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[図工07] いやだ

「いやだ」とAちゃんは言った。「この辺も色を塗ってみたら?」絵の端っこの方が白かったので思わず私が言った言葉に、ものすごい勢いでAちゃんに断られた。私が何かを提案するとほとんどのことをAちゃんは断る。食い気味で「いやだ」と言われるのはわかっている、でも、一応、せんせーらしくアドバイスとか?したい。

断られるのは慣れている。Bちゃんも大抵のことは断る。Bちゃんの好きそうな新しい材料を仕入れたので、これ使ってなんかやってみない?と、言っても、「いやだ、木ないの?それか布。」と言う。たまたまないときに限ってそう言うことをいい、申し訳なさそうに私がないことを告げると、「え〜〜じゃあ、絶対次はかっといてよね〜」とぷりぷり怒る。そして慣れた手つきでいつもある粘土を取り出し、可愛いドーナツやケーキををたくさん作り出す。まだつくるのか?ってくらい作って、うちの粘土は黒と茶色以外なくなる。

Cちゃんも断る。私はカラフルに色を塗るのが上手なCちゃんの絵が好きなので、ちょっと試しに、と、自分用のアクリル絵の具をだして、「これ、使ってみない?」というと、「いやだ。これは〜、〇〇王国のおうさまで〜(大きいチューブの白)、これとこれとこれがけらいね(あおとみどりとくろ)、それで〜、こっちがおひめさまなんだけど(ピンクとペールオレンジ)、わるもの(あか)がきて、ど〜〜んば〜〜ん、ひゅ〜っ(チューブ床下にど〜ん)て連れて行かれて、うふふふふ〜(笑)」と、チューブで40分くらい人形劇を披露してくる。いや、ほんと、いつ終わる?っとモヤモヤしつつも、お話の創作力に感心する。残りの20分くらいでようやく赤の絵の具をだすと、「ちょっと手出して?」と言い、「ち〜〜〜〜(笑)」と言いながら、私の手を真っ赤に塗った。

Dくんは目をそらして無視する。恐竜好きのDくんに、私がダンボールで作った恐竜を見せて、「たまにはこういうのどう?」っとお誘いしても、「ぼく〜、きょお〜、サメつくる〜」といって、白い大きめの紙ににょろにょろ〜っと柔らかくのびのびと、泳ぐサメを2、3枚描いて、あとはソファでお昼寝を始めた。

結局みんな、何かしら素敵な創作をして、満足そうに帰っていく。可愛いのはこの翌週なのだが、つづきは、また次回。

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