アメリカン・ミュージック・ヒストリー第9章(1980年代全般・・・その6)
(7)80年代J-POPと歌謡曲
70年代までは、ニュー・ミュージック等と呼ばれていたと思いますが、J-POPと呼ばれるようになったのは、80年代に入ってからのような気がします。
アメリカ同様、日本でも80年代ポップスは、なかなか華やかですね。
私自身は、60年代からこの時期までは、圧倒的に洋楽派でしたが、80年代も後半に入ると、聴き続けている洋楽ジャンルやアーティストは、いるものの、カラオケが日本の文化としてすっかり定着したことも影響してか、J-POPも良く聴くようになりました。
ユーミン(松任谷由実)、サザン・オールスターズ(桑田佳祐)、井上陽水、YMO(細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏)、大瀧詠一、山下達郎、浜田省吾、佐野元春、尾崎豊、チューブ、安全地帯(玉置浩二)、スターダストレビュー、竹内まりあ、尾崎亜美、八神純子、高橋真梨子、松原みき等、ビッグネームが並びますね。
歌謡曲では松田聖子、中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代、荻野目洋子、チェッカーズ、たのきんトリオ、後半に入ると工藤静香、中山美穂、浅香唯、といった80年代アイドル、欧陽菲菲、テレサ・テン、桂銀淑、チョー・ヨンピル等のアジア系歌手、演歌系では、石川さゆり、小林幸子、坂本冬美、細川たかし、鳥羽一郎、吉幾三、川中美幸、香西かおり等。
そして大ベテラン組では、島倉千代子が、浜口庫之助の「人生いろいろ」、美空ひばりと北島三郎は、鳥羽一郎の「兄弟船」でお馴染みの作曲家船村徹の名曲「みだれ髪」と「風雪ながれ旅」、又テレビではあまり見かけなくなりましたが、ちあきなおみも、同じく船村徹の「矢切の渡し(細川たかしと競作)、紅とんぼ」と、今でも心に残る名曲を残しましたね。
余談になりますが、ついでに話しておくとこの頃、盲目の流しの演歌歌手竜鉄也の「奥飛騨慕情」に心打たれ、演歌に目覚め聴くようになり、特に、たびたび登場する作曲家「船村徹」の楽曲は、私の琴線に触れ今でも聴きたくなるフェイバリット・ソングになっています。
*歌謡ロック
演歌に目覚めた話しから、唐突な感がありますが、個人的趣味も含め
今度は、「歌謡ロック」についての話しをしたいと思います。
まだ、歌謡ロックと言う言葉は使われていなかったと思いますが、70年代の「Char、桑名正博、ツイスト、原田真二」や「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」辺りが、最初だったような気がします。
みんな結構売れましたが、個人的に特に好きだったのは、世良公則の「あんたのバラード」、原田真二は「シャドー・ボクサー」、そして、その中でも最も印象的だったのは、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」と山口百恵の「プレイバックパート2」。
当時私は大学生でしたが、宇崎竜童と作詞を担当した阿木曜子の作り出す世界感は、歌謡ブルース・ロックと言うか、私の中では、かなり衝撃的でした。そういった意味では、山口百恵も何曲か歌謡ロックに入れても良いかも知れませんね。
そして80年代、私の中では。
ミスター歌謡ロックは、「矢沢永吉」
ミス歌謡ロックは、「アン・ルイス」
そして、二人に共通するのは「NOBODY」の二人(もともとは、矢沢永吉のバックメンバーだった相沢行夫&木原敏夫)。
NOBODYは、バンドとしてもオリジナルアルバムを10枚。ライブアルバムを2枚(もちろん全部収集)をリリースしていますし、作曲家としても、矢沢永吉との共作を初めとして、吉川晃司「モニカ」、ハウンド・ドッグ「浮気なパレットキャット」、浅香唯「C-Girl、セシル」等のへの楽曲提供もしていて大好きなアーティストでもあります。
そして特に、アン・ルイスへ提供した「六本木心中」「あゝ無情」「LUV-YA」等は、歌謡ロックの神髄だと思っています。
一方の矢沢永吉は、当然キャロル時代から知らない人はいないと思いますが、個人的に好きになったのは、80年代にソロになってアメリカへ進出し、大々的なプロモートの割には、アメリカでは売れず、大きな壁に跳ね返されて日本に舞い戻ってきてからです。
正直に言うと、私もさほど興味を抱いていた訳ではなかったのですが、当時流行っていた貸レコード店で、サウンド的にはドゥービー・ブラザースそっくりなものの、ヴォーカルが違う人のLPレコードが、偶然流れてきたので、確認したところYAZAWAだった訳です。
メンバーをみたら、ジョン・マクフィー、キース・ヌードセン等のドゥービーを初めとする西海岸のミュージシャンと作ったアルバムだったので合点がいきました。
その時以来、俄然興味が湧き、今では中古レコードやCD、新譜も含めると、保有枚数が一番多い日本人アーティスト(まあ、長くやっているのもありますが)は、矢沢永吉になってしまいました。
因みに保有枚数が一番多い、日本人女性アーティストは、高橋真梨子(ペドロ&カプリシャス時代を含め、この人も息が長い)、ずーっと聴いていられる素晴らしい歌声ですね。
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