Schumann

Robert Alexander Schumann は、ドイツのロマン派を代表する作曲家。妻のクララへの愛、文学との強いつながりや内面性、2極化される躁鬱のような作風で知られている。最初はピアニストを目指してたことから、作曲も最初はピアノ曲に集中しており、後に室内楽や歌曲、交響曲へと才能を開花させていきました。
高度なメロディーと多用されるシンコペーションのリズムで難解なイメージのシューマンですが、考えれば考えるほどハマる、情緒豊かな曲が多いです。

そんなシューマンの曲で私が好きなものをあげていきます。

・Abegg Variations Op.1 アベッグ変奏曲
シューマンが最初に作曲した曲。ABEGGのモチーフを謎解きのように組み込んでいて、即興的で変奏曲を超えた自由なスタイル。小節構造も面白く、シューマンの特徴的なリズムも既に観られる。終局の中間部で和音からモチーフの音を抜いていくところがなかなか知的。

・Carnaval Op.9 謝肉祭
恋していた相手の地名である ASCH の音列による謝肉祭。20の小曲で構成されており、それぞれ人物などのタイトルがついている。そのタイトルの中には「ショパン」や「パガニーニ」といった他の作曲家や、自身のペンネームである「オイゼビウス」と「フロレスタン」も登場し、性格を曲に模写している。サンサーンスの「動物の謝肉祭」にも通じる曲。

・Fantasiestücke Op.12 幻想小曲集
8つの小曲から構成されるピアノ曲集。それぞれ単体でも演奏される。
Des Abends 夕べに 終始静かなメロディーと交錯するリズムで心が穏やかになる。
Aufschwung 飛翔 この曲集の中で最も有名な曲。力強く情熱的なメロディーで、小曲ながらシューマンらしさを堪能できる。
Mit Leidenschaft 夜に 3泊と4泊のポリリズムの中で不気味に響くメロディーが印象的。不吉でよくない事が起こるような迫るようなリズムで、ギリシャ神話の悲劇を表していると言われている。

・Kinderszenen Op.15 子供の情景
13のとても短い小曲から構成されるピアノ曲集。子どもの様子を描いた大人向けの曲集。
Träumerei トロイメライ この曲集で最も有名で、なおかつシューマンのピアノ曲の中でも一番有名。アンコールなどでもよく弾かれる。トロイメライは夢という意味だが、まさに夢見心地の曲調が演奏会を素敵な思い出に仕上げてくれるのだろう。

・Fantasie Op.17 幻想曲
ソナタ形式を持つ幻想曲。ソナタを超えたものにするためにあえて幻想曲というタイトルをつけたのかもしれない。3楽章構成で30分にもおよぶ大曲。最後の第三楽章が緩徐楽章となっていて、美しいメロディで静かに終わっていく。特に第一楽章が好き。

・Arabeske Op.18 アラベスク
アラベスクと言えばドビュッシーが有名だが、元祖は子のシューマン作曲のもの。唐草模様のように複雑に絡み合う音型を「アラベスク」と名付けたシューマンは天才だと思う。優しい主題と情熱を持った中間部、エピローグのような美しいコーダが、6分程度の小品でありながらシューマンの魅力を余すところなく伝えている。シューマンの中で一番好きな曲。

・Sonate Nr. 2 g-Moll Op.22 ピアノソナタ 第2番 ト短調
シューマンは3曲ピアノソナタを作曲しているが、第3番より後に作曲されたのがこちらの第2番で、シューマンの最後のピアノソナタとなっている。4楽章構成で、他のシューマンの曲に比較するとより古典的でわかりやすいものになっている。第一楽章の出だしが効果的で、コンクールや演奏会でもよく弾かれる。アルゲリッチの演奏は人間業とは思えない。

・Fantasiestücke Op.76 幻想小曲集
こちらはクラリネットとピアノのための室内楽曲。チェロバージョンでも演奏される。3つのごく短い小曲から構成されており、2曲目と3曲目は続けて演奏するように指示がある。ピアノがアラベスクのようにクラリネットと絡まり、ただの伴奏になっている箇所が1つもない。クラリネットの曲の中でも大好きな曲の1つ。

・Klavierkonzert a-Moll Op.54 ピアノ協奏曲 イ短調
シューマンの曲の中でも有名であり、ピアノ協奏曲としても代表的な1曲。CHAAのモチーフがクララを表しており、情熱的な愛を感じることができる。



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