどの検査を受ければよいか検討し(3−3)、自宅療養か宿泊療養かを検討し(3−4)た結果、自宅療養を決め5つの方針を決定しました。(3−5)

注意事項・呼吸困難など重症の症状が見られる場合、重症化の可能性を感じる場合には、すぐに最寄りの保健所に連絡するか、救急車を呼んでください(6章参照)
免責事項:私は医療従事者ではありません。この投稿に従って自宅療養して重症化・重篤化したとしても責任は取れませんのでご注意ください。

 3-1 新型コロナの特徴

武漢で最初に新型コロナによる死者が出た翌日、私は、スペイン風邪のようなパンデミックを懸念しました。

その後の報道や研究で現在知りうる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の特性を知った後、私が感じている新型コロナの問題は以下の6つです。

a.体内でゆっくり増えるので無症状期間が長く、2週遅れで感染者数が指数関数的に増えるため、個人や政府が後手になり抑えにくい。
b.無症状でウィルスを持っている人が多く、抗体もできにくいため、無防備に感染しやすい、感染させやすい。正しい死亡率がわからず社会不安が増えやすい。
c.一般人が重症と感じている症状が医療従事者の言う軽症などの言葉の定義から、危機感を持つ人と持たない人で態度が二極化しやすい。
d.変異が早く重症化パターンも不規則。症状が出てすぐに急性呼吸困難になる場合もあり救命しにくい。回復後にウィルスが再燃するケースも見られる。
e.抗ウイルス剤や対症療法が確立されておらず、重症化率・重篤期間を下げにくい。
f.1-3が理由で急激に重症患者・軽症患者が増えると、ベッドや医療従事者を長期間占有するため医療崩壊しやすく、他疾病の治療率まで下がる。

インフルエンザほど攻撃力が高くないので、感染した後、ゆっくりと増えていき、免疫が働きにくいことから症状が悪化しやすいが、この病気を厄介なものにさせているようです。

※ここは、個人的な仮説です。SARS-CoV-2というウィルスの名前が示すように、コロナウィルスのSARSやMERSと似ているが、無症状の感染者が多いため無防備に感染者が増えやすいことが大きな違いです。SARSやMERSは発症者が少なかったため、感染数が多い猫コロナウィルスやデング熱で見られるADE(抗体依存性感染増強)作用があったのかどうかは不明ですが、新型コロナウイルスにもADE作用が見られる報告もされています。ADEとは確定してませんが、その場合、ワクチン開発や治療法の確立に時間がかかるかもしれません。治療や創薬のために今後の研究の進展を応援し、感染防止に長期戦で努めることが良さそうです。


 3-2 どの検査・診断を積極的に受ければよいか?

まずは、今後もPCR検査を受けられるように、様々な地元の医療機関をまわるかどうかを検討しました。

画像1


単に不安だからという理由や軽症の段階で、安心を求めて検査をするのは、医療キャパシティを減らし、結果、私たちが重症化した時の死亡率が上がるので得策ではないと思いました。仮に新型コロナであった場合、医療者への感染リスクの低い「ネットのセルフ診断」「保健所への電話相談」「内科医(かかりつけ医)へのWEB相談や電話相談やオンライン診療」は積極的に行っても構わないが、感染させるリスクの高い「内科医(かかりつけ医)への問診」「胸部エックス線検査」「胸部CT検査」「PCR検査」は行うかどうかを慎重に判断する必要があると考えました。個人的には、無症状だった感染経験者もかなり多いのだとすれば、無症状や気分を崩している人が安心を得るには、精度の低い抗体検査を何度も受けるのも手段のひとつかなと思います。


 3-3 軽症の段階では、どの診断・検査を受けるか?

次に、軽症時に、医療者に感染させるリスクの高い検査をすることで、その後の診療方針に変化があるかどうかを検討しました。

画像18

普通の風邪でも新型コロナでも症状が出始めてから数日間は区別がつかず、仮に早期に陽性判定が出たとしても肺炎や重症化を防ぐ治療薬が現状はないため、軽症の場合には、新型コロナであろうと、風邪であろうと対症療法が中心となります。このため、呼吸回数が極端に多くなったり、唇や顔色が紫色になる、胸の圧迫感がずっと続くなど重症化の可能性が見られない段階では、PCR検査を受けられるよう何度も医療機関をまわる努力をする必要はないと判断しました。厚生労働省の発表によると、2月1日から3月31日まで、発熱症状や不安を感じて帰国者接触者相談センター・保健所に連絡してきた31万人(のべ人数 新型コロナに全員感染しているわけではない)に対して、PCR検査を受ける事ができた人(保健所と感染症医療機関が必要と判断した人)は1.2万人とわずか4%でした。このため、PCR検査を受けるために何度も電話して時間を無駄にするよりも、その時間を自宅療養の環境を整えることに注力した方が良いと判断しました。自宅療養の中で胸の圧迫感や呼吸のしづらさが強くなればCT検査を受け、肺炎の進み具合を確認。療養を継続し、ある期間ごとに抗体検査を受け、陽性が出たなら、IgGの中和抗体が体内で出来たから回復と判断し、自宅療養を終了するという基準にしました。

 3-4 自宅療養か宿泊療養か?

続いて、自宅療養と宿泊療養のどちらが私たち家族にとってよいかを検討しました。

画像3

住み慣れた場所で落ち着いて療養できることが自宅療養の最大のメリットですが、家族への感染リスクがあることがデメリットです。自宅が狭小住宅で隔離しにくい。トイレや風呂が1つしかない。既往症や高齢の同居家族がいる。自宅が風通しや日当たりが悪く乾燥しやすい。バランスのとれた食事を準備できない。軽症でも飲食できず点滴などが必要。病人が勝手に外出してしまう。などの場合には、宿泊療養が良いので、現状は4%の狭い関門ですが、保健所のコールセンターを説得しPCR検査を受けに行き、陽性確認後、宿泊療養を選ぶことをお勧めします。


 3-5 自宅療養・自主隔離の方針

母のように高齢と長期間の倦怠感でかなり衰弱していますが、肺炎には至っていない症状(軽症)の場合には、むやみに医療キャパシティを消費する訳にもいきません。3月中旬の時点では重症者に検査を絞っている中で、消耗した母を多くの医院に連れ回し、さらなる消耗や、医療従事者に感染リスクをあげるわけにも行けません。タチの悪い風邪であろうと、新型コロナの軽症であろうと、ワクチンや抗ウイルス薬がない現状では、自身の免疫力頼みなので、「感染しない、感染させない。死なせない。自宅でしっかり休んで元気になろうぜ。」という目的を家族全員で共有し、5つの策を実施しました。

ア.万が一、新型コロナだった場合に備え、感染防止対策を行い看病する(4章)。
イ.新型コロナだった場合、急速な重症化の可能性があるので、リモート見守りする。(5章)
ウ.万が一、重症化した場合の対応策を事前に準備しておく。(6章)
エ.症状に合わせた対応とウイルスの不活性化対策(7章) 
オ.抵抗力を落とさない生活習慣・食生活を心がける。(8章) 
カ.都市封鎖・外出自粛下でも自宅療養ができるよう準備する。(9章)

病人だけでなく、感染リスクが高くなる看病する人の負担も取り除くことが重要なため、家族全員の協力が必要になります。


4 感染防止対策と看病

同居家族がいる病人が発熱や倦怠感などの症状が続いている場合、以下の4パターンの可能性を想定すると、新型コロナに感染している・していないに関わらず、新型コロナに感染しない・感染させないために、自主隔離することが重要になります。
画像6

万が一、病人が新型コロナであった場合に備えて、感染を防ぐ物理的な隔離対策は迅速にしっかりと行いました。武漢でも多くが家庭内感染でした。多くの感染症の場合、症状が出る直前と直後が最もウイルスの放出量多く、今回の新型コロナに関しても同じ傾向であるとの研究が出ていましたので、症状が出た直後に最も厳しめの自主隔離対策を行うことをお勧めします。感染しない、感染させないを目的に、「職場に行かないようにして感染を防ぐ(4-1)」「家族を3タイプで物理的に隔離する(4-2)」「通院時は注意する(4-3)」の3つで対策を行いました。この対策を「自主隔離の期限(4-4)」まで続けることにしました。

 
 4-1 職場に行かないようにして感染を防ぐ

まず、母と私の職場に内科医の診断内容を連絡しました。ここは勤務先の新型コロナ対策によって異なりますが、母の職場には、働ける体調ではないこと、高齢で既往症ある患者と接する機会が多く院内感染と風評被害リスクを伝えたことで、仕事復帰は当分先になること、体調は変化があれば連絡すること、職場復帰は会社の判断に委ねることで合意しました。幸いなことに、母の同僚で体調を悪くした人はいませんでした。私の職場は、「本人に発熱や倦怠感がなくても、同居家族に症状が続く場合は、出社せずにテレワーク。病人の症状が回復してから14日後から出勤可能」というルールがあったため、上司に状況を説明し、進捗があった場合は逐一報告すると説得しました。
もし、新型コロナの検査で陽性が出ないと休暇やテレワークが認められない場合には、「万が一、症状が出ている人が新型コロナであった場合や、その同居家族が無感染キャリアだった場合には、職場や通勤で拡散させてしまう恐れがあり、事業継続が困難となったり風評被害も生む恐れがある」と、職場と上司を説得してください。
東京海上のリスクマネジメントによると、地震BCP(事業継続) のように「出社して短期勝負で頑張る」のではなく、新型感染症BCPでは「できるだけ出社をせず業務を続ける長期戦」がポイントになりますので、リンク先のURLを送り、自分の抜けた穴をカバーする施策を実行するよう依頼し、自身は療養や看病に徹し、病人の症状が回復してから14日後から出勤可能なことを伝えてください。


 4-2 家庭内での感染を防ぐ

基本的な家庭内感染対策は、厚生労働省の「家庭内ご注意いただきたいこと ~8つのポイント~ 」や日本環境感染学会の「新型コロナウィルスが疑われる人がいる場合の家庭内での8つの注意事項」を参考に実施しました。

武漢での感染の多くが家庭内感染だったため、念入りに行うことが重要です。このため、ダイヤモンド・プリンセス号の自衛隊の対策を参考に、グループ分けとゾーン設定を行いました。具体的には、家族を、「病人」、「病人を看病する人」、「後方支援する家族」と3つのグループに分けました。そして、病人が滞在するレッドゾーンと、看病する人が滞在するイエローゾーン、応報支援する家族が滞在するグリーンゾーンを設定し、レッドとイエローの間に緩衝地帯を設定します。画像18

私の場合は、以下のようにゾーン分けを行いました。画像19

外国人旅行者が激減しAirBNBやホテルの料金が安くなっているので、感染しているかどうかわからない無症状の家族の自主隔離・自主避難場所として活用できます。今回は、病人が発病時に一人暮らしであったため、上記のような対策にしましたが、同居家族が風邪の症状を発病した場合や、ホテルやAirBNBの空きが家の近くにない場合、2週間借りる貯蓄がない場合、部屋は隔離できるがトイレや風呂はひとつしかない等、家族によって様々なケースがありますので、それぞれの状況に合わせて物理的な隔離方法を工夫してください。

グループ分けとゾーン分けが完了後、イエローゾーンとグリーンゾーンで、病人が2週間以内に滞在していた可能性のある場所は、徹底的に消毒してください。病人がいる部屋(レッドゾーン)と看病する人が住んでいる部屋(イエローゾーン)の間に緩衝地帯を設け、物を置くテーブル・ゴミ箱・洗濯物入れ・消毒剤・透明の仕切りやカーテンを設置しました。(病人のいる部屋からベランダや庭に出れる場合は、日光が当たる場所に、ゴミ箱・洗濯物入れを置きます。)外と自宅の間にある玄関にも、財布やカバンやプラ袋を置く台、服かけ・ゴミ箱・消毒剤を設置しました。また、病人の部屋に超音波方式の加湿器と電気ケトルを設置しました。

スクリーンショット 2020-04-15 12.51.11

ウイルスは目に見えないので、塗りたての塗料(ペンキ)をイメージすると良いかもしれません。感染者や病人がくしゃみや咳や大声を上げると、スプレー塗料を密閉した部屋に散布した時と同じように、空間に1.5メートルほど広がり30分ほど漂い床に落ちます。この塗料は乾くまでに時間がかかるので、塗料のついた物を触れることで手(特に、指先や指と指の間)につきます。触ることが多いドアノブやスイッチやスマホやマウスやキーボードの表面に塗料がつきます。塗料がついた指を口や目や鼻につけると体調を壊す場合があります。塗料は換気で外に飛んでいきますし、水で洗い流せます。そして、12時間でやがて消える塗料です。太陽光や80%アルコールや次亜塩素酸に当たるとより早く消える塗料です。要するに「いろんな人が触った手すりやドアノブやマウスを触った手を、口や目に持っていかない。指先や指の間をしっかり洗い流す。」ことが大事です。
ウィルス=塗りたてペンキの比喩は、こちらの医師のfacebook投稿を参考にしました。


それぞれの家族にお願いすることは下記になります。

コピペして、そのまま、家族にお願いできる文面にしていますので、表の画像をリンクして、文面を{  }の部分や言い回しを変えて、ご利用ください。

◾️病人を看病する人にお願いすること(感染しない工夫と看病)画像11

◾️病人にお願いすること(体調を見ながら、小出しにお願いしていく。)画像18

◾️病人と接しない人にお願いすること画像13

 4−3 医療従事者への感染を防ぐ

日本プライマリ・ケア連合学会の「新型コロナウィルス感染症 初期診療の手引き」によると、症状が出てから数日間は通常の風邪と新型コロナの区別はつかないので通院せず自宅療養し、症状が4日以上(既往症や高齢者が2日)続く場合には、「帰国者・接触者相談センター(新型コロナ受診相談窓口)」か地元の保健所に電話で相談し、PCR検査や最寄りの発熱外来に行くなどの指示に従ってください。とあります。センターや保健所に内科医やかかりつけ医に相談してくださいと指示されたら、通院を検討しましょう。

病人が新型コロナだった場合には、受診時に医院の医療従事者に感染させる恐れがあります。また、通常の風邪だった場合には、長い闘病で衰弱しているため、院内で新型コロナに感染するリスクがあるため、通院前に内科医(かかりつけ医)へ電話相談やオンライン問診を活用しましょう。電話予約した方が良いですが、その際に、感染症対策を出来ていない等の理由で診療を断られるケースもあります。自家用車がない場合は、徒歩で行ける呼吸器科の医院を探し、個々の医院のWEBサイトを参照し指示に従いましょう。

感染症指定病院以外の内科医院に無予約で行く時には、「感冒症状があります。念のため、近寄らないでください。」と大きく書いたA4の紙を持ち、マスク・手袋をつけ、問診時間を短縮するための病状説明資料(5章ー1のD)をプリントアウトし持参した上で、通院しましょう。受付で病状説明資料を提出し、トリアージ(選別)され、動線分離されやすいようにして、その後は、医療従事者の指示に従って下さい。

 4−4 いつまで自主隔離と自宅療養するか?

症状が出る前と出た後に最もウィルスが出やすいのであれば、症状が出た直後が最も警戒し、その後、症状が改善し3〜4日ほど経てば、自主隔離は解除しても良いようです。同居家族がいる場合は無症状感染者になっている場合もあるので、2週間の経過観察のための自主隔離が必要です。

例えば、米国CDCでは、3つの条件が揃うまでは自主隔離する基準にしています。
・症状が出て7日以上。
・解毒剤を服用していない状況で、熱が下がって72時間以上が経過している。
・咳や息切れなど熱以外の症状も改善している

スコットランド国民保険サービスでは、同居家族がいる場合の基準を定めています。
・一人暮らしの場合:症状が出て7日以上。
・同居者がいる場合:症状が出て7日以上。症状がない同居者は14日間。
・同居者の14日の隔離期間内に、同居者に症状が出た場合:症状が出て7日以上。

私たち家族では、上記の自主隔離基準に加えて、3章-3で触れましたが、ある期間ごとに抗体検査を受け、陽性が出たならIgGの中和抗体が体内で出来たから回復と判断し、自宅療養を終了するという基準にしました。

5 自分を守りながらリモートで見守りあう。

家族同士で物理的な接触が取れない分、リモートでの関わりあいを工夫する必要があります。普通の風邪であれば重症化する可能性はかなり低いですが、新型コロナであった場合、高齢者や高血圧・糖尿病などの既往症ある病人の重症化率は高くなります。このため、病人の毎日の健康を管理し、家族で協力しあえる仕組みを、LineとGdriveという無料ツールを活用して作りました。この仕組みづくりは、「病人と接しない後方支援の家族」が中心に行ってください。自己診断ツールで確認し(5-1)、家族で共有・協力しあえる仕組みをつくり(5-2)、家族にやることをお願いし(5-3)、リモート見守りを続けていきました。他の家族に症状が現れた時に備えた役割分担も考えておきましょう(5-4)


 5-1 セルフ診断ツールで確認する。

症状が出た最初の時期は風邪か新型コロナかは医療従事者でも見分けがつかないので、感染防止対策を優先して行います。その後、症状が変化するごとに診断ツールでチェックすることで、新型コロナであった場合に重症化に備えた対策(6章)をするかどうか、保健所に連絡するかどうかの判断材料になりそうです。診断ツールの結果の必要に応じて、内科医やかかりつけ医の問診を受けましょう。両者とも医療従事者への感染リスクはないことが特徴です。

a.ネットのセルフ診断ツール
LINE新型コロナ対策パーソナルサポート(17都道府県のみ)
appleと米国CDCのcovid-19診断ツール(英語のみ)
米国CDCとMicrosoftのコロナセルフチェッカー(英語のみ)
英キングスカレッジの症状トラッカー(英語のみ)

b.内科医(かかりつけ医)への電話相談やオンライン問診

 5-2 LineとGDriveで仕組みをつくる

LINEに3つのグループと友達追加、GDrive上に2つのドキュメントを作成します。

LINE
A.会話と見守りグループ:病人、看病する人、後方支援の家族たち
B.看病実務グループ:看病する人、後方支援の家族たち
C.看病監査グループ:看病する人、後方支援、医療従事者の家族か友人
D. LINE新型コロナ対策パーソナルサポートを友達追加

画像21

GDrive
E.●●さんの体調記録:病人の体調を記録するドキュメント
  共有設定(編集者:AとB  閲覧者:リンクを知っている人全員)

F.●●さんの診療まとめ:家族の役割や自宅療養方針を共有するドキュメント
  共有設定(編集者:BとC   閲覧者:BとC)  

それぞれの目的を説明していきます。

A:会話と見守りグループ
医療や新型コロナの情報などのやりとりが多すぎると病人が疲れるので、このグループでは、病人を一番に考えた声かけや他愛もない会話を心がける。病人には自由に発言してもらう。これまで家族内でLINEグループがある場合は、そのグループを利用しましょう。

スクリーンショット 2020-04-15 12.18.58


B:看病実務グループ
病人以外の家族(いなければ友人や親戚など)でLINEグループを作ります。新型コロナ、風邪、地域医療、地域の新型コロナ政策に関する情報共有、自宅療養実務に関わるタスク共有や依頼などの役割分担、完了報告などを行います。グループの誰かに病人から電話があった場合、体調と連絡事項を書き込みます。家族の人数によりますが、やりとりが最も多くなるグループになります。

C:看病監査グループ:
Bの人達が医療の素人だけですと、ネットで収集した情報の認知が偏って判断を誤る恐れがあるので、医療従事者や医療リテラシーの高い家族か友人をグループに入れて、Bで気になった情報の真偽判断やレビューをするグループです。この中に、呼吸器や感染症関係の医療従事者や専門家がいればベストです。

D: LINE新型コロナ対策パーソナルサポート
政府CIOによると17都道府県で提供中。人ひとりに合わせた新型コロナ対策をLINEでサポートする自己診断ツールです。

E:●●さんの体調記録 <テンプレートはこちら

病人が医師や家族など多くの人々に何度も症状を説明するたびに体力を消耗することを防ぐため、後方支援の家族たちが、病人との通話内容や、LINEグループAの病人の発言から、日ごとの体調をまとめていきます。GDRIVEのgoogleドキュメントに、日付、体温、血圧、(脈拍、血中酸素濃度)、体調、薬、通院・接触者で、項目を作り、記録を取っていきます。また、この記録には、これまでの診断結果と担当医、既往症、家族の連絡先(メールアドレスと携帯電話番号)を書き込みます。また、このドキュメントには、日本プライマリ・ケア連合学会の「新型コロナウィルス感染症 初期診療の手引き」にある問診シートにも記入をしておくと、説明が簡単になります。

F.●●さんの自宅療養まとめ<テンプレートはこちら
GDRIVEのgoogleドキュメントに、自宅療養方針と気をつけること、それぞれの人の役割や、時系列で対策したことを記録しておきます。

 5-3 家族に見守り対策をお願いする

それぞれ、役割を決めて、実行します。本当は実況中継で繋ぎっぱなしにする方がよいのですが、母(病人)に拒否されたので、少し煩雑な仕組みです。

コピペして、そのまま、家族にお願いできる文面にしていますので、表の画像をリンクして、文面を{  }の部分や言い回しを変えて、ご利用ください。

◾️看病する人にお願いすること
画像14

◾️病人にお願いすること(体調を見ながら、小出しにお願いしていく。)
画像15

◾️後方支援家族にお願いすること画像16

◾️監査役にお願いすること画像17

 5-4 看病する人に風邪の症状が出た時の役割分担

あらかじめ、後方支援の家族から、病人と看病していた人を看病する人を選んでおきましょう。

6 重症化に備えた事前準備

ダイヤモンド・プリンセス号の新型コロナ感染者の50%は無症状で、30%は発熱や咳を伴う軽症、20%が肺炎など重症化して入院が必要な状態でした。新型コロナであった場合には、症状が出てから急速に肺が悪化して急性呼吸困難症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome)で亡くなる方が多いので、自分で呼吸しにくくなったと感じる等、急速な重症化の兆候が見られる際に、感染症指定医療機関や救急病棟での治療に速やかに移行できるようにしておくことが事前準備の目標となります。まず、急に呼吸が困難になった際には、うつ伏せになることを覚えておきましょう。(日本呼吸器学会より)

事前準備としては、「救急車を呼ぶ際の症状を確認し(6-1)」、「声が出せなくなっても、救急車を確実に呼べるようにする(6-2)」、「即座にCT検査を受けられるようにしておく(6-3)」を行いました。事前準備が完了したら、「セルフ診断ツールやオンライン相談を継続しながら(6-4)」、通院のタイミングを見計らいましょう。そして、症状に余裕がある時に「延命治療の意思について家族と話し合いました(6-5)」

 6-1 救急車を呼ぶタイミングは?


a.生命の危険を感じたら迷わず呼びましょう。

b.消防庁の基準
消防庁の緊急度判定チェックツール「Q助」で、新型コロナの重症化の症状で、今すぐ救急車を呼んでくださいに該当するものは、私の調べた限りでは、
・声が出せない。
・急に息苦しい。
・数時間程度息苦しい。
・横になると息苦しいので、座らないと息できない。
・突然の胸の痛み。息切れめまい脱力感。
などです。このような状況になった時は、「Q助みて、119した。」と迷わず伝えましょう。

c.米国CDCの基準
CDCと協力しているappleのcovid-19チェッカーでは、胸部の一定の痛みや圧迫感、極度の呼吸困難、重度で一定のめまいやふらつきがある、意識障害、言葉が発せられない、動けない場合は、即座に救急車を呼びましょう。とあります。

d.中国の重症化基準(詳しくは次章)
パルスオキシメーターが自宅にある場合には、指先酸素飽和度が93−5%以下になった場合には救急車を呼びましょう。
注意:パルスオキシメーターは製造量が少ないので、風邪や発熱の症状が出た後に購入してください。指定管理医療機器のパルスオキシメーターは喘息患者のために避けましょう。また、指先酸素飽和度が低い場合は計測ミスも考えられるので、パルスオキシメーター利用の手引きの5ページをチェックしてください。


 6-2 救急車を即座に確実に呼べるようにしておく

a.救急車を呼ぶ基準を把握する
まずは、消防庁が配布している、緊急度判定チェックツール「Q助」をダウンロードします。Q助 スマホアプリ版  Q助 WEB版
「Q助みて、119した。」と伝えることで、的確に救急症状を伝えられ、救急車が出動判定されやすくなります。

b.119を即座にできるようにしておく。
・病人と看病する人の居室の壁に、2枚のポスターを貼ります。
 ・生命の危険を感じたら:119・自宅の住所
  (病人が自分で救急車を呼ぶ場合に備えて)
 
・息ができず声も出ない場合:LINEや家族する人の電話番号
  (病人が看病する人に救急車を呼ぶよう連絡する場合)

・「eメール119」に登録します。
息ができず声も出ない場合に備えて、メールで救急車を呼べるサービス「eメール119」に登録し、宛先メールアドレスをメールソフトに登録しておく。名古屋市、大阪市、千葉市、札幌市、仙台市、広島市、北九州市などの自治体では利用できます。

・救援依頼アプリを入れておく。
地域によっては感染症対応が不十分な消防署もあるため、感染症対応の救急車の出動には時間がかかる可能性があります。このため、119番をしながら、近隣の人に救援依頼を行えるアプリを入れておきましょう。
 ・MySOS
 ・coaid (Apple版のみ)
 ・twitter
 どうしようも無い時は、不特定多数の人たちに救援依頼を求めましょう。
c.医療従事者に症状記録を伝えられるようにしておく。
・医療従事者や救急隊員への症状説明資料をベッド横に置いておく。
看病する人が救急車に同乗できない場合も考えられるため、症状を救急救命士や救命救急センターの医療従事者に説明するため、E.●●さんの体調記録(5章ー1)のURLをQRコードにして、病人に持たせておく。保険証や身分証明書も持たせておく。これで、病人が意識を失ったとしても、医療従事者者に、これまでの診断と病状変化を伝えることができます。


 6-3 即座にCT検査できるようにしておく

CTで肺炎が確認されると、医療機関にてPCR検査や重症緩和治療が受けやすくなりますので、公共交通機関を利用しなくても通院できる距離にあり、CT設備を保有する呼吸器内科をリストアップしておきます。それぞれのWEBサイトを確認し、新型コロナ対応やどのように受診すればよいかを確認しておきましょう。不安な方は、事前に電話相談し、重症化した際にCT検査できるか確認しておきましょう。電話では、症状と経緯を説明するとともに、保健所へのPCR検査要請までは求めないので、CT検査だけでも受けさせてほしい、感染対策はしっかりする等と交渉してみましょう。日本での診療の受け方については、4章ー3に記載しています。

 6-4 電話相談やオンライン相談を継続する

症状が良くならない場合や、中等症(肺炎による息切れなど)に症状が悪化した場合、政府方針や検査体制が診療体制が変化したら、PCR検査が受けやすくなるかもしれないので、宿泊診療や入院したい方は、継続的に、保健所か帰国者・接触者相談センターに電話相談してください。肺炎の症状があるか不安な方はCTやX線検査を受けた方がよいかを内科医やかかりつけ医に都度、オンライン相談や電話相談しましょう。

4/13より、オンライン問診が初診から可能になったようです。自己負担642円/回

日本では、風邪の症状や37.5度の熱が4日(高齢者・基礎疾患の方は2日)以上続く場合には、保健所か、帰国者・接触者相談センターに相談とありますが、他の国ではどのような基準になっているのでしょうか?

米国CDCのサイトでは、呼吸困難や息切れ、持続的な胸の痛みや圧迫感、意識障害、唇や顔のが青い(チアノーゼ)、その他症状の場合には、かかりつけ医に相談。

・中国 国家衛生健康委員会の新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン( 7 版) では、
軽症 :症状が軽微で、肺炎の画像所見が認められないもの。
中等症:熱、呼吸器症状などがあり、肺炎の画像所見が認められる。
重症:1. 息切れ。呼吸頻度が1分に30回以上(2秒に1回の呼吸)
   2.安静時の指先酸素飽和度 93%以下
   3.動脈血中酸素分圧や吸入中酸素濃度が300mmHg以下
    肺の画像所見で、24~48 時間内に病巣の進展が 50%を超える者
重篤:人工呼吸器を必要。 ショック症状が出現。その他の臓器不全を併発

ハーバード大学ブリガム&ウィメンズ病院の「COVID19に関する臨床でのガイドライン」によると、症状の継続期間(中央値)は、
・発熱 4〜12日間、呼吸困難 13日間、咳 19日間
・急性呼吸困難症候群 12日間(8〜15日)
 非常に急速に不全になる事例あり。
 発症から換気低下までの期間は10日(3〜12.5日)

家族は、感染防止と自宅療養の体制が整備できたら、5人に1人の重症化に備えた事前準備を、なるべく早く、遅くとも症状が出てから3日以内にはすることをお勧めします。新型コロナの場合は、軽症者が急に重症・重篤化する症例もあり、段階的に進むわけでもありません。このため、感冒症状に加えて、持続的な胸の痛みや圧迫感、息切れが出てきた場合には肺炎が発症している(中等症の)恐れがあるので、かかりつけ医やCT設備を持つ呼吸器内科にオンライン相談や電話相談してください。


 6-5 延命治療の意思を話し合う

もともと、母親は胃ろうによる延命治療は拒否する考えでしたので、人工呼吸器や人口心肺による延命治療を希望するかを、体調がよい時に家族で話しあいました。今後、医療崩壊が起これば、災害時と同じように、命の助かる可能性が低い患者を後回しにするトリアージが行われる可能性があります。今回の新型コロナの場合、人工呼吸器や人工心肺の設備数・技師が限られること、現状は対処療法であるため、回復は病人の生命力依存になること、人工心肺治療まで行くと回復したとしても重度な障害が残ることが多いこと。などを踏まえて、本人への意思確認するかどうかはお任せします。

生命医療倫理研究会の「人工呼吸器を配分するフローチャート」によると、以下の状況の場合、人工呼吸器などを用いない苦痛緩和のためのケアが最大限行われるようです。
 ・本人にとって最善ではない場合(本人が装着を拒否する場合)
 ・設備が払底(不足)し、かつ装着しても救命可能性が極めて低い時
 ・装着後、設備が払底(不足)し、より救命可能性が高い患者が現れた場合
   ・装着を継続しても救命可能性が極めて低い時
   ・本人が取り外しと再配分に同意した時
 ただし、本人が装着に同意しない場合でも、装着によって救命される可能性が高い場合には、装着の必要性について本人へ説明し、同意を得る努力が行われる。救命の可能性がきわめて低い場合や人工呼吸器を装着しない治療が本人にとって最善であると考えられる場合は、医師の判断で装着を差し控える。ことが前提です。

7 症状に合わせた対応とウイルスの不活性化対策

免責事項:個人的に行った自宅療養を書いています。母への療養のため、医師の助言を得るなど調査には万全を期しておりますが、私は医師でも専門家でもありません。この投稿に従って自宅療養して重症化・重篤化したとしても責任は取れませんのでご注意ください。

ウィルス性の風邪か新型コロナかが不明な場合でも、「十分に休むことと水分を取ること(7-1)を最優先しました。「症状がきつい時は対症療法を行い(7-2)」「現在の症状に合わせて漢方を服用しました(7-3)」。継続して、「自宅レベルでできるウィルスを不活性化させる対策を試み(7-4)」、重篤化に備えて過剰な免疫反応を抑えるとされる食品をとりました(7-5)」

 7-1 安静に過ごし、十分な睡眠と水分補給をする。

症状が出たら、とにかく安静に過ごすことが大切です。病人のいる部屋に以下のものを常備しておきました。看病する人は無闇に部屋に立ち入らず、緩衝地帯に置いて病人に運んでもらいましょう。

・飲むゼリー飲料(ローヤルゼリーやビタミンが入ったもの)
・天然水のペットボトル(カリウム含有量が多いもの)
・りんごジュース
・粉末緑茶

・紙コップ・紙皿・はし(洗わなくて済むように)
・電気ポットや電気ケトル
食事が取れるようになったら、電子レンジとレトルト玄米がゆと野菜スープの缶詰を差し入れました。

 7-2 つらい時は症状に合わせて緩和する

岩田健太郎先生に聞いた頭がスッキリする風邪の話4薬はどう選ぶべきか?によると、症状に対してひとつの薬がよいそうです。

・頭痛や倦怠がひどい時 アセトアミノフェン(カロナール)
・鼻水がつらい時    点鼻液 
・咳でつらい時     メジコン ハチミツ生姜湯 
・高熱でつらい時    ワキやモモの付け根に、タオルをまいた保冷剤を置く。
・お腹がつらい時    整腸剤(ビオフェルミン)経口補水液(OS1)緑茶 梅干 

ドラッグストアや通販で処方箋なしに購入できるお薬は副作用が出にくいものですが、違和感を感じたらすぐに服用を停止してください。一度に多くの種類の薬を飲むのではなく、1種類づつ試しながら飲んで行くほうが無難ですし、異常が出た時の原因がわかりやすくなります。素人の個人的なコメントですが、総合感冒薬で使われるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は炎症に直接働きかけるため、メカニズムが不明な新型コロナに対しては使わず、頭痛や倦怠の自覚症状を緩和するアセトアミノフェンの方が無難だと思いました。ステロイド投与については、副作用懸念や新型コロナでADEが発症するかどうかも含めて専門家の賛否が分かれており私には判断できません。

 7-3 風邪のタイプに合わせた漢方を飲む

病気の原因に着目し、異常値を検査で発見し、その原因に働きかけ取り除くことで病気を治すことが西洋医療の考え方です。これに対し、体全体のネットワークに着目し、未病と解毒と免疫増強を図る対症療法が東洋医療の考え方です。両者の得意とする分野をかけ合わせることが最も効果が出るのですが、今回の原因である新型コロナウイルスは体内での感染メカニズムがまだ十分に解明されておらず(*1)、回復者に中和抗体(免疫)が見られにくい(*2)などヒトの免疫(抗原抗体)反応に大きな影響を及ぼすウィルスである可能性も考えられ、抗ウイルス薬の開発や既存薬の転用には時間がかかります。

*1 新型コロナウイルスは、レセプターやプロテアーゼを複数利用する、フーリンタンパク質やRNAポリメラーゼを利用し増殖するなど様々な研究論文が出され評価中で、これらのプロセスを阻害する抗ウイルス薬の研究が行われています。
*2 中和抗体に関しても様々な研究論文が出され評価中です。
新型コロナ、回復者に免疫あるか不明 WHOが警告
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58013600U0A410C2000000/
・回復患者に中和抗体が見られにくい medRxiv. April 06, 2020
・中和抗体が出現しても、ウイルス量の急速な低下は見られない Nature. April 1, 2020

このため、ウィルスの解毒に強みのある漢方薬が現状では大きな役割を締めることになり、とりわけ、中国では、浙江大学が作成した「新型コロナウイルス感染症対策ハンドブック」によると、中医薬(日本でいう漢方)の配合生薬が重症患者にも効果を上げたことが報告されています。

日本では、生薬の新規調合は厚生労働省の薬事承認が必要なため、第2類医薬品として販売されている漢方のエキス剤で代用するしかできません。この代用方法を、金沢大学附病院漢方医学科の小川先生が提示しています。

COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方」によると、

・無症状キャリアや予防には、リンパ球の免疫力を高める「十全大補湯」
・胃腸不調の軽症者には、香蘇散(ツムラ70)+平胃散(ツムラ79)
・悪寒なく発熱中の軽症者には、黄連解毒湯(ツムラ15)もしくは荊芥連翹湯(ツムラ50)や清上防風湯(ツムラ58)
・悪寒あり発熱中の軽症者には、葛根湯(ツムラ1)や麻黄湯(ツムラ27)
・悪寒あり発熱中の高齢者や倦怠感が強い軽症者には、麻黄附子細辛湯(ツムラ127)
・悪寒あり発熱中の軽症者・重症者には、「清肺排毒湯」
 日本では、麻杏甘石湯(ツムラ55)+胃苓湯(ツムラ115)+小柴胡湯加桔梗石膏(ツムラ109)を一緒に服用で代用可能。参考:日本の漢方調剤薬局の清肺排毒湯への見解
 ・肺機能の低下した重症者には、竹茹温胆湯(ツムラ91)+柴陥湯(ツムラ73)両方とも医療用漢方製剤で医師の処方箋が必要

中国科学院上海薬物所によると、

双連内服液(双連黄湯+銀傚散)も効果が出ているとのことです。参考:日本の漢方調剤薬局の双連内服液への見解


持病や症状によって必要な漢方薬は変わります。風邪は症状の変化が早いため、自己判断せずに、漢方調剤薬局に相談し、処方を頂くことをお勧めします。複数を組み合わせる際は、処方量よりも少ない量から徐々に試していき、違和感を感じたら服用を中止してください。念のため、複数の生薬を組み合わせた場合におこりやすい副作用、血圧が上がる、体がむくむ、血液中のカリウムが低くなるなどの「偽アルドステロン症」に備えて、カリウムを多く含む天然水やバナナを用意しておいてください。



 7-4 ウイルスの不活性化を試みる

80%アルコールや次亜塩素酸酸などの殺菌・消毒剤はウィルスを不活性化させますが、体内に入れると毒になり危険です。このため、空気中と体内に増えているウイルスを、体の健康を損ねることなく不活性化することが大事になります。

a.空気中のウィルスを不活性化を試みる。
・2時間ごとに5−10分換気し、空気中のウイルス濃度を下げる。
・掃除機ロボットに床掃除させ、床の上のウイルスを取り除く。
・枕元に、カテプロテクト(阪大ベンチャーが開発したカテキンと脂肪酸を混ぜた抗ウイルス剤) 入りの加湿器を設置する。

b.体内のウィルスを不活性化を試みる。
・鼻うがいをして、鼻の奥のウイルスを洗い流す。
・イソジンや少し濃いめの塩水でうがいする。
・大正製薬のヴイックス ヴェポラッブを胸に貼る。
・歯を磨く。

c.殺菌・解毒効果があると言われている食材を取る
  ・緑茶(カテキン)
  ・ワサビ、カラシ、大根おろし(アリルイソチオシアネート)
  ・はちみつ(グルコン酸)
  ・パクチー、ドクダミ(ラウリルアルデヒド)、
  ・梅干し・生姜(ジンゲロン)
  ・干し柿、柿の葉寿司、柿の葉茶(タンニン)
  ・青パパイヤ(パパイン)
  ・タイムのハーブティー(チモール)
  ・しそ(ペリラアルデハイド)
  ・りんご酢(酢酸)
  ・ビワの葉(アミグダリン)

細菌に効くものと、ウイルスに効くものとあるかもしれませんが、症状が悪かった時の母親の指示で買いに行きましたが、自宅療養としては、このような、おばあちゃんの知恵袋が役に立つかもしれません。回復しても抗体ができず、再び症状が出る人もいますので、回復しても数週間は意識してとり続けています。


 7- 過剰な免疫反応(炎症)を抑える

重篤化の多くが、サイトカインストームと言われる自身の免疫力の過剰反応・暴走です。もちろん、食品だけで抑えられるものではありませんが、念のため、免疫反応を調整する食品を取っておきましょう。
・ワカメ、モズク、メカブ(フコイダン)
・白子、たらこ、納豆、グレープフルーツジュース、チェダーチーズ、ブルーチーズ、セブンプレミアムのプレーンヨーグルト(ポリアミン)

8 免疫力を下げない生活習慣

感染するリスクを下げる(基本再生算数を抑える)には、様々な方法があり、その効果算出はパラメータが多く不明瞭な部分がありますが、個人にとっても社会にとってもコスト負担が低く行える防止策は、「社会的距離を取ること。」と「粘膜の免疫力を下げないこと。」です。

画像4

目、鼻、喉、腸などの粘膜の免疫力が下がることで、感染する・重症化するリスクは高まるので、免疫力を下げないような生活習慣が大事です。風邪を自宅で治す場合は、睡眠と休息。水分を十分に補給し、免疫力を下げないようにバランスのとれた食事をすることが一番です。マスクをつけると風邪にかからないという研究結果はありませんが、マスクをつけていた人が風邪にかかりにくかったという研究結果が示すことは、マスクはじめ普段から健康に気をつけている人は風邪にはかかりにくいということでしょう。

 8-1 免疫力を下げる行動を避ける

大塚製薬 免疫力が下がる原因などを参照すると、以下の9項目が、免疫力を下げる原因と言われています。

a.睡眠が7時間未満、生活時間が不規則
b.食事や栄養が偏りがち 
c.喫煙、過度な飲酒、暴食、時間のたった油(揚げ物など)を食べる
d.手足やお腹が冷えている
e.強い精神ストレスや悲しみが続く
f.笑う機会が少ない
g.激しい運動の直後、運動不足
h.ホコリやカビや細菌が多い部屋(細菌性の風邪やアレルギーで粘膜が荒れる)
i.自己免疫が低い高齢者・妊婦。獲得免疫が少ない乳幼児

風邪の症状が出てきた時に、上記のような生活習慣を続けている場合は、即座に避ける行動をとってください。

a.寝たいだけ寝て、体を休める。朝日に当たる。寝る前に深呼吸や瞑想する。
b.十分に水分を取る。栄養バランスの取れた食生活にする。
c.ニコチン経皮パッチ、適度な飲酒、適度な食事量にする
d.ゆっくり入浴し、入浴後しっかり髪を乾かす。お腹やお尻の上に貼るカイロをつける。
e.ゆっくりする。部屋に花を飾る。ニュースや情報検索は適度に留める。認知行動療法。
f.口角をあげてみるだけで人は楽しく感じる。amazon prime videoやyoutubeでお笑い番組を見る。
g.回復したら、週に1−4日の汗をかく程度の適度な運動
h.ロボット掃除機 トイレのホコリ・かびをとる。
i.特に感染と重症化に注意する


 8-2 バランスのよい食生活

重症化を防ぐためにも、回復するためにも、自身の免疫力を下げないことが大切です。また、看病する人にとっても、感染を防ぐために免疫力を下げないことが大切です。どの食材を食べると免疫力が上がるというエビデンスはありませんが、旬の味をうまく取り入れたバランスのよい食事を心がけましょう。

a.腸内環境を良好に保つことで免疫力の低下を防ぐ
 腸には体の半分以上の免疫細胞が存在するため、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌、オリゴ糖などで腸内細菌のバランスを取ることが有効と言われています。
・ヨーグルト、ヤクルト
・味噌、醤油、納豆、ピクルス、漬物、ザウアークラウト、キムチ、
・干物、チーズ、
など

b.バランスの取れた食事をすることで免疫力の低下を防ぐ。

旬のものや多様な食品・栄養分を偏りなくとることで、免疫力の低下を防ぎましょう。
・ビタミンDが豊富! 舞茸、シメジ、鯖、鮭など。
・人が近付かなくなる香りと栄養!ニンニク、長ネギ、
・栄養豊富な緑黄色野菜。ホウレンソウ、シュンギク、アスパラガス、ブロッコリーなど。
・芽のもの。豆苗やスーパースプラウト、春の七草、
・発芽玄米、全粒粉パン 
・体を冷やさない根菜類。 ワサビ、生姜、ウコン、ダイコン、レンコン
・βカロチン豊富なオーガニックバナナ、プルーン、レーズン、干し柿、ニンジン
・栄養価が高い種。アーモンド、ナッツ、グリーンピース
・リコピン ミニトマト  ニンジン
・グリフィスシン トコロテン 岩のり
・カテキン豊富。 緑茶、紅茶、タイムのハーブティー、
・ミネラルたっぷり!腸内環境を整える もずく
・大豆たんぱく質  豆腐、味噌、油揚げ、大豆、
・たんぱく質  卵、鳥むね肉、鳥ささみ、豚ヘレ肉、
・亜麻仁油、オリーブオイル
・不足しがちなビタミン、ミネラルを栄養補助食品で補う。
・自分が健康にいいと信じている健康食品を取りプラセボ効果を高める。

9 都市封鎖・外出自粛に対応した自宅療養


 9-1 地震被害との違い

画像5

地震や台風に被災した場合、物流が途絶し商品が購入しにくくなり電気や水道が途絶しているため、調理や保存が制限されますが、復旧時期の見込みは見えます。対して、パンデミックの都市封鎖や外出自粛の場合は、いつ収束するかはわからないものの、ライフラインや国内物流網は途絶していないので、地震備蓄とは異なり、人との接触頻度を減らすための準備が必要です。具体的には、これまで数日に1度だった買い物を、2週間に1度の買い物に済むよう計画的にすることで、人との接触頻度を減らしましょう。


 9-2 冷蔵庫の肥やしを廃棄する。

これまで半年以上、冷蔵庫や冷凍庫の中に放置していた食材を思い切って廃棄します。これにより、空きスペースが増え、保存量を増やすことができます。

 9-3 買い物リストを作る。

外出規制が先行したヨーロッパでは、通販やデリバリーの利用頻度が増えて配達の届け日が遅れているので、余裕を持って注文できるよう、定期購入食材の買い物リストを作成することをオススメします。「保存方法」、「カテゴリ」、「食材名」、「商品名指定」「購入数」「購入場所」などの項目で表を作り買い物リストにします。今回のコロナ禍で、これまで買わなかったような食材を新たに買っても、管理・調理できず、冷蔵庫の空間を無駄にすることが多いので、普段から買い慣れている・調理し慣れている食材を一度に3倍くらいの量を買った方が、無駄な食材廃棄が少なくなり、普段の調理・料理と変わらないので安心します。
リスト化した食材を保存方法ごとに、「冷凍食品」「生鮮食品で購入し冷凍保存できる食材」「常温で長期保存できる食材」「冷凍しにくい要冷蔵食材」に分けます。冷蔵庫の「冷凍しにくい要冷蔵食材(日配食品)」の購入量を減らし、それ以外の食材を購入量を増やすことで、買い物頻度を減らすことができます。
例えば、これまで生鮮野菜で買っていたブロッコリーやホウレンソウなどの緑黄色野菜は冷凍食品に切り替える。きのこ類や肉や魚や油揚げや練り物は購入後にプラスティックトレーからビニール袋に移し、省スペースで冷凍する。食パンや納豆やもずくなどの日配品は冷凍し、利用日の1日前に冷蔵庫で解凍しておく。穀物、根菜類、乾物、フリーズドライ、缶詰、レトルト食品、果物ジュース、アーモンド・ナッツ類など「常温で長期保存できる食材」の購入数を増やす。「冷凍しにくい要冷蔵食材」では、牛乳から豆乳に切り替えるなど賞味期限が長い食材を購入する。を行なうと、買い物頻度がグンと減ります。

 9−4 玄関を一時パントリーにする。

ウイルスはモノに付着した場合、24−72時間で死滅するため、玄関を一時パントリーとすることで、部屋内へのウイルスの侵入を防ぎます。通販では置き配指定サービスを利用して、玄関に置いておいてもらうことで、配送業者との接触を避けることができます。不要不急なものでない場合は、24ー72時間、玄関に置いておいてから、家の中に入れます。玄関にゴミ箱を置き、段ボールや包装紙をここで捨てます。
スーパーや小売店で買う際には、マイバッグを利用せず、要冷凍・冷凍と、常温保存できるものに袋を分けて玄関に持ち帰ります。要冷凍・要冷凍なものは、トレーの表面を流水で洗い流した後、トレーをとり、冷蔵庫に入れます。常温保存できるものは、玄関で24ー72時間、玄関に置いてから、家の中に入れます。

 9−5 自分でできることを増やしていく

今後、2−3年コロナ禍が続き、グローバル物流が停滞することがあれば、食料品が高くなっていくリスクもあります。すでに、個人宅向けのスーパーでは需要が増えて値上がりし、外食向けの高級食材の卸業者の在庫が余っている状況が起こっています。時間をかけながら、自宅で発酵や燻製を楽しむことで日持ちを伸ばしたり、近くの農家や、お気に入り食材の卸業者との関係づくりをしたり、自家菜園や釣りなどで自給率を高めていく趣味を始めてみるのも、よいかもしれません。

自家発酵:漬物、ヨーグルト作り、梅酒などの自家製果実酒造り、干物づくり、ドライトマト
自家製造:キッチンペーパと水切りで不織布マスク、クリアファイルでフェースシールド作り
自給:庭やベランダを利用した野菜づくり。釣りなど狩猟採集。
直販:食品ロス買い取りなど、近くの農家や卸業者との顔の見える取引を通じて、人間関係を構築する

 9−6 ライフスタイルを変えていく

これまでに、ペストのパンデミックをきっかけにヨーロッパでは近代が始まり、コレラのパンデミックをきっかけに日本は明治維新を迎えるなど、インパクトが強く長期戦となるパンデミックは、人々の価値観や社会の日常を大きく変えていく可能性があります。新型コロナの収束(致死率が下がり、皆が一般的な風邪だと社会的に受容し暮らしている状況)に向けて様々な努力が行われていますが、収束時期は誰も予測できません。楽観シナリオでは、住民全員に抗体検査をしたら想定以上に致死率が低いという事実がわかり3ヶ月間くらいの短期間で社会的に受容されるかもしれません。悲観シナリオでは、変異で強毒化し、第3・4波と繰り返し襲来し、都市封鎖と解除を何回も繰り返す長期戦になると、5−10年間は新型コロナと共存しながら社会を動かしていく覚悟が必要です。このため、収束するまで我慢して耐え続けるのではなく、コロナ禍の中でも、ストレスを溜めることなく社会生活を送れるライフスタイルに今から変えていった方が良さそうです。
人と人との関わり合い次第で指数級数的に増えていくパンデミックのような危機は、社会的距離を取り合うといった人と人との関わり合いでしか解決できません。自分を守りながら長く協働しあえる新たなライフスタイルや社会を作っていくことが大事だと思います。まずは自分を、愛する人たちを守りましょう。そして、できる範囲で他の誰かを守ることは、自分や愛する人たちを守ることにもつながります。できる範囲からライフスタイルを変える一歩を踏み出しましょう。

10 あとがき

何らかの既往症や障がいを抱える皆様、看病・介護する家族、最前線で戦う医師、コメディカル、研究者、日々の暮らしを支え続けている人たち、行政やNPOや企業、皆様が、それぞれの現場で、自分を守りながら新型コロナ対策を進めて行けることを心より願っています。母の症状は1ヶ月前と比べるとずいぶんマシになりましたが、胸の違和感はいまだに取れず、家族共々、新型コロナとの戦いの最中にいます。
明けない夜はありません。ともに乗り切りましょう!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?