演劇がやりたかった

二分に一成人式というものは、皆さんの小学校にあっただろうか。10歳の節目に二分の一の成人を祝って(祝ってるのかな)学校のイベントとしてやった記憶もあるのではないだろうか。歌を歌ったり、なんだったり。将来の夢を叫んだりしたのではないだろうか。

私は、そこで劇作家になりたい、と言った。

親もびっくりしていた。まさかそんなことを考えてるとは思わなかったそうな。でもどうでしょう、引きこもりがちな私にとっての娯楽はゲームか本か、演劇見るくらいしかやることがなかったので、必然的にそういう文化系の何かしらをやりたいと考えるのはそういうものではなかろうか。

小林賢太郎という人物がいて、私はあの人を尊敬している。残念ながらラーメンズ時代のコントは実際に見られなかったが(だって2000年とかですから私生まれてませんし、生まれてても話しわからなかったでしょうよ)ビデオとかDVDでレンタルして見てた。KKPに関して、うるうとか振り子とチーズケーキ、ノケモノノケモノは実際に見てた。P+とかも実際見に行ったし、静岡公演も見に行った。新幹線乗って、親と一緒に。それくらい楽しかった。

(見てくれ、頼む。)

ああいうの見てて、演劇っていいなと思っていた。
そういうことで小学生の頃に脚本書いて、演劇やろうとしてたけど地元は中学受験する人が多く、時間も取れず、頑張って書いた脚本はそのままゴミ箱に行ってしまった。(ここから私の努力は報われない思考が始まる。)まあ話としては面白くなかったと思うけど、当時の数少ない友達と一緒にやろうとして、少々の内輪ネタと一緒に書いてたのは面白かったな。

中学高校と劇部に所属することもなかった。理由は端的に女子ばかりで気まずかったから。その対極のPC部でブイブイいわせていた…この頃にも懲りずに映画撮ろうとして脚本書いて、相変わらず結構な出来の文章書いたのにそれも捨てられました。
高校になって、所々諸々あって劇部の人と関わることが増えて、やっぱり楽しそうだなと思ったし誘ってくれたからやりたかったけどそれよりも生徒会の仕事が楽しくなっちゃったから行けなかったし、何より自分の気難しい人間関係に苛まれて結局行けなかった。一度だけ、劇の表現方法(演じ方)で悩んでいたところを私がアドバイスしてそれが採用されたことがあって、(少なくとも私なんかより演劇やってる人が)良さそうだと思ってくれたのが嬉しくて、ああやっぱりこういうのがやりたかったんだと痛感してた。

大学に入って、サークルとかもあっていざ入ろうと思って新歓にも行ってた。実はね。なかなか上手に演技しましたよ。でも雰囲気がちょっと性に合わなくて。3つあるうち、ミュージカルは自分に合ってないし、知り合いがいてちょっと気まずかったり、それこそ性に合わなかったり。人生最後の自由時間とも言われる大学に入ってまでも結局何もできず終い。
憂さ晴らしも兼ねてnote書いてみたり、それでも有り余っている想像力を持て余して眠れなくなったり。私のnoteがどうも喋っているような書き方をしているのは、それこそ誰かに聞かせたい、読み上げて、体動かして、演技しながら読み上げたいというのがあるから。

KLiSの試験はビブリオバトルなのはなかなか有名なところで、私もそれをしてきたわけで。その発表風景は本当に演劇だったと思う。正直ここの入試失敗したらどこにもいけないレベルの落ちぶれ度だったので、最後の人前で自分の好き勝手にできる瞬間だったのでそれはそれは演技をしてました。
今でも覚えてる。制限時間のタイマーを一度も見ずに、一言も噛まずに、感情豊かに楽しげに(実際楽しかった)話している私。
質問を受けてその回答もまだ覚えてる。「あなたが想像する楽しい未来ってなんですか?」
「実は先生になりたいと思っていて、教壇に立って、これはこうだ、あれはこうだと幸せそうに語っている姿を想像しています。今の自分には到底難しいと思っています。でも、無理じゃない、きっとできるんだと思って毎日を過ごしているんです。」

「口が回るからね」「よくしゃべるからね」「まあ上手に話すこと」
このあたりは親にも友達にも言われる。英語の発表とかパフォーマーでしたから。(自覚あり)
だって、喋っていないと自分を保っていられない気がするから。自分のこの、ずきもというTwitter上での人格やリアルの「私」という状態も、どうにも演じているように思っている(この点、本心をさらけ出していないとかそういう話ではなくて、単純に「私」という存在を作って、そこに本心や言いたいことを載せているという感じ)

やどかり祭の喜劇、すっごい楽しかった。だって自分が協力してたんだもの。初めて自分が携わって劇が完成してた。本当に、嬉しかった。

今もこうやって文章書いているのは頭の中に浮き出てくる世界をどこかに書き出さないとパンクしちゃうから。一回くらい真面目に文章書いて小説として世の中に放流したい気持ちもあったりする。
実はnoteの下書きに大量に一段落書いた小説が放置してある。話の着地点は思いついてるけどそこにたどり着くまでが面倒。なんでもそうでしょうけどね。

大学卒業するまでに小さくていいからなにかやってみたいな。
そう思いながら今日もYoutubeであの人の演劇をみている。

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