鍋パを上司の飛鳥さんとしたら、2人とも良い感じになった…とさ
〜〇〇の家〜
〇〇:うぶ…さっむ‼️
目が覚めて布団から出ると、冷凍庫にいるのかと思うくらいの寒さで僕はすぐ布団に逃げ込んだ。
〇〇:は〜、あったかい…ってか出たくない。
今日が今年の最後の出社日。
頑張って支度して会社に行かないとだが、寒さが邪魔して中々布団から出られない。
〇〇:でも暖房はつけたくないんだよな…乾燥するし。
はぁ〜、今度ホットカーペットでも買おうかなと思いながらスマホを起動してホーム画面を開く。
「12月23日 1件予定が入っています」
ホーム画面のロックを解除してカレンダーの通知をタップする。
「夜 飛鳥さんのお家で鍋パ」
〇〇:ふふ。
画面を見ながら僕はニヤけていた。今日頑張ったら、大好きな飛鳥さんの家で鍋パしてプレゼント渡すんだ。
〇〇:よし、頑張って出よう!
バサッ
〇〇:うぶぶ…ひ、ひ、ひぇくしょん‼️
豪快なくしゃみが部屋に響き渡った。
〜飛鳥の家〜
飛鳥:はぁ…無理無理❗️寒過ぎ‼️
布団にくるまって、私は寒さから身を守った。
飛鳥:本当、冬のこの寒さはなんですか⁉️
私を〇す気か?などと思いながら、スマホを起動した。
ホーム画面を見ると通知の表示がされていた。
「夜 〇〇くんと私の家で鍋パ」
飛鳥:んふふ♪
今日が最後の出社日。それが終わったら、大好きな〇〇くんとの鍋パです。そして、〇〇くんにプレゼントしちゃいます。
〇〇くんにLINEでメッセージを送った。
「おはよう、〇〇くん」
「今日、鍋パ楽しみだね」
飛鳥:送信ッと。よし頑張るぞー、飛鳥ちゃん!
バサッ
飛鳥:ひぃぃ〜、ふ、ふ、ふぇくしょん‼️
豪快なくしゃみが部屋に響き渡ってしまった。
支度を整えた僕のスマホに通知が来た。
飛L:おはよう、〇〇くん。
飛L:今日、鍋パ楽しみだね。
〇〇:飛鳥さんからだ。
嬉しくて、すぐに返信した。
〇L:おはようございます、飛鳥さん。
〇L:はい、鍋パすっごく楽しみです。
それから、キャラクターのスタンプを送った。
〇〇:さて、出ますか。
家の玄関のドアを開けると、外の冷たい空気が肌に触れた。
〇〇:ひぃ〜、寒ッ!
僕の勤めている会社が入ったビルに着くと、飛鳥さんが先にいた。
飛鳥:あ、〇〇くんおはよう。
〇〇:おはようございます、飛鳥さん。
飛鳥:今日寒いね。
〇〇:そうですね。一回起きたけど、もう寒過ぎて布団の中に暫く避難しちゃいました。
飛鳥:分かる〜、布団から出たら地獄みたいに寒くて、で布団に戻ったら天国みたいにあったかいからさ〜笑
〇〇:ですよね笑。今日くらいリモートで良いのにとか思ったりしちゃいました。
飛鳥:本当だよね!リモートにしたら、皆んなあったかい布団にくるまって会議できるのに〜
〇〇:良いですね。片手にコーヒー持って、のんびりと…って、上司に言うことじゃないですよね笑
飛鳥:あはは、確かに笑
エレベーターに二人で乗り、僕が会社のある階のボタンを押した。
飛鳥:今日さ鍋パーティーするけど、具何が良いとかある?
〇〇:えっと、まぁベタですけど豚肉は欲しいですかね?
飛鳥:うんうん。
〇〇:あ、でもこの前飛鳥さんあんこう鍋食べたいって言ってましたよね?
飛鳥:あ、うん。だからこの前にネットで注文して買ったんだ。昨日、届いたから家にもうあるよ。
〇〇:そうですか、準備が早いですね。
飛鳥:でも、もつも食べたいからな〜。
飛鳥:う〜ん。
〇〇:じゃ、いっそ全部やっちゃいましょう。
飛鳥:それで良いか!
飛鳥:うん、そうしよう。
そして、エレベーターが止まりドアが開いて僕と飛鳥さんが降りた。
飛鳥:じゃ、最終日頑張ってこうね!
〇〇:はい、もちろんです!
最初にこの会社に入った時から、飛鳥さんは面倒見の良い人だな〜とは思っていたが、まさかここまでの関係に発展するとは思ってもいなかった。
無事年末の会議を終え、私は〇〇くんと一緒に会社を出た。
飛鳥:〇〇くん、このまま私の家に行く?
〇〇:えっ、まぁそうですね。そのつもりでした。
飛鳥:でも、着替えとか持ってないよね?
〇〇:着替え、持ってないですけど…
飛鳥:良かったら、今日私の家に泊まらない?
〇〇:え、良いんですか?
飛鳥:もちろん、だって私たち恋人同士だよ?
〇〇:そ、それはもちろん…
ちょっと迷っている〇〇くんが可愛かった。
〇〇:じゃあ、急いで着替え取ってきますね。
飛鳥:うん。気をつけてね〜
〇〇くんと手を振り、一旦お別れをした。
飛鳥:よし、これで〇〇くんとクリスマス過ごせる!!
飛鳥さん、心の中でガッツポーズ決めてます。
急いで家に戻った僕は着替えて泊まる用の服とかをリュックに詰め準備して、飛鳥さんにプレゼントするネックレスの入った紙袋を持ち家を出た。
電車を使って、飛鳥さんの家の最寄り駅まで向かった。
「あと5分で、乃木山駅に着きます。」
飛鳥さんの最寄りの駅にあと少しで着くと連絡を入れた。
〇〇:ふ〜、なんとかそこまで待たせなくて済むかな。
(スマホの通知音)
飛L:オッケー、待ってるね。
飛鳥さんから、返信が来た。
〇〇:(飛鳥さん、喜んでくれるかな)
飛鳥さんにプレゼントするネックレスの入った紙袋を見ながら思った。
そして、飛鳥さんの家に着いた。
インターホンを鳴らすと、飛鳥さんが出迎えてくれた。
飛鳥:お、早いね〇〇くん!
〇〇:そりゃ、飛鳥さんを待たせるわけにはいきませんから。
飛鳥:ふふ、ありがと。
靴を脱いで玄関を上がり、飛鳥さんに招かれた。
荷物をリビングに置いて洗面所で手を洗い、飛鳥さんと一緒に鍋の準備をした。
こたつの上に鍋が置かれ、僕は缶ビールを開け飛鳥さんと僕のグラスにビールを注いだ。
飛鳥:ん〜、良い音。
〇〇:お鍋にビール、最高ですよね。
飛鳥:間違いないね。
ビールを注ぎ終わり、僕と飛鳥さんで乾杯した。
〇〇・飛鳥:乾杯〜!
喉をビールが通る音が響く。
飛鳥:ぷは〜、染みる〜
〇〇:く〜。最高ですね!
飛鳥:先ずは、あんこう鍋から〜
〇〇:僕、よそいますよ。
飛鳥:ありがとう〜
二人分、鍋からあんこうの身と野菜をよそった。
飛鳥:ん〜、めっちゃ肉厚で美味しい!!
〇〇:本当ですね!皮もぷるんっとしてて美味しいです。
飛鳥:ね〜、皮も良いよね。
〇〇:あんこう鍋、初めて食べたんですけどこんなに美味しいなんて。
飛鳥:実は私も初めてなんだ〜
〇〇:あれ?そうなんですか。じゃあ良かったですね!
飛鳥:うん。
そのあと別の鍋を持ってきて、それでもつ鍋を食べた。
飛鳥:ふふ、このグツグツ鳴っている音好きなんだ。
〇〇:へ〜、そうなんですね。でもなんか良いですよね、ASMRでもこういう音とかありそうですし。
飛鳥:え?〇〇くんもASMR聞いたりするの?
〇〇:時々聞きますよ、りんごの咀嚼音とか。
飛鳥:へ〜、私もASMR聞くよ〜
〇〇:飛鳥さん、何聞くんですか?
飛鳥:え、〇〇くんと同じように咀嚼音系とか、あとは料理しているときの音系とか。なんか落ち着くんだよね〜
〇〇:わかります。なんかずっと聞いてられますよね。笑
飛鳥:だよね〜笑
〇〇:あ、そうだ!飛鳥さんに渡したい物が。
飛鳥:え、なになに??
〇〇:ちょっと待っててくださいね。
飛鳥:うん。
鍋パが楽しすぎてすっかり忘れそうになってた飛鳥さんへのプレゼントを思い出し、こたつから出て僕はリビングに置いた紙袋をとってきた。
〇〇:あの、飛鳥さんにこれを。
飛鳥:ありがとう。
〇〇:中に入っている箱、開けてみてください。
飛鳥:うん。
飛鳥さんが箱を取り出し、蓋を開けた。
飛鳥:え、これ前に私が…
〇〇:僕からのクリスマスプレゼントです。飛鳥さんが前に欲しいって言ってたネックレスを。
飛鳥:覚えててくれたんだ、ありがとう〜!!
満面の笑みで飛鳥さんが喜んでくれた。
〇〇:で、僕も…
後ろに隠していた箱から、飛鳥さんにプレゼントしたネックレスと同じのを取り出す。
飛鳥:あ、もしかしてお揃いで??
〇〇:はい、僕もつけたくて。
飛鳥:良いじゃん、良いじゃん!!
飛鳥さんが僕の元に寄って、ネックレスを見せ合い二人でニヤニヤしていた。
飛鳥:じゃあ、私からもね。
〇〇:え?
ふふ、〇〇くん。君だけじゃないのよ。
私も持ってきたのだ〜
飛鳥:じゃ〜ん。はい、これ!
〇〇:え、ありがとうございます。
飛鳥:開けてみて。
袋から〇〇くんが取り出す。
〇〇:これ、前に僕が言ってた…
飛鳥:そうだよ〜私からのクリスマスプレゼントは、〇〇くんが欲しいって言ってたパーカーです。
〇〇:ありがとうございます!!
良かった〜、〇〇くんが喜んでくれて。
でも、それだけじゃないです。
飛鳥:でね、私も…
後ろに隠していた袋から、〇〇くんにプレゼントしたのと同じパーカーを取り出した。
〇〇:あ、もしかしてペアルックですか??
飛鳥:そうなの!〇〇くんと一緒に着たいなって思ってさ。
〇〇:え、良いじゃないですか!!じゃ、今一緒に。
飛鳥:うん、着よ!
少しして、私と〇〇くんはパーカーでペアルックになって、お揃いのネックレスを首から下げた。
〇〇:飛鳥さん、めっちゃ可愛いです。
飛鳥:えへへ、ありがとう。お揃いだから、〇〇くんも可愛いよ。
〇〇:え、あ、ありがとうございます。
照れてる〇〇くんが可愛すぎて、思わず後ろからハグをしちゃった。
〇〇:うわ!?
飛鳥:ふふ〜ん。びっくりした?
〇〇:はい。
飛鳥:〇〇くんが大好きだから、しちゃった。
〇〇:僕も…、飛鳥さんが大好きです。
それから、お揃いコーデになった〇〇と飛鳥で写真を撮ってから、鍋パの続きをしていた。
お酒も進み、気がつくと二人して肩を寄せ合いながら寝てしまった。
今年のクリスマスは、〇〇と飛鳥二人にとって特別な日になった…とさ。
fin.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?