灰かぶり(1)
私は継母と、義理の姉二人といっしょに住んでいます。
家事は、私の担当。
継母と義理の姉は、何もしません。
家事の中でも、特に暖炉の掃除は大変です。
いつも灰だらけになってしまうのです。
その様子を見て三人は、面白そうに笑います。
そして私のことを
「灰かぶり」
と呼ぶのです。
家の事をするのは好きです。
(暖炉の灰)も興味深いテーマです。
「どうしたら、汚れずにできるだろうか?」
と、私はいつも考えているのです。
義母や義姉のいじわるも、理不尽な要求も、
私にとっては、やっかいだけれど解くに値する課題でした。
与えられる課題を解く毎日もそれなりに楽しいのですが、私にはやりたいことがありました。
そこで、何とかこの家を出られないかとチャンスを伺っていました。
(つづく)