[図工03] 旅行とかいきなよ

ある日、Aちゃんが絵を描きながらきいてきた。「ずこーせんせーってさ、私たちが払ったおかねでこういう材料買うの？」。図工アトリエは1時間¥1,000いただいている。材料費と利用料という名目で、講師料は含まれないことにしている。人によって、段ボールアートを作って材料費ほぼ0円の日があったり、100円ショップの粘土10箱くらいとりあえずあけたり、絵の具をどば〜〜っと出しきって混ぜて何も作らず帰るこどももいる（みんな最初ひととおりやるやつ）、絵の具を並びかえるだけの子もいたな。何かを描けとか作れだとかは言わない、いや、たまにイラっとして言う、できればなんか作って欲しいのが本音。みんな好きなものを好きなように作ればいいと思っているから講師料はもらわない。材料費も足りなくなることあるからそろそろ値上げしてもいいんじゃないか？とか自問自答することもある。なんのためにこんなことやってんのかわからなくなることもある。でも、なんか楽しいからなんかやめられないし、誰もこないと寂しいから安くてキャッチーなお値段設定にしたい。

Aちゃんに「そうだよ」っと答えると、「たまには旅行とかいけばいいじゃん？」という。泣きそうになる。「たまには旅行行ったり家族とあそべばいいじゃん」と。もう、泣かせるなよ。「じゃあ、材料買えないよ」というと、「いいよ、そしたら私とかせんせーの指を切って材料にするから」おい、ホラーだな、、。Aちゃんは照れるとホラーなことを言ったり、ホラーな図工をする。そう言うとこ、好き。「じゃあスウィーツたべにいっていい？」と聞くと、「それはダメ、やっぱ材料買って」。だとさ。Aちゃん以外にも私にお金を払う時、お金の質問をしてくる子はいる。「せんせー、わたしたちのおかげで貯金たまってるんじゃない？」とか、「せんせーのしごとってこれ？」とか、「1000円あげるから1000円ちょうだい？」とか。みんなに愛されてる気がするので、もうしばらく頑張れそうだ。その日、Aちゃんはホラーじゃない紙芝居を作っていった。