滑り台の下に埋めた鍵(7)
彼女は、休日も僕のキッチンカーに昼食を買いに来てくれるようになった。
季節が巡って、2度目の冬を迎えようとしているある日、
ぼくは、思い切って彼女に言った。
「あのう・・・びっくりするかもしれないけれど・・・
ぼく、あなたが好きです。 ぼくと、つきあってくれませんか?」
彼女は俯き、小さな声で打ち明けてくれた。
子どもの頃に、心に鍵をかけたこと。
その鍵は、とある場所に埋めたこと。
今もあるかどうか、わからないこと・・・・。
ぼくは言った。
「いっしょに、その場所に行こう。
もし、鍵が見つかったら、ぼくが君の心を開けてあげる!」
(つづく)