美人な従姉妹2人に取り合いされている話。
春休みに入って、〇〇たち家族は親戚の家に遊びに行くことになった。
その親戚とは、〇〇の父方のお兄さんの家族で、娘が2人いる。
姉の方は飛鳥、妹の方は蓮加という名前で、
姉妹仲良しで、前は〇〇もよく2人と一緒に遊んだりしていた。
けれど、この前〇〇が2人と会った時から、
2人は〇〇を取り合うようになった。
飛鳥:久しぶりー、〇〇くん!
蓮加:会いたかったよー、〇〇くん!
〇〇:久しぶり、あす姉!蓮加!
2人との再会で、〇〇は嬉しくなって笑みを溢していた。
蓮加:〇〇くん、あのさ…
蓮加が前に出て〇〇に寄ろうとするのを、飛鳥が阻む。
飛鳥:あんたはダメ。
蓮加:むぅー!
飛鳥:〇〇くん?
〇〇:ん、どうしたのあす姉?
飛鳥:今からさ、一緒に出かけない?
〇〇:え、今から?
飛鳥:あ、〇〇くんのお母さんたちからは許可もらっているから、あとは〇〇くん次第だよ。
〇〇:うーん、じゃあ行く。
飛鳥:おっけー。
蓮加:抜け駆けズルいー❗️
飛鳥の話を聞いていた蓮加が、頬を膨らませて怒っていた。
蓮加:蓮加も、〇〇くんと一緒に行きたいー!
飛鳥とは反対側にまわって蓮加は〇〇の腕に抱きついた。
〇〇:じゃあ、蓮加も行こうよ。
蓮加:わーい、〇〇くんは優しいな〜
飛鳥:蓮加、宿題終わってないでしょ?
蓮加:あっ…
飛鳥:お母さんに怒られるぞ〜
呆気に取られた蓮加を〇〇から引き離した飛鳥は、〇〇の腕に掴まる。
蓮加:ぷぅーッ、せこいあす姉は!
飛鳥:せこくないし、私はもう課題終わらせたもん。
飛鳥:んじゃ、行こっか〇〇くん。
〇〇:あ、うん。
蓮加:あす姉、恨むからな?
〇〇:蓮加、宿題頑張れよ〜
蓮加:う、うん!
蓮加:あ、明日は蓮加と行こうよー。
〇〇:良いよー、もちろん。
蓮加:やったー!
飛鳥と出かけた〇〇は、カフェに入ってお茶をしていた。
飛鳥:あ、鼻についてるよ。
〇〇:え、あ…ごめん。
〇〇がカフェ・オ・レを飲んで鼻についた泡を、飛鳥がティッシュで拭き取る。
飛鳥:あざといね、〇〇くん。
〇〇:え、いやそんなんじゃないって!
飛鳥:ふふ、冗談だって。
〇〇:(あす姉、綺麗になったな〜)
飛鳥:ん?どうした?
〇〇:え、ああ、いやぁ…なんでもないよ。
誤魔化すように、〇〇はカフェ・オ・レを飲んだ。
カフェを出た2人は、街のあちこちを散歩していた。
飛鳥:♪
〇〇:あす姉、楽しそうだね。
飛鳥:そりゃ〜、そうだよ。
飛鳥:〇〇くんとこうして、一緒に散歩してるから。
〇〇:そっか。
暫く歩くと、噴水の側に2人は辿り着いた。
〇〇:綺麗、だね。
飛鳥:ふふ、ね。
〇〇:あす姉。
飛鳥:何?
〇〇:俺もね、楽しいよ。一緒にこうしていられて。
飛鳥:んふ、嬉しいよ。
〇〇:うん、なんかこう大人っぽいお出かけも良いよね。
飛鳥:また一緒にこうしたいね。
〇〇:うん。
飛鳥:そろそろ帰らなきゃだね。
〇〇:あ、もう暗いしそうだね。
ギュッ
〇〇:え?
飛鳥:手、繋ご?
帰りに飛鳥に手を繋ながれた〇〇は、心臓がドキドキしていた。
〇〇と飛鳥が、飛鳥たちの家付近まで戻ると、蓮加が家の前に立って待っていた。
蓮加:おかえり〜〇〇くん!
ギュッ
〇〇:ただいま、蓮加。
蓮加:うん♪
飛鳥:おい、私の〇〇くんだぞ?
蓮加:いいや、私の〇〇くん!
飛鳥に構わず、蓮加は〇〇の腕に抱きついた。
蓮加:あす姉はさっきまで〇〇くんと一緒にいたんだから良いじゃん。
〇〇:あのさ…とりあえず家に入ろうよ。
蓮加:ああ、ごめん!入ろっか。
飛鳥:そうだね。(おい、離れろ!)
蓮加:(いやですぅ〜笑笑)
口パクで口論する姉妹だった。
夕食を食べて風呂に入った〇〇と飛鳥、蓮加は、リビングで寛いでいた。
蓮加:〇〇くん、一緒に私の部屋で寝ようよ。
〇〇:え?
飛鳥:うわー、自分から言うとか引くわ…
蓮加:何よ、あす姉だって誘おうとか考えてたクセに。
飛鳥:ふん、甘いね蓮加は。こういうのは自分から言わないの。
〇〇:??
飛鳥:ね〜、〇〇くん?
飛鳥はニコニコしながら、〇〇を見つめた。
〇〇:何、そんな笑って…
蓮加:〇〇くん、耳貸して。
〇〇:え?
蓮加:あす姉は、〇〇くんから一緒に寝たいって言わせるつもりよ(小声で)
〇〇:えぇ…💦
飛鳥:ちょっと、何余計なこと吹き込んでいるのよ?
蓮加:別に〜。
蓮加:けど〇〇くん、引いてるよ〜笑
飛鳥:な、蓮加ー!
蓮加:うぇ〜い。
飛鳥・蓮加の母:騒がしいわ、アンタたち。
飛鳥・蓮加の母:もう3人で仲良く和室で寝なさいよ。
飛鳥:あっ。
蓮加:あっ。
飛鳥・蓮加:それで良いか。
そんなこんなで、3人で和室に布団を敷いて寝ることにした。
蓮加:〇〇くん。
〇〇:何?
蓮加:明日、楽しみだね。
〇〇:うん、そうだね。一緒に出かけるの。
蓮加:ね、どこ行こうか?
飛鳥:どうせゲーセンとかでしょ?
蓮加:な、ち、違うし!
飛鳥:本当かな〜?
蓮加:本当だもん!
飛鳥:ま、良いけど。
蓮加:何よ、そういうあす姉は今日〇〇くんとどこに行ったのよ。
飛鳥:え〜、秘密。
蓮加:教えろ、この雌ギツネ。
飛鳥:んだと?
〇〇:ごめん2人とも。
飛鳥・蓮加:ん?
〇〇:もう寝るから、静かにしてくれる?
飛鳥・蓮加:あ、はい…
〇〇:じゃ、おやすみ…
〇〇:zzz
飛鳥と蓮加に挟まれたまま、〇〇は眠りについた。
飛鳥:本当に…
蓮加:寝ちゃった…
2人に挟まれながら、〇〇は寝返りを何度か打っていた。
飛鳥:(やだ、〇〇くんの寝顔…)
蓮加:(可愛い過ぎる❗️)
2人して、〇〇の寝顔にキュン死にかけていた。
そして、
ギュッ
蓮加:(ふふ、〇〇くんあったかい♪)
飛鳥:(ずっと、こうしてたいな♪)
両腕に抱きつかれ、2人から微笑んで見つめられていることなど、眠っている〇〇には知る由も無かった。
fin.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?