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[図工15] 目玉のジュース

きょうのAちゃんはちょっとホラーの Aちゃん。家族思いで、友達思いで、いつも誰かのために図工で何かを作る心優しい子、ちょっと照れ屋で、照れるとなぜかホラーになるAちゃん。かわいいAちゃん。わたしはAちゃんのつくる目玉のジューズの大ファン。

最初の目玉のジュースは去年のサンタさんに。

「ねーねーサンタさんて、どっから入ってくるの?玄関は鍵しまってるし、マンションだからベランダ高いとこだし、窓だって鍵しまってるし、煙突なんてなし、お父さんがなんかしてるの?」とAちゃんが聞いてきた。

「特別な、魔法的な?なんかそういう力をもってて、入れるんじゃない?」と、私が言っても、Aちゃんは疑わしい顔をしている。

「なんか、お父さんがAmazonから持ってきてるの?Amazonの箱があったんだよね。」

「あ〜〜、現代はさ、いろいろ便利になってるから、サンタさんがAmazonに委託してるんじゃないの?全世界に配るのは結構大変じゃない?」
つまらないことを言ってしまった、サンタさんの事情なんて知らないのに、と私は後悔した。でも、一緒に来ていたBちゃんが、

「え〜、ちがうよ、お父さんがね、サンタさんのために玄関かベランダの鍵開けてるんだよ、私みたことあるもん、ベランダにサンタさんいたんだよ。かげ?形がみえた!」

「え??寝てたんじゃないの?」

「うん、寝てたよ、でもちょっと、こっそり薄目で見てんだ、ぜ〜ったいサンタさんだった!」

Bちゃん!すげえ!ありがとうサンタさん!

「そっかあ、そうだよね、サンタさん大変だからお礼つくっておいておく!」

Aちゃんはクリスマスカラーの絵の具で色水をつくって、とても小さな瓶にいれて、可愛いジュースを用意すると、なぜか人形作りなんかでつかう動眼を中に入れて、目玉のジューズは完成。

「目玉!?目玉いれんの?ちょっと、赤だし、サンタさんびっくりしないか?」

「うん!サプラ〜イズだからね」とAちゃんは照れくさそうに笑った。

「本当にびっくりだね!」

そして、今年は10月のハロウィンに、私はAちゃんにお願いしてみた。

「去年つくってた目玉のジュース、私大好きだったんだよね〜、またつくってよ?ハロウィンの飾りにしたい!」

「あ〜あれね〜、いいよ〜。あれさ〜、ほんっとにサンタさんもっていったんだよ!ありがとうってお手紙も置いてあって、なくなってたんだもん!」
去年より、ちょっとお姉さんになったAちゃんは相変わらず可愛い。

「え〜、いいなあ、私にもサンタさん来ないかなあ」

「無理っしょ、せんせー大人だし、大人には絶対来ないから。でも、しょうがないから私が目玉のジュースつくてあげるよ」

Aちゃん優しい、うれしくて泣きそう。

出来上がった目玉のジュースは相変わらずいい味出てる。そして、今年は何か札がついていた。

『今年もでました。目玉のジュースが1,000円で!』

高いな、目玉のジュース。



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