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アニメーターは何故食えないといわれるのか?

知り合いの元アニメ関係者との話の中で、アニメーターが何故食えないのか?という話になった。
まあ、簡単に言えば、作画単価が安いからだ。
何故、安いのかと言われれば制作費で単価計算上出てきた金額だからだ。
しかし、昔はこの単価でも十分に成り立った。食えなくなったのは深夜アニメが始まった頃から。
以前はテレビ局とスポンサーが制作費を出して、制作していた頃はあくまで子供向けでスポンサーのおもちゃなどの宣伝の為だ。
で、一度放送されれば終わりで人気が出ても再放送される程度。ビデオなどに録画する事を前提にしていない。
なので、作画クオリティはそれほど重要性を持っていない。大事なのはおもちゃや商品を欲しいと思わせる演出だ。
それ以外はとにかく形になっていれば許された時代。しかし、深夜アニメが始まった頃はビデオやDVDなどに収益を上げる前提。
そうなれば作品自体が商品である、で、あれば作画や派手なアクションが重要になってくる。
それが作品の売りに繋がる。で、あれば本来、作画単価が上がっていくはずなのだが、初期の頃はテレビアニメと単価は変わらず
制作費を出す製作委員会となるものが、売れる作画を求めてくる、それが作画クオリティが繊細になるばかり。
テレビ時代は1日に100枚以上描けていたモノが、深夜アニメでは10枚あげられるかどうかである。
これが食えなくなった、最大の理由だ。また、作画が繊細になればなるほど、作画演出が低下していく。
そうなれば、テレビアニメ時代のアニメーターは時代に合わせた作画クオリティが出来ず引退していくだけであった。
すると、ますます新人アニメーターばかりになり、作品によっては1日に数枚しか描けない事になり、ますます食えなくなっていく。
最近、クオリティアップの為に制作費は上昇してはいるが、作画スピードとアニメーターの技量が全く追いついていない。
結果、アニメーターの環境改善に繋がらないのだ。
アニメーターは食えない、その情報がメディアでネタにされ、アニメは人気であってもなり手が減っていってはアニメの未来に明日はない。
これでいいのかと思う。

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