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暁美ほむらはなぜ叛逆の物語を起こしたのか【魔法少女まどかマギカ】【新編 叛逆の物語 考察】


やっとワルプルギスの廻天の特報が出ましたね。実に2年待ちました。
ワルプルギスの廻天公開にそなえて今一度叛逆の物語における暁美ほむらが悪魔化した動機について振り返ってみましょう。
ドがつくほどの素人考察ですが短いので見ていってください。


超大雑把なあらすじ

そこそこ長いので覚えている人は飛ばしてくれて構いません。
①まどか、さやか、マミ、杏子が見滝原中学校に通っていて、そこにほむらが転校してくる。5人の魔法少女はナイトメアを討伐する日々。
②そんな世界に違和感を覚えたほむらは杏子を説得し、杏子の住んでいた風見野に向かうが、見滝原から出ることが出来ない。
③ほむらは違和感からこの世界が魔女によって構築されている世界だと気づき、これまでの記憶を取り戻す。
④お菓子の魔女であったベベを怪しいと思い捕らえるが、べべを巡りマミとバトルに。間一髪のところでさやかに救出される。
⑤さやかはほむらに魔女を突き止めてどうするのか、魔女だからといって始末するのか、と問いその場を去る。
マミのもとには百江なぎさという少女(べべ)が残る
⑥街をさまようほむらはまどかと出会い、その中でまどかが「本物の鹿目まどか」であることを再認識。まどかのいう本当の思いを知る。
⑦鹿目まどかの存在する世界を作れるのは鹿目まどかのことを知っている者だけ、この世界を作っていたのは自分自身であると気づく。
⑧現れたキュゥべえは「現実のほむらは既に魔女化寸前」であると語る。ほむらのソウルジェムはキュウべえによって外側から干渉できなくなる遮断フィールドに隔離。キュゥべえの目的は円環の理の観測・干渉・制御。
⑨まどかの願いを踏みにじる考えに激昂したほむらは魔女となり倒されることを選ぶ。
⑩ここでさやか、なぎさは「円環の理」によって遣わされた存在であると判明。さやか、なぎさ杏子、マミによって遮断フィールドは破壊。
⑪円環の力を取り戻したまどかの手によりほむらは救済される。と思いきや、
⑫ほむらによりまどかの人間としての記録が引き抜かれる。愛により悪魔となったほむらにより世界は再構築される。
⑬再構築された世界では杏子、マミが生徒として見滝原中学校に通っている、さやかは円環の記憶を持っていたが、ほむらにより消される。
⑭そこにまどかが転入。途中円環の記憶が戻りかけるがほむらが止める。ほむらはまどかにリボンをつける。
⑮丘の上公園にいるほむらがソウルジェムを見て崖から飛び下りる。ボロボロのキュゥべえをアップに終了。

なぜ暁美ほむらは悪魔となったのか?

あらすじに時間をかけすぎてしまいましたが今回の本題です(短い記事の予定だったのにあらすじで長くなってしまった…)。
一旦、「どうやって悪魔になったのか」「再構築された世界」などは一旦置いて「悪魔になることを選んだ理由」について考えていきます。
これについて語る上でもっとも重要な部分は
『⑥街をさまようほむらはまどかと出会い、その中でまどかが「本物の鹿目まどか」であることを再認識。まどかの本当の思いを知る。』という部分です。
ほむら悪魔化について振り返りながら考えていきましょう。

前提:ほむらの悪魔化について

その前に、一応ほむらの悪魔化に着いて軽く整理しましょう。
魔法少女達が遮断フィールドを破壊した時点で円環の理が干渉出来るようになり、まどかはほむらを他の魔法少女同様救済しようとします。
しかしほむらはここでまどかの手を取りまどかの力の一部を奪い取ってしまいます(ここについては多くの人が考察しています)
物語的にもここでほむらが救済されれば丸く収まりハッピーエンド、というタイミングでの叛逆(しかも考えによっては最終話まどかの選択を無下にするもの)だったので当時の視聴者は度肝を抜かれたことでしょう。

まどかの選択

ここで一応覚えておきたいのは、「ほむらはまどかの選択の全てを尊重している訳では無い」という点です。
ほむらは基本的に「まどかの幸せのため」に動いています。魔法少女になることなどまどかの幸せにならないものからは当然引き離そうとします。本編最終話でもまどかが円環の理になることに対して納得していませんでした。
最終的にまどかは円環の理となり、ほむらはまどかが円環の理となった世界で生きていくことを誓いました。しかし、後述の丘の上公園での問答を経て「無理にでも円環の理となるのを止めるべきだった」と後悔し、本編よりもさらにまどかの選択、想いを無視した行動を取るようになります(これが原因で悪魔ほむらはエゴだとかサイコレズたとか言われてしまっています)

余談:暁美ほむらと渚カヲル

暁美ほむらと渚カヲルは似ている、とされることがありますが私は全くそうは思いません。
お互いに主人公の幸せを望みタイムリープする点では同じですが、「結果はどうあれシンジの行動全てを肯定する」カヲルと、「まどかの幸せのためにまどか本人の選択を否定する」ほむらは、一件同じように見えて全く違う存在だと私は考えます。

鹿目まどかの本当の願い

丘の上公園にてほむらはまどかに「まどかのいない世界で戦うことの辛さ」について吐露します、それに対してまどかは
「でも大丈夫だよ。私だけが誰にも会えなくなるほど遠くへ一人で行っちゃうなんて、そんなことありっこないよ
だってわたしだよ? ほむらちゃんでさえ泣いちゃう辛い事、わたしが我慢できるわけないじゃない
誰とだってお別れなんかしたくない。もし他にどうしようもない時だったとしても、そんな勇気わたしにはないよ」
と答えます
本編で「全ての魔女を消し去る」という願いのために犠牲になった鹿目まどかは、本心では誰とも別れたくない少女だったのです。

暁美ほむらにとっての間違い

まどかの本当の願いを再確認したほむらはまどかを円環の理にしたことを後悔します。
ほむらはまどかが「自分でも気づいていないほどに優しすぎて強すぎる」ことに気づいていました。それでも本当の願いよりも魔法少女の救済を優先したまどかを止めることは出来ませんでした。
これは「それがあなたの、本当の気持ちなら、私、なんて馬鹿な間違いを…」と本人が語っているように、「キュウべえに騙される前の私を助けてほしい」と言われ魔法少女になったほむらにとって、まどかの本当の願いを叶えられていないという致命的な間違いです。(また、これ以降ほむらの言う「まどかの幸せ」とは「誰ともお別れしたくない」という願いによるものだと私は思います。)
まどかの本当の願いを再確認したほむらが「まどかの犠牲の上にある世界」を許せるはずがありません。
ほむらが叛逆する上でのもっとも重大なターニングポイントは丘の上公園での問答だったのです。

終わりに

かくして、魔法少女を救済する神に叛逆した最悪の悪魔が誕生しました。
しかし、私たちは既にほむらが「まどかの幸せ」のために行動していることも、ほむらがまどかにとっての「最高の友達」であることを充分知っています。
今後の魔法少女達の活躍によっては"ほんの少しの本当の奇跡"によって何もかもが平和に終わる結末が生まれるかもしれません。
ワルプルギスの廻天を楽しみに待ちましょう。


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