クリスマスが近くなり、ウキウキなのは僕だけと思ったら飛鳥さんも一緒だった…とさ
〇〇:もう12月か…
例年より温暖なせいで、12月ということも忘れていた。
〇〇:ついこの前、ハロウィンだったのにもうクリスマスか…
ハロウィンといえば、まぁすっごく恥ずかしい思いをしたのが記憶に新しい。
10/31
飛鳥:あはは、やっぱり似合っているよ!
〇〇:いや無理無理無理、無理ですぅうう‼️
飛鳥さんがくじ引きで社内イベントでコスプレをすることになり、その時にこのメイド姿を着ることを僕と一緒に決めたのだが、何故か僕までその同じ衣装を着る羽目に…
〇〇:絶対、皆んなにドン引かれます…
飛鳥:大丈夫だって、イベントでやるだけなんだから。
〇〇:明日から会社行けなくなります…
飛鳥:なんか言ってくるやつは、私がボコボコにしてやるから!
〇〇:いや、そこまでしなくても…
時間が来てしまったので、諦めてそのままイベント会場に登場した。
結果的には、飛鳥さんとペアでメイド姿になったことでイベントは盛り上がり、同僚たちからも「お前、ノリ良いんだな」と感心され、なんだかんだ上手くはいったものの、生涯の黒歴史確定は間違いなかった…
〇〇:って、この前のことはいいんだ!それより、飛鳥さんにクリスマスプレゼント買わないと!
僕が入った店はこの前に飛鳥さんと一緒に仕事帰りに通りかかったことがあり、その時に、
飛鳥:あのネックレス可愛いな〜
と飛鳥さんが呟いていたのだ。
店に入って、僕はその目当てのネックレスが置かれている所を探し、見つけると店員さんを呼び、そのネックレスを二人分購入した。
店員:ネックレス、お包み致しますか?
〇〇:あ、じゃあお願いします。
店員:かしこまりました。
店員さんに、飛鳥さんに渡す分をクリスマス仕様にラッピングしてもらった。
そして、店を出て少し歩いた時、
飛鳥:あっ。
〇〇:あっ。
偶然、飛鳥さんに出会ってしまった…
〇〇:あ、飛鳥さん…
飛鳥:仕事終わりに買い物?
〇〇:ああ、そうなんです!あの…
いやいや、待て。
ここで、このネックレス飛鳥さんにプレゼントするためになんて言えないよ!
〇〇:実家に居る母にクリスマスプレゼントを買ってあげようと思って。
飛鳥:へ〜、良いじゃん!偉い、偉い。親孝行だね、〇〇くんは。
〇〇:あはは、そうですかね…(ち、違うんです…飛鳥さん、あなたに…)
〇〇:飛鳥さんはこれからどちらに?
飛鳥:ああ、私もね買い物に行こうと思ってて。
〇〇:もしかして、飛鳥さんもご両親にプレゼントを?
飛鳥:え、ああ…そうそう!そうなの!
〇〇:一緒ですね、僕ら。
飛鳥:あはは、そうだね。
〇〇:じゃあ、また。
飛鳥:うん、また明日ね。
飛鳥さんと別れた僕は、そっと胸をなで下ろした。
〇〇:(あ、っぶない…もう少しでバレちゃう所だった。)
〇〇:(折角のクリスマスプレゼントのサプライズが台無しになるとこだった…)
急いで家に帰ることにした。
飛鳥:(ふ〜、危ない危ない…)
〇〇くんと別れた私は、ほっと一息ついた。
飛鳥:(ちょうど、〇〇くんが買い物終えて帰る所だったから良かったけど…)
飛鳥:(もう少しで、サプライズが台無しになっちゃうとこだった…)
飛鳥は、先ほど〇〇が入った店の2個隣の店に入った。
店に入って、私は目当てのものを見つけると店員を呼んだ。
飛鳥:すいませ〜ん。
店員:はい、どうされましたか。
飛鳥:これを試着したいです。
店員:かしこまりました。どうぞ、こちらへ。
試着室に案内され、私はさっき選んだパーカーを着て、試着室から出て来た。
店員:凄くお似合いですね。
飛鳥:これ、前から気になっていたんです。
店員:このパーカー、人気なんですよ。よくカップルさんたちがペアルックで購入されてますね。
飛鳥:実は、私も…
店員:もしかして彼氏さんと着る予定でしたか。
飛鳥:そうなんです♪
そして、パーカーを2着購入して店を出た。
実は、前に一緒に〇〇くんと帰り道にこの店の前を通ったことがあった。
その時に、〇〇くんが店の前で立ち止まった。
飛鳥:どうした?
〇〇:ああ、すいません急に止まっちゃって。このパーカー、良いな〜って。
飛鳥:え、可愛いこれ!
〇〇:ですよね。
〇〇くんにクリスマスプレゼントを買おうと考えていた時に、そんな会話をしたのを思い出して今日購入した。
飛鳥:(ふふ、早くプレゼントしたいな〜)
翌日
〇〇と飛鳥は、会社で会う度にそわそわしていた。
〇〇:あっ、お、お疲れさまで…す飛鳥さん。
飛鳥:おお、お疲れ…〇〇く…ん。
〇〇:どうか、しました?
飛鳥:いいや…??別になんでもないよ。大丈夫、大丈夫!
〇〇:(う〜、いつ渡そうかな…プレゼント)
昨日買ったネックレスをいつ飛鳥にプレゼントするか悩んでいると、
?:〇〇〜、今度俺ん家でさ焼肉パーティーするんだけど。
〇〇:ああ、行くよ。
?:オッケ〜、じゃあよろしくな。
〇〇:うん。
〇〇:(あ、そうだ。)
同僚との会話で〇〇は思いついた。
〇〇:(家に招待してそこで渡そう。よ〜し)
それから、昼になり飛鳥のところに言って誘おうとした。
〇〇:さて〜と、
デスクから立ち上がって、向きを変えた瞬間、
飛鳥:わっ!?
〇〇:わっ!?
びっくりして、こけた。
飛鳥:だ、大丈夫??
〇〇:へ、平気です笑
飛鳥:そ、そう…なら良かった。
〇〇:はい。あ、なんかご用で?
飛鳥:ああ、あのさ今度よかったら、私の家でパーティーしない?
二人きりで。
〇〇:え、二人きりで?
飛鳥:そう。
〇〇:もちろん行きます!!
飛鳥:オッケー、決まりね。
嬉しそうな顔をしながら、飛鳥さんが去っていった。
〇〇:(いや〜、飛鳥さんありがとう!!!)
これでクリスマスプレゼント渡せます、飛鳥さんに!!
思わずガッツポーズをしてしまった。
飛鳥:♪♪
美波:なんか、ご機嫌ですね飛鳥さん。
飛鳥:ん?そうかな?
美波:ええ。もろ出てますよ、嬉しそうなのが。
飛鳥:そっか〜
飛鳥:(そりゃ〜そうですよ、〇〇くんにこれでプレゼント渡せるんですから)
お互い気づいてませんが、二人ともウキウキです。
完
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