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無職後、2回目の土曜日。

コンビニの帰りに、駐車場に千円札が二枚、落ちていた。それとマスク。
・・・千円札は二枚とも半分に折りたたまれていて、雨に濡れて地面にへばりついていた。
うっかり千円札を落とすなんて。
もしかしたら落とし主は今頃、コンビニでは数百円の買い物しかしていないのにもかかわらず財布から二千円が消えている、ということを不気味に思っているかもしれない。まさかコンビニがぼったくるはずもなし。

20代の頃、散髪してもらった店で、危うくぼったくられそうになったことを思い出した。
たしか四千円の請求に一万円を出したところ、お釣りが千円だった。


店員は早々に店外に案内しようとしたが、こちらが動こうとしないのを見て、苦笑して残金を寄こしてきた。謝罪もなかった。
わざとだったようだ。
若くて大人しい相手には通用すると勘違いしていたのかもしれない。

こちらは見ず知らずの相手に声を荒らげて怒りを表明することができないため、時々こういう目にあう。
いつでもどこでも動物みたいに感情を露わにできる人を、唯一うらやましいと思える時である。

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