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ツルネ13話感想まとめー再生の物語ー

1週間たってもツルネの最終回の感想が頭の中をうずまいているので1〜12話の振り返りを交えつつ、13話の感想を思うままに書き連ねています。

※原作ネタバレもありますので、読んでいない方はご注意を

   12話で5人が本当の意味で仲間になり、調子をあげた風舞高校がトーナメントを順調に勝ち進む。 早っ!もう決勝ですか、となりつつも尺の問題を考えても一個一個描いても冗長になるのでこのぐらいのテンポがちょうどいいよな、と思いOPに入ってこれでOPを観るのも最後かと思いを馳せてすでに感きわまってしまって落ち着かない

  OPが終わってほっと一息つく五人のシーンから。視聴してる私もここで一旦息をついてしまった。もうすでに心が五人とリンクしてる感覚…決勝めちゃくちゃドキドキする…アニメ観てるだけなのにこの緊張感はなんなんだと思いつつ場面は桐先側に転換。双子は相変わらず憎まれ口を叩くけど、原作を読んでるため二人が出てきても違う意味でハラハラし始める。

    椛島先輩が愁くんに「勝てるんだろうな」、と問いかけ愁くんが「勝ち負けで考えたことはない」と返す。おお…ここ…後々の展開を考えると本当に愁くんはこの時まで勝ち負けを考えたことはなかったんだと思う。だからこそ中学の県大会決勝の時に湊くんの早気に引きずられることもなく一人皆中を達成することができたんだろうなぁと。
     そのあと「精一杯やります」との返事。この時はポーカーフェイスの愁くんの顔が自信に溢れた意志の強い表情になったのが印象的で1話アバンの映像と重なるのもポイントなのかな…と。1話アバンの映像がマサさんとの出逢い、合宿で5人の距離が縮まる、弽を当てて勝利の喜びを分かち合う…と物語において重要なシーンを切り取っているので、試合で風舞高校ーひいては湊くんと対峙して弓を引くことが愁くん自身が変化するターニングポイントになっているのかなと深読みしてしまう。

 準決勝にのぞむ桐先そこからの湊くんと愁くんの幼少気の回想が入ります。
湊くんが怪我をしていることを西園寺先生に伝える愁くん。「よく気がつきましたね」と先生にいわれ「湊にも上手くなってほしいから」と答える。
ここも原作で語られている思惑なのかはわからないですけど、アニメだけで感じたことを言えば湊くんは愁くんにとって初めて長い期間一緒にいて共通のことをした友達なんじゃないのかなぁと。
  で、同じことをしていくには同じレベルを保たなければ途中で相手は脱落していってしまうわけで。だから湊にも上手くなってほしいって言葉は自分についてきてほしいってことなんだろうなと。
  ただ、その後に湊くんが愁くんに「顔見てから帰ろうと思って」って言われた時に訝しげな顔になった後、嬉しそうな表情を見せたのは弓をお互い切磋たくましていくだけの相手としではなく友情も感じ始めてるのではないかと…勝手に思ってしまいましたね…はい。
 夕焼けを浴びる愁くんの背中のカットが印象的で、二人がお互いの幼少期を思い出したり夢に見たりする時は昼間のキラキラした明るい色とオレンジの夕暮れなのがまた良くて、、子どもの時のひたすらに楽しかった思い出という雰囲気を感じられます

   回想が終わり微笑む愁くん。そういうとこやぞ!と思いながらも桐先の試合を見守る。ここで万次くんに早気の予兆が見える。辛い。
 桐先の試合を見守る湊くんと静弥くん。「気になる?」と聞かれて「綺麗な射型だな、と思って」と答えた湊くんに静弥くんが「湊の方が好きだ。湊のはただ理由がなくても良いと思う」、と返すんですが、静弥くん、君ってやつは…。とついついアホな反応をしてしまう。10話で本来の関係に戻ることができた二人。それからの静弥くんのスーパーできる男っぷりが止まらない。
 12話冒頭、 湊くんが事故にあった時に後悔の念を抱いている彼だからこそマサさんが事故にあって自分を責めようとしてる湊くんを引き止め、立ち直らせることができた。そのあと、湊くんが直接静弥くんにありがとうって言うんですけど私の涙腺はこの時崩壊しました。1〜11話までなかったんですよ。遼平くん、かっちゃん、七緒くん(マサさん、愁くん)はそれぞれ湊くんの再生のきっかけを作ってて、ありがとうって感謝の言葉を湊くんから受け取っていた。静弥くんはそのきっかけを作れずモヤモヤしたものを抱えてあの9・10話に至るわけですが…。
  何が良いかっていうのはこの時湊くんを立ち直らせることができたのは静弥くんしかいないということで、彼が湊くんの隣に立つ理由がはっきり示されたということです。彼らに関しては弓道を始める前からの友達なので、湊くんを弓道に戻らせることはできなくとも、弓道を介さないところの方がおそらく深く繋がれてるっていうのがこのシーンで感じ取れた気がします。
  これは多分ライバルである愁くんとの対比だと思います。山村監督がインタビューで「静弥が与えられないものを愁は与えられて、愁が与えられないものを静弥は湊に与えられる」って言っていたのはこれか…と一人で納得。
 
  話を戻すと、本音をぶつけることができずに遠慮していたあの日々を考えると彼のふっきれっぷりが清々しい。湊くんの弓がただ理由がなくても良いと思うっていうのは静弥くん自身が弓を通して湊くんという人間そのものを見てるのかなと考えたり。射型が人それぞれである、そのかきわけを丁寧に製作陣が描いてきたわけですが、それってつまり個性そのもので、その人を直接表現するもの他ならないないと思うんですよね。
  なのでこの台詞は湊くんの側にずっといた静弥くんだからこそ言えたことのような気がします。私は理由がなくても好きって言うのは1番言われて嬉しい言葉だなぁって、思います。ただあなたがあなたであるから好きって言ってもらえることはそうそうないですもん。静弥くんの愛がすごい…。もう何もいうまいって思いましたね。
 このセリフを言われたあと、湊くんは「ありがと」って返します。あんなにかかったのに静弥くんがストレートに気持ちをぶつければ二人の関係はこんなにもハッピー…。

  愁くんに責任を取ってくれ、と言われたことを思い出し、湊くんが「精一杯の先ってなんだろう、100%の努力と結果のその先…」と静弥くんに問いますが、これがなんなんだろう〜!て私も思いました。多分答えはアニメ内では出てないような気がするんですけど、わかる方いたら解説プリーズって感じです。

  で、無事桐先が決勝進出。蓮さんがベンチに現れる。ほのぼのタイム。またここで一息。女子ズの反応が好きです。で、どーなの勝てそう?って軽くいううのに対して簡単に言わないでって!いうのが競技をやってる人とやってない人の温度差がリアルで良い。
  妹尾さんが今日の男子は表情が良いっていうの、大事だよなって思いました。なんたってメンタル面が結果に直結するっていうのが1話から通して描かれてきたので。

   場面変わって万次くん。手の内を確認する万次くんにああ…となる。千一くんの軽口にも応じないのが、、このシーンで双子の“個”を初めて見れた気もします。
  この後風舞メンツを見て千一くんが「こういう調子いい時に、調子くずしやすい、また早気になったりして」と言うのフラグが立てられているのをひしひしと感じる。
  一悶着起こした後に佐瀬先輩と本村先輩が諌めるのが良かったです。先輩たちの最期の試合に賭ける思いを一年生にストレートに伝えるのがとってもカッコいいし、佐瀬先輩の、のりりんにかける思いにすっと話がいって本村先輩がそれを受けて諭すというのが自然な流れで、桐先のメンバーの関係性が濃縮されてて好きなシーンです。

 はい、きました!予告のカットからはらはらポイントだった8話終盤以来の静弥くんと愁くんの会話。
 8話の終盤「君は弓を愛してないから」と愁くんにズバッと言われる静弥くん。確かこの時愁くんの足元が映されてスローモーションになってから、静弥くんが画面から遠くなっていくみたいな演出だったと思うんですが、これが愁くんの方が先に行って、湊くんとともに高みを見に行けるという暗喩的なものだったのかなとこのシーンをみて思いました。
 なので「まだ湊を追いかける気なのかい?」と聞く愁くんに、静弥くんが「追いかける気はないよ。一緒にやっていく。もう手を引くことも、待ってくれていることを待つのもやめた。並んで歩く」と宣言し、前を見据えて愁くんと並んで歩いているのが、湊くんだけではなく静弥くんは愁くんとも並んで歩く立ち位置に来たってことを表現しているような気がしました。静弥くんの本来の芯の強さがここでグッと際立ったなぁと。  
   また、愁くんが「一緒にか…」という少し驚きの表情を見せているのは、10話で弓は一人で引くものだって湊くんに言ったからこそ、一緒という選択肢を選んだ静弥くんが不思議というか、まだ理解しきれてないのかなと思いました。
 ともあれ牽制勝負は一勝一敗。二人が一緒に来て驚いている湊くんの表情が好きです(笑)
やっぱり二人は一緒にいるタイプではなかったんでしょうか…。桐先中学時代の3人が切実に見たいです。

  控えでまってる各高校の面々。愁くんが湊くんに対して「また対戦するとは感慨深い」と話しかけそれに対して湊くんは「俺も。このメンバーで愁たちに挑めるのが嬉しくてたまらない」と返します。この時瞳の表現がすごく印象的で、湊くんはまっすぐ前を見てて、横は見ない。愁くんはそんな湊くんを横目で見てそれから少し下に視線を落として「それは楽しみだ」という。
うおお〜〜!!!!ってなりました。ほんとに…。この時湊くんはもう試合のこと、仲間のこと、いつも通りに弓を引くことしか考えてないとおもうんですよ。
   でも愁くんは違うんですね、湊くん見ちゃってる…。これが後々の伏線になってるかは分からないんですけど愁くんの若干寂しそうな声音と表情に切なさがMAXになりました。湊くんと愁くんの対比に泣く。

  いよいよ試合。ともかく一回みてくれとしか言いようのない試合シーン。静のスポーツの弓道をここまで見せられる演出と作画は素直にあっぱれ。スタッフさんに菓子折り送りたい。
西園寺先生登場。帽子がかわいい。
ここからめちゃくちゃ緊張してみました。アニメでこれなんだから本物の試合の緊張感心臓口から出るレベルなんじゃ…って思いました。
すごいよー!って三者三様にいう女子ズが好き。蓮さんとのやりとりが合間合間で息をつかせてくれる。
   湊くんが皆を語ってくシーンはもうその通り!って100万回うなずくだけ…。皆の音をうけて湊くんのハチマキ揺れるシーンから鳥肌とまらない。
   音楽の盛り上がりとともに、三巡目の作画が最高すぎて、語彙力を失うんですが、万次くんが早気気味になってしまい、中崎さんと同じ感想そのままになってしまう。遼平くんが同じく外してしまうんですが、妹尾さんが次は当てる、って言ってくれるのが部長同士でお互いの実力を冷静に認めてそうだなって思ったり静弥くんへの圧倒的信頼感へはまたわかる…てうなずくだけの機械と化す。
 葉っぱがひらひらまって音楽がメインテーマのメロディーに繋がる。試合シーンの曲名が「揺らがない心」なんですが、タイトルだけで泣く。
で、愁くんが目を見開いて圧を感じさせる弓を放つところがもう画面通り越して伝わってくるからもうなんなの…とわけわかんなくなってくる。
   客席側に移って、西園寺先生が珍しい、愁がムキになるなんてとこぼす。ここで愁くんが的よりも湊くんを見てるんだろうなってことが伝わるわけですが、これはなんでだろう…9話で湊くんは中学のころは一人でもなんでもできて当たり前って言っていたので、愁くんもそれと同じくな人間なのでは、と。なので湊くんが風舞に行くまで、弓は一人で引くものだっていう認識は共有のもので、でもいざ対峙すると湊くんはどうやらそうではなくなってる、それが愁くんをムキにさせた理由なのかな、と。
    そしてそんな愁くんの後に 湊くんが弓を放った時、葉っぱがぶわっと広がる表現があり、仲間がその音にはっとなる…。湊くんが落ちに置かれて、自分は一人じゃないって気づき、12話で自分が落ちに置かれた答えを見つけるわけですが、同様に前四人もこの時一人じゃないって感じたんだろうなっておもうと、もう号泣。
  そのあと愁くんの周りにも葉っぱがひらひらしてるのでこれはと二人で引いていた時とも桐先で一緒に引いていた時とも違う湊くんの射が変化したことを感じているのかな…と思いまた切なくなる…

   四巡目万次くんと七緒くんが外し、結果は落ちの二人で決まるという展開。花沢さんのもう見てられないよー!が全視聴者の気持ち。 
「湊は的を見てるけど、愁はそうじゃないから」という西園寺先生の言葉に7話のかっちゃんがフラッシュバック。あの時はかっちゃんが愁くんをみて、的を見れなかったけど13話でこうなるとは…もう。
 「俺はもう揺るがない。俺が外したら皆が当ててくれる。誰かが外したら俺が当てればいい。だから皆でやる意味がある。俺がここにいる意味がある」
ご、号泣〜!!!!!1、2話のあの早気に苦しんで、マサさんに戻れって言われたころの湊くんを思い出して、泣いた…。この台詞にツルネという物語の全てが詰まってる。弓は仲間と引くものだ、ってマサさんに言われた湊くんが気づいた答え。最高。
 マサさん!!ほんとだよ!皆みてるよ!という同意からの、1話オマージュの「なんて美しい会だ…」の台詞。エモさの極みでオタクはこういう演出に弱いし、本当に美しすぎる会に言葉を失う。
 湊くんが矢を放った時に、愁くんがはっとする…ここがこう言いたいことはわかるんだけれど言語化できないの極みなので割愛。
 湊くんが的を見つめて驚いた表情をしてるのはとするのはまさか愁が外すなんて、ということを思ってるからだと思うんですけどどうなんでしょう…。
 マサさんが戻れって言った意味がわかった、って湊くんが言ってくれましたが試合シーンで全て伝わった、凄いと思いました。

   ぼーっとした顔で弓を置いてからやったー!て皆で肩を抱き合うとこにまた涙。湊くんの震えた手を静弥くんが握るとこはさすが。弽をぶつけあうみんなかわいい。試合中は凛としてたけど、終わるとふつうの男子高校生になるギャップ。
  トミー先生の後悔の言葉。原作では湊くんに無理やり弓を引かせてしまったことへのフォローがあったんですがアニメでは尺の問題かそれが描かれてなかったんですね。でもまさかここでそのことについて触れてくれるとは思ってなかったので驚きました。
    マサさんもまだまだ等身大の悩みのつきない青年として描かれていて、でもそれより年長のトミー先生ですら日々反省と後悔をしているという。大人側の気持ちも丁寧に描いてくれていて嬉しくなりました。11話の静弥くんの言う通り大人だって思ってたけど自分がいざその年になるとそうでもないもんです。これは本当に身に染みる言葉だなって思います。

    悔しくて泣く万次くんを励ます椛島先輩と湯島先輩。正直隠れMVPだなと思いましたこの二人。良い先輩〜!双子が初めて共有できない感情を得てどう成長していくか楽しみです。二期ほしい。
   帰り際愁くんが湊くんに口パクで何かを伝えます。原作ではおめでとうなんですが、ここはあえてわからなくて色々こっちで考えてみるのが良きかな…と思います。愁くんのさっぱりした表情みるといろんな感情が渦巻きますがまたもや言語化できないので割愛
 湊くんが「愁、俺は俺の弓を引く、愁の弓とは違うけど…今はそれでいい」っていうところは、嬉しさと切なさがギュって詰まってるような気がして。
   俺の弓=仲間と引く弓、愁の弓=一人で引く弓、だと思うんですけど、愁くんの方を見て、遼平くんに、湊どうした?って聞かれて仲間を見て、今はそれでいいっていうのが…ここで一旦二人の道は分かれたんだろうな、と。
 ルートがいくつもあってでも一緒…という9話の登山話に通じるものがあるなと、最終的には二人とも頂上にたどり着くのだろうけど、山を登る仲間はそれぞれにいる。
 二人で引いていた世界から、成長してくのだなと思うと切なさもあるけど喜ばしいことなんだよ…とまた泣けてくる。

  ED後、夜多の森弓道場のシーン。1、2話を彷彿させるシーンでまたエモさの極みがここに。マサさんからお祖父さんのお話を聞く。
 ぶっきらぼうな口調で「自画自賛じゃねぇか…」というマサさんに涙を禁じ得ない。湊くんの「マサさんは弓が好き?」にマサさんが「ああ。遠回りしてしまったけど」っていうのほんとに…。マサさんが昔お祖父さんにされて嫌だなって思った問いですが、お祖父さんの真意を知ってこう言えるようになったのがいいですね。「世の中に起きることは何か意味があるって」と湊くんが言って、2話最期と同じ一万射を引いてそこからマサさんと湊くんがキラキラした顔でマサさんのお祖父さんの弦音を聴いていたという演出がにくいー!!!全てに意味がある、に繋がる最後…。良すぎて、原作読んでたから知ってたけどそれでも鳥肌たったし、母さんこのカーンって音なあにっていう湊くんの言葉で終わってタイトルが出るのずるすぎる…。

あまりにも綺麗にアニメが終わったのですが、鳴宮湊という少年の再生の物語が終わったのなら、やっぱりほかのキャラクター全員含めて次は成長の物語があまりにも観たい。なので二期が切実にほしい!です!ずっと応援します。
 
こんなステキなアニメを作ってくれた山村監督はじめ京アニ・アニDO製作陣に多大なる感謝です。ツルネというかけがえのない作品に出会えてよかったです。

おわり

 







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