ブックオフ回顧録#2「応募」

お店に到着して自転車を止め、入口周辺を見渡してみると…あった。アルバイトスタッフ募集のポスターだ。どうやらまだアルバイトを募集しているらしい。ー今にして思えば4月だったのでちょうど夜の学生スタッフが入れ替わる時期だったのだー

さて、ポスターが貼ってあったので早速応募…といきたいところだが、僕はわりと慎重なところがあって、本当にここで働いていけるのかということをなるべく事前に調べておきたい。今まではただ買い物をするためだけに利用していたお店だったが、自分が働くとするとどうだろうか?という視点を持って店内を眺めてみる。

それまで友人とのコミュニケーションにさほど問題を感じたことはなかったが、人前に立って何かを率先してやっていくようなタイプの人間ではなかった。なし崩し的に体育委員になって体育祭のときにパフォーマンスさせられたりしたことはあったが、自ら積極的にそんな事をしようと思ったことはないし、先生の問いの答えがわかっていても決して手を上げて答えるなどということはなく、指されれば仕方なく答えるといった具合だった。だから接客というものが果たして自分に務まるのだろうかという不安を抱えていた。

カウンター内でのスタッフさんたちの会話。どんな人が働いているのかなどを観察してみる。売場に目をやると、それほど人付き合いが得意そうには見えない(失礼)男性スタッフが働いている。そんなに力もなさそう(さらに失礼)だ。これならばこの仕事、僕にも務まりそうな気がする。と自信を深める(大いに失礼)。

ポスターを再度確認し、電話番号をメモして帰宅する。そして電話をかけてみ…たのだと思うが今一つ記憶が定かでない。もしかしたらそのまま店頭で店員さんに声をかけたのかも。とも思ったが、これもどうもしっくりこない。店内でスタッフさんを確認して若干見下す(めちゃくちゃ失礼)ところまでは鮮明に覚えているのだが…。まあ何らかの方法で応募したのは間違いない。だって数日後に面接に行ったのだから。

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