世にも奇妙な物語'16 秋の特別篇

2016年も残りあと3か月。

そんな中、先日10月8日に放送された「世にも奇妙な物語 秋の特別篇」。

近年はファンの間で内容が再評価されつつある中、今回の特別篇の内容はいかがだったでしょうか?

以下、私の感想を記していきます。(以下のURLからあらすじが見れます)

http://www.fujitv.co.jp/kimyo/20161008001-20161008004.html#num20161008001

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第一話【シンクロニシティ】

ブラックな話だとは予想していましたが、タイトルの意味がしっかりと活かされていた一作でした。タクシーに乗ってしまった瞬間、奇妙クラスタなら「あ、これはまずい」と思ったのでは。

いくつかいいポイントはありましたが、私が好きだったのは、後味の悪さと相反するBGMの使い方でしょうか。タクシーの運転手がアクセルを踏み、乗客もろとも心中しようとする中で流れる「Que Sera, Sera」。なるようになるさ、という意味が込められているとも言いますが、あの乗客の二人には皮肉にしか聞こえないような。。。

「真夜中の殺人者」「走る取的」等、近年のブラック系良作を輩出している岩田和行監督の持ち味が、この作品でもしっかり出ていたように感じました。

第二話【貼られる!】

仕事をしていると「自分はどんな評価を下されているのだろう」と感じることはありますが、今作は私に「気にしすぎるとつらいだけだよ」ということを楽しく、可笑しく教えてくれた作品でありました。人間とは調子のいい生き物で、時々で評価はコロコロ変わるもの。その評価に心を持っていかれているようでは、厳しい世の中を生きてはいけませんね。

全てのレッテルがはがされるシーンは少し笑ってしまいました。お前、タンクトップかよ!?って笑。でも、最後に主人公の娘さんからまたレッテルを貼られてしまったのですが、好きなおもちゃを買ってもらえないときは「ケチ」、買ってもらえるようになると「大好き」と思われちゃうのは、うれしいような、少し悲しいような不思議な気持ちになりました。

第三話【捨て魔の女】

ミニマリストという言葉が流行っている中でまったくそれを皮肉ったようなブラック作品。どんどん色々なものを捨てていく主人公の狂気は見ていて怖くなりました。

主演の深田恭子さんは奇妙作品4作目の登場ですが、今回もまたトップキャスターに登りつめたのに最後は数字のため自殺、という末路。なかなかこの世界では幸せをつかめないですね。ただ、彼女の感情がなくなっていく演技は良かったと思います。

第四話【車中の出来事】

期待通り、特に奇妙でも何でもない、でも奇妙なシュールコメディ作品。というか、終始昔のドラマ風の演出だったり、某漫画を彷彿とさせるようなポーズだったり、小ネタがたくさんあって面白かったです。

それにしても、ボスの名前が「カワウソ」というのはツボでした。名前だけは全然怖くないのに。。。

ショート【ずっとトモダチ】

話自体は「テレフォンカード」式に友達が次々と死んでしまう話なのですが、一年前に放映された「ががばば」を彷彿とさせる演出が最後になりましたね。LINEとの連動企画もあり、チャレンジ要素のある一作として、面白かったと思います。


春の特別篇は近未来感のあるお話しが多かったのに対し、秋の特別篇は随分と今の世相を反映させているラインナップとなったような気がします。大きな飛び道具はありませんでしたが、日常に潜む奇妙、というテーマに沿っている点では非常にまとまっていたと思います。

ある時期を境に、どんどん面白さが増していく奇妙な世界、来年はどのようになるかがまた、楽しみですね。


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