穿つ

暗闇のスライダーで、まるで何も与えられないまま街の中に放り出されたみたいに、わたしはそこにいて、ただ紙を引きさいていた、どうにもならないことを分かっていた。

それは初春の頃の雪のようにすぐに溶けた、でも昔弾いていたピアノみたいに残っていた。

起きたら足を喰われていた。
クレーターのようにへこんでいて、それを触った時、満たされるような気がした。
全ての者に明日は無いと言われた日
全てのハンカチを落としたみたいだ

みんなでハンカチを投げ合って遊んでいた
だけどみんなは死んでしまった。

放っておいた、そうしたら私たちはいつのまにか生まれていた

自由な世界で、信号機だけが秩序を保っているみたいに点滅しながら灯っていた。


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