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弟大好き姉さんとの朝のルーティン


〇〇:姉ちゃん、ダメだって。

祐希:なんで〜、まだ寝てようよ〇〇〜

〇〇:遅刻しちゃうって。

祐希:分かった、あと5分だけ〜

〇〇:それ、さっきも言った…

祐希:良いじゃん、ふぁ〜



両親が海外に出張して以来、毎朝こんな風に姉にベッドに引き込まれていた。


〇〇:姉ちゃん、5分経った。

祐希:うそ〜、姉ちゃん騙されないぞ〜

〇〇:うわぁ、ちょっ…何すんの⁉️

祐希:ふふ、姉ちゃん騙そうとしたバツ〜♪

と言いながら、姉が全身で抱きついてきた。


〇〇:ちょっとはなし…

祐希:んふふ、だめ〜♪

〇〇:いやダメじゃないの、姉ちゃん。

このままでは埒が開かないと思ったので、ある提案をした。


〇〇:あ〜あ、フレンチトースト作りたいけどこれじゃ作れないな〜

祐希:え、作ってくれるの?

〇〇:うん、だから離れてくれる?

祐希:うんうん!

こう言った瞬間、すぐ姉は解放してくれた。


その後、姉も一緒に作りたいからとキッチンに2人で向かう。

祐希:ほい。

僕が食パンを切っている間に、姉が牛乳や卵・砂糖をボウルに入れて混ぜてくれていた。

〇〇:あ、ありがとう姉ちゃん。

祐希:どーいたしまして。



フレンチトーストが出来上がると、部屋に甘い香りが漂った。

祐希:ん〜、美味しそうに出来上がったね。

〇〇:うん、姉ちゃんと一緒に作ったフレンチトーストだからね。

祐希:く〜、〇〇大好き!!!

ぎゅっ

〇〇:うわ!?(しまった、つい癖で言っちゃった…)

またもや、姉に捕まってしまった。


祐希:は〜、〇〇から甘い匂いがする〜

〇〇:いや、それ多分フレンチトースト…

祐希:んふふ、あったかい。

〇〇:ちょっと、これじゃ俺食べられないから…

祐希:大丈夫、姉ちゃんが〇〇に食べさせてあげるから♪

〇〇:いや良いって…

しかし、姉がフレンチトーストを取ろうと片方の腕を離した瞬間に、スッと抜けて姉の拘束から逃れた。


祐希:あー、こらっ。姉ちゃんから離れちゃダメだぞ〜

〇〇:ダメじゃないの。もう俺、小さい子どもじゃないんだから。

祐希:ぷ〜、生意気になって〜

懲りずにまた俺に抱きつこうと姉が接近してきた瞬間、

(スマホの着信音)

〇〇:あ、姉ちゃん電話。

祐希:なぬ。

諦めて姉はスマホを取り、電話に出た。


七瀬:おはよ〜、祐希。

祐希:お、おはようございます…先輩。

七瀬:今日、サークルのミーティングあるから早めに来てな〜

祐希:はっ、そうだった…

七瀬:なぬ、忘れとったん??

祐希:い、いや…覚えてましたよ!ちゃんと…

七瀬:ま、ええわ。ほな、宜しくな。

祐希:はい、もちろんです。

七瀬:あと、〇〇くんにあまり迷惑かけんときーや。

祐希:へ??な、なんで〇〇が出てくるんですか??

七瀬:祐希のことや、どうせ今〇〇くんとハグしとるんやろ?笑

祐希:ち、違いますって!!

七瀬:そんなんじゃ、彼氏出来へんよ。

祐希:べ、別に彼氏いりませんもん!!

七瀬:ふふ、ほなあとでな。

姉が大学の先輩の西野さんとの通話を終え、少し拗ねていた。


祐希:もう、七瀬先輩のいじわる〜

〇〇:まぁ〜まぁ〜、とにかく食べよ?

祐希:うん、そうだね。

〇〇:いただきまーす。

祐希:いただきまーす。

〇〇:ちょっと冷めちゃったね…

祐希:だいじょーぶ、美味しいから!

〇〇:そっか、なら良かった。

祐希:うん。

〇〇:ねぇ姉ちゃん、好きな人とかいないの?

祐希:え、そりゃ〜もちろん〇〇だよ!

フレンチトーストを頬張りながら、ニコニコ顔な姉が言う。

〇〇:ずこっ…いやいや、だから俺以外で!

祐希:え〜、〇〇以外にいないよ〜

〇〇:本当に言っている?

祐希:うん。

〇〇:いやほらさ、大学とかにいないの?気になる人とか。

祐希:う〜ん、いない…

〇〇:マジか…

祐希:いや、姉ちゃんもたまに大学の男の子と一緒にご飯食べに行ったりするんだけど、なんかピンと来ないんだよね…

〇〇:そっか…

姉も姉なりに努力しているが、タイプの人が見つからず困っていたようだ。



祐希:私思うんだよね…

〇〇:何を?

祐希:私が彼氏出来ないのは…

〇〇:うん。

祐希:〇〇が可愛い過ぎるから。

〇〇:はい???

祐希:だって〇〇は毎日ハグしてくれるし、姉ちゃんのことよく褒めてくれるし。あと料理美味しいし。

〇〇:いやほとんど姉ちゃんが強引に…ってか最後のは違うんじゃ…

祐希:だから、〇〇みたいな人が現れないと姉ちゃん彼氏出来ない!

〇〇:いやいや、俺なんかより魅力的な男の人はいるよ!きっと。

祐希:いや、いない!こんな美味しいフレンチトーストは〇〇しか作れない!

パクッ

勢いよくフレンチトーストを食べた姉の鼻に、生クリームがついた。

〇〇:あ。

祐希:ん?

あどけない顔をする姉の鼻から、クリームを取ってあげた。

〇〇:クリーム付いてたから取ったよ。

祐希:あ、ごめん。


〇〇:ふふ。

祐希:ん?なんで笑ったの?

〇〇:いや、姉ちゃんって子どもっぽいところあるなって。

祐希:な、馬鹿にしたな?

〇〇:わ、しまった…

祐希:くすぐりの刑だあー‼️




姉の動きが素早くまたもや捕まってしまった。


〇〇:あひゃひゃひゃっ‼️ちょっ、やめてー

祐希:生意気なこと言う悪い子にはお仕置きだよ〜♪

〇〇:やめ、あひゃひゃひゃっ‼️

祐希:んふふ、やめて欲しい?

〇〇:はい…もう言いませんから…

祐希:ふふ、宜しい。

なんとか、くすぐりの刑から解放された。


〇〇:はぁ…はぁ…

祐希:はい。

〇〇:ん?

祐希:姉ちゃんの分、分けてあげる。

〇〇:いや、良いよ。

祐希:ダメです。これはお姉ちゃんからの命令です。

〇〇:え…

祐希:はい、あーん。

〇〇:あ、あーん…

パクッ

祐希:ふふ、やっぱり〇〇可愛いな〜

〇〇:もう…


食べ終わって、身支度を整えて二人で家を出た。


祐希:う〜、寒い…

〇〇:寒いね。

ぎゅっ

祐希:んふふ、〇〇あったかい。

〇〇:もう、姉ちゃんってば笑

祐希:やっぱり〇〇と一緒が1番だな〜

〇〇:やれやれ…まっ、良いか。


そのまま姉にくっつかれたまま、駅まで歩いていった。


両親がいない間は、朝は毎回こんな風に姉に振り回されているのだ。


もちろん帰ってからも…


fin.

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