女子たちにモテモテな姉は、家では大好きな弟くんにおねだりばかり。
ー△△△事務所ー
記者:ええと、では最後にこれからこの雑誌を読んでくださる読者さんたちに向けて一言お願いします。
瑞穂:はい。今月号の表紙一面を担当させて頂きました、土生瑞穂です。え〜、今回は春らしさをイメージしたコーデにしてみました。新生活が始まる方も多いかと思いますので、ぜひこの機会に私のコーデを女性の皆さんにはもちろん、今回はメンズ風のも担当しましたので男性の方にも参考にしてもらえたら嬉しい限りです。
瑞穂:お洒落するの苦手だなと思っていた方にも楽しんでもらえるような、そんなコンセプトにもなっていますので是非。
記者:はい、ありがとうございます!
桜通信社の記者さんからのインタビューを終えて、記者さんを事務所入口までマネージャーさんとお見送りした。
マネージャー:いや〜、お疲れ様土生ちゃん。
瑞穂:お疲れ様です。
マネージャー:今さっきアプリでタクシー呼んどいたから、少し待っててね。
瑞穂:ありがとうございます。
マネージャー:今月は特に大変だったから、ゆっくり休むんだよ?
瑞穂:そうですね、でもお仕事楽しいですから大丈夫ですよ。
マネージャー:そっか、でも無理はしないでね。
瑞穂:はい。
少しして、タクシーが到着した事務所入口に向かうと、
「土生さーーん!!!」
出待ちをしていた大量の女性ファンたちがいた。
「大好きでーーす!!」
「今日もモデルのお仕事でしたかー!?」
「この後、どちらにー?」
マネージャー:すいません、道を開けてください!
近くにいた警備員さんたちとマネージャーさんで、道を開けてもらいタクシーに向かって進んだ。
瑞穂:皆さん、お寒い中お待ちいただきありがとうございます。
瑞穂:来月イベントがありますので、その時またお会いしましょう。
「はい、もちろんです!」
「土生さん、素敵ーー!!」
ファンたちに向けて、一応の挨拶を済ませてタクシーに乗り込んだ。
自宅付近までタクシーで送ってもらい、タクシーの運転手さんに運賃を支払ってお礼を言ってタクシーから降りた。
瑞穂:く〜、愛しの我が家だー!
ウキウキしながら、家の玄関を開けて中に入った。
なぜなら…
ー自宅内ー
〇〇:あ、姉ちゃんおかえり〜
爽やかな笑顔で迎えてくれる可愛い弟がいるからだ。
瑞穂:ただいまーッ
エプロンをつけていたから、多分料理中だったのかな?
ギュッ
〇〇:うわ。
瑞穂:んふふ♪
キッチンに戻ろうとする愛しの弟に、バックハグをしちゃいます。
〇〇:今日も疲れた?
瑞穂:うん、でも大丈夫。
〇〇:そっか。
瑞穂:あれ?今日は、引き離さないんだね?
〇〇:ああ、ごめん。
〇〇:姉ちゃんの香水、良い匂いだなって…
瑞穂:そう?
〇〇:う、うん…
顔を赤くして言うこの一言、姉としては堪らないです!
瑞穂:ごめんね、料理中だったよね?
〇〇:あ、うん。
〇〇:今ね、チゲ鍋の準備しているよ。
瑞穂:わーい!
〇〇:ふふ、喜ぶと思った。
流石、我が弟。姉ちゃんが辛い鍋物が好きなのを知って用意してくれたみたいだ。
荷物を部屋に置いてきて、部屋着に着替えてからリビングに向かうと、テーブルに私が表紙に載った雑誌が置かれていた。
瑞穂:(もう買ってくれてたんだ!)
姉、クスッと笑みが溢れてしまいます。
〇〇:姉ちゃーん、準備出来たよ〜
瑞穂:はーい!
さてさて、〇〇の愛情こもった手料理を食べるとしましょうか!
瑞穂:いただきまーす。
〇〇:いただきます。
チゲ鍋がグツグツと煮たつ様子が、食欲をそそりますね〜
瑞穂:ん、ふまい!
熱々のキムチとお肉が、これまた堪らないんですわ〜
〇〇:ふふ、良かった。
瑞穂:〇〇って、本当料理上手だよね。
〇〇:そう?今日は野菜とか切るだけだったから、簡単な方だけどね。
〇〇:でも、ありがとう。
あ〜、なんですか!?
この爽やかな表情は!?
姉、堪えられず飛びつきそうです!
瑞穂:今日も大学だったの?
話題を変えて、なんとか理性を保つことに…
〇〇:うん、3限までね。
瑞穂:大変?大学は?
〇〇:まぁ〜、そこそこかな。
〇〇:でも今日、2限の教授がさドジして爆笑してた。
瑞穂:え、何があったの?
〇〇:あのね…
数分後…
瑞穂:ぶふっ、それはヤバいって笑
〇〇:でしょ?笑
瑞穂:うん。
〇〇:と、そんな感じかな今日は。
〇〇:姉ちゃんは、今日はどんなお仕事だった?
瑞穂:えっと…午前中に撮影して、午後に雑誌のインタビューを受けたよ。
〇〇:そっか、大変だったね。
瑞穂:なんの、これしき。
と言うと、
〇〇:姉ちゃん、やっぱカッコいいな…
瑞穂:そ、そう?
〇〇:うん。世界一。
弟から、最上級のお褒めの言葉をいただきました。
瑞穂:ふふ、姉ちゃん嬉しいよ!
とうとう我慢出来ず、席を立ち〇〇の首に抱きつきに行ってしまいました。
〇〇:わ!姉ちゃん。
瑞穂:しゅき。
〇〇:もう〜笑
ちょっと嫌がる素振りを見せながら、姉からのハグをしっかり受け止めてくれるのが、またキュンキュンしてしまうんです…
瑞穂:ふ〜、スッキリ。
風呂から上がり、部屋着に着替えてリビングに行くと弟がソファーでスマホをいじっていました。
瑞穂:ふぁ〜
〇〇:ん?どした姉ちゃん?
瑞穂:眠くなっちゃった。
〇〇の隣に座り、そして…
〇〇:え?
瑞穂:膝枕、して?
上目遣いで〇〇に頼み込む姉。
〇〇:ふふ、良いよ。
優しい弟は、こんなわがままもサラッと受けてくれます。
瑞穂:ありがと♪
〇〇:いつも、お仕事頑張ってるもんね。
瑞穂:えへへ。
姉、恥も外聞も無く弟にデレデレしてます。
瑞穂:あ、〇〇ー?
〇〇:何?
瑞穂:今度の木曜さ、オフなんだ私。
〇〇:うん。
瑞穂:〇〇って、大学ある?
〇〇:あ、大学は無いけど…バイトなんだよね。
瑞穂:ああ、そっか。
〇〇:ごめんね。
瑞穂:ううん、大丈夫だよ。
折角ならと、弟とお出かけをしたかったのですが、残念…
(スマホの着信音)
〇〇:あ、店長。もしもし。
ん?バイト先と電話かな?
数分後…
〇〇:姉ちゃん?
瑞穂:何?
〇〇:今度の木曜、バイトのシフト変わって休みになったよ。
瑞穂:本当?
〇〇:うん。
瑞穂:いぇーい!
店長さん、感謝します!
〇〇:どこ行こっか?
瑞穂:んふふ、どこにしよっかね?
〇〇:姉ちゃんが行きたいところで良いよ。
瑞穂:じゃあさ、最近オープンしたハンバーガー屋さん行かない?
〇〇:あー、あれね!
〇〇:でっかい肉のタワーの。
瑞穂:そそっ!
〇〇:僕も行きたいと思ってたよ。
瑞穂:じゃ、決まりだね。
〇〇:うん!
弟とのデートが決まり、姉テンションが上がりまくってます。
瑞穂:〇〇〜
〇〇:何?
瑞穂:一緒に寝よ?
〇〇:え?
瑞穂:ダメ?
〇〇:んー、仕方ないな〜
瑞穂:ふふ、ありがと♪
〇〇:外じゃ、イケメンなモデルさんなのに…
〇〇:家じゃ、甘えん坊さんだね。
瑞穂:良いじゃん!
姉、今日も〇〇にお願いばかりしていました。
fin.
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