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【社内政治生存マニュアル:番外編】女の園をマネジメントせよ

女の園…このダイバーシティの重要性が求められる令和の時代においても、女性だらけの職場というものは存在する。

ジェンダーが一方に偏ってしまうとその中で生き残っていくのは非常に難しい。
そしてマネジメントとなるともっと難しい…。

これは良くない…本当に良くないよ…。
こんな職場があるならすぐ変えた方が良い…。
経団連会長、きこえますか…あなたの心に直接呼びかけています…。

しかし、残念ながらダイバーシティが進んでいるグローバルカンパニー()であっても女の園は存在するのだ…!

というわけで今回は、【社内政治生存マニュアル】の番外編として、女の園のマネジメントについて説明していきたいと思います。

届け!女の園で悩んでる人たちへ…!

🌟🌟🌟

さてはて、物語はずんずんさんがシンガポールのグローバルカンパニーで出世した時に遡る。

色々あって未経験サイコパス上司が退場したため、予算が余った我が部は、中国のオペレーション部門の力を借りる事ができるようになった。

何があったかは過去記事を読めばいいと思います↓↓↓(雑なPR)

https://note.com/zunzun428/m/mdb33adff4399

中国のオペレーション部門と言っても、一部のチームはシンガポールにいる。
このチームは日本とAPACをカバーしていた。

そのうち何故か、私がこのシンガポールにいるチームのうち、一部をマネジメントすることになった。

外資系の組織はよくフラットだと言われるが、私がいた組織は非常に複雑だった。
何十もの階層と複雑な組織の入り組み、隣に座っていて似たような仕事をしているのにレポートラインが全く違うということが多々ある。

こんな組織大丈夫か?と思うだろ…?
全然大丈夫じゃないんだ…。

そんなわけで、私もこんな全然大丈夫じゃない組織で、マネジメントをすることになったのだった。

私が受け持つチームは全員20代の中国人女性だった。

全員中国のトップ大学を卒業している。中国語はもちろんのこと、英語はビジネスレベル、簡単な日本語も理解することができた。

めっちゃ優秀やん~…。

と以前の私だったら、彼女たちの学歴だけで腰が引けてしまっただろうが、

今の私はもう違うのだ!

出世したのだ!そんな肩書が私を強くした。

なぜ、そんな優秀な彼女たちがシンガポールに来ているかというと、

「中国は就職戦争が苛烈だからね。まず一旦海外で就職して経験を積んでから、本国に戻るのよ」

とシンガポール人の同僚が教えてくれた。

なるほどね。

と私は思った。

以前に私はこのチームと仕事をしたことがあるので、メンバーの優秀さはよくわかっている。

しかし、とはいっても女の園は女の園なのだ…。

女の園は女の園の特有の問題がある。

私は自分の苦い経験を思い出した…。

私は外資系金融を辞めた後、一瞬だけ日系企業に勤めマネージャー職になったことがある。
正直この時の私のマネジメントは壊滅的だった。

私もまだ若く相当イキっていた。
そして、その時も、チームは女の園であった。

部下のほとんどは年上の女性たちで、当時の私は「部下は指示すれば仕事をする」と信じて疑わなかった。何故なら私自身が非常に従順な部下であったからだ。

まあこれが勘違いでして…。

人は「指示しただけ」では全く動かないということを、若い私は知らなかったのだ。

え?自分の部下は指示しただけですぐ動いてくれる?
そんな部下、絶対手放すんじゃねぇぞ…。

私のスタッフは私よりも年上の女性が多く、驚くほど仕事をせずそして仕事ができなかった。仕事が出来なくてもクビにならず会社に居れるということ自体、すぐクビになる外資系で働いていた私にとっては驚きのことだった。

そして、その女の園では「仕事ができる女性たち」が常に「仕事をしない女性たち」の苦情を言っていた。
「仕事をしない女性たち」は注意されれば人前もはばからず泣き出し、オフィスの雰囲気は殺伐としており、最悪であった。

なんでこんなことになってしまったのか。
今ならわかる…私は女性たちの「お気持ちマネジメント」に失敗したのだ。

「お気持ちマネジメント」とは何だろうか?

それはチームメンバーのお気持ち、つまり感情をマネジメントすることである。
人の心はコントロールすることができない。
しかし、こちらの出方次第でマネジメントすることが出来るのだ。

そして、女の園を渡り歩いた私は一つ悟ることがあった。
女の園は、いやどんな組織でもそうかもしれないが、下記の3つのような派閥に分かれる。

①お気持ち派
②仕事が出来ればいいと思っている派
③調整派

①お気持ち派とは、感情で仕事をする人間達の集まりである。
感情とはここでは「好き」「嫌い」をいう。
お気持ち派は、好きだったら仕事をするし、嫌いだったら仕事をしない。
好き嫌いの対象は仕事そのものであったり、上司であったり、はたまた同僚だったりする。

良い関係性であったらそれなりに働いてくれるが、なんせ好き嫌いで動かされるため、いつもトラブルが起こる。
お気持ち派は、お気持ち派派閥内でも対立が起こるし、次の②仕事が出来ればいいと思っている派と常に対立する。

②仕事が出来ればいいと思っている派は、その名の通り仕事が出来ればいいと思っている人間達の集まりである。非常に仕事が出来るし、お気持ち派が仕事をしない分を巻き取って仕事をしてくれる。お気持ち派が仕事をしないのが許せないため、常に対立しており、管理職を突き上げる。

頼む…!こっちも大変なんだ…!
人の気持ちを汲み取ってくれ…!

最後に③調整派は「お気持ち派」と「仕事が出来ればいいと思ってる派」の調整を行う人間である。多くの組織は若手の女の子がこの調整をすることになって疲弊し、すぐやめる。
ここに女の園に慣れたマネジメントが来ると、組織として非常に規律の取れた形になる。

調整派の仕事は「お気持ち派内の抗争」と、「お気持ち派と仕事ができれば良いとおっている派の調整」が仕事の7割を占めるのではないだろうか?

女の園で男性が上司になってしまうと、この調整が出来ず、チームとしての雰囲気が悪くなってしまうのをよく見てきた。
男性上司は、女性が持つ不平不満を「女の愚痴」とみなして流してしまうのだ。

私も「お局様、しんどい」みたいなことを男性上司に言った経験がある。
その時も「あの人はああ言う人だから、我慢して」と言われて終わってしまった。
その時の絶望たるや…。

上司に解決策を提示されないと、部下はこの苦しみが永遠と続くと思ってしまい辞めてしまうのだ…。

私は新しくみることになった中国オペレーションチームでもこの調整が起こると予測していた。
超高学歴のチームでそんなことが起こるはずがないって思うだろ…?

そんなことないんだよ…。
人間が集まれば、どんな環境でも動物園になるんだよ…。

ある日、中国東北部出身だというメンバーが私に声をかけてきた。
ここでは彼女のことを「東北さん」と呼ぶことにしよう。
東北さんは、黒髪のロングヘアで眼鏡をかけた女性でかわいらしいが、オタサーの姫のようなルックスであった。

東北さんが私と話をしたいというので、私は会議室を用意し彼女の話を聞いた。

会議室に来るなり、彼女は同じチームメンバーの話を始めた。
そのチームメンバーは北京出身なので北京さんとここでは呼ぼう。

東北さんが言うには「北京さんの発言が酷い」という。

それは日本についてのオペレーション改善策のミーティングの話だった。
私はその会議に出席していなかったので、全て東北さんからの伝聞である。

曰く、会議中東北さんが改善案を発言したところ、皆の前で北京さんが

「そんなことをやる必要のは無駄だ」

と言ったという。

これに東北さんは非常に傷ついたと言う。

ふ、ふーん…。

聞いていた私は、冷や汗が出るのを感じた。
そんなこと言われても、

『無駄って言われた…え?だから?本当に無駄だったんじゃないかな…?え?傷ついちゃったの…うん…』

と思ってしまう。

だが、私が思ったことをそのまま口に出してしまうと、

「ずんずんは酷い!私たちのことを何も分かっていない」

と尾ひれがついて悪い噂が広がってしまうのだ…。

お気持ちマネジメントをしなければいけない。

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