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[図工13] テレビ観たいな

粘土をクッキー生地の様に型抜きしながらAちゃんは言った。「テレビ観たいな、つけていい?」、それはなんていうか、温泉旅館について、とりあえずのんびりするか?みたいな、あるいは、いつもの慣れた家事してるから、テキトーになんか観ながらやるか?みたいなテンションのようだった。「うち、テレビ観せるサービスはやってないんですよ」、と言うと「えー、ケチ!」っと、怒られた。

別の日に、スライムを何種類も作ってひと段落したBちゃんも言った。「テレビつけて?!」こっちははなから命令だ。「いや、うち、テレビ観せるサービスはやってないんです」。「あぁ、そっか。」Bちゃんは、あー、そういやここは家じゃなかった、とはたと気づいた様にちょっと照れて、また何かを作り始めた。

Aちゃんの作った粘土クッキーは、最初は色々な色の動物、一通り作るとまた色ごとに壊して、次はハート、次はどんどん色を混ぜながらマーブル模様のお団子になって、帰る頃には全部の色を混ぜて一塊にして、なんだか妙にリアルなブラウニーになっていた。

Bちゃんは一緒に来ていたCちゃんと、色水に黒いスライムをちぎって入れて、タピオカドリンクを作って、プラスティック容器に入れてもって帰った。家でこぼしてないか、心配である。

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