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外では物凄く兄にツンツンで、家では物凄く兄にデレデレな妹ちゃん

ー通学路ー


〇〇:じゃ、あとでな。

天:う、うん…

〇〇:天?

天:良いから。

天:もう行って…

いつも通り、冷たくつけ放された。

〇〇:はいはい。

〇〇:はぁ〜。


これだけならただ兄に対して冷たい妹、ということでまだ理解出来る…

なのに…


ー家ー

天:お兄ちゃーーん!

〇〇:わっ!?


ギュッ

天:は〜、安心する〜

〇〇:俺は抱き枕か!?

天:だって〜、お兄ちゃんにくっついているとなんか落ち着くの。

天:あったかいし、匂いも良いし。

天:んふふふ。


家に帰った途端、まるで別人かのように兄に対して物凄くデレデレになるのだ。


〇〇:天、お願いだから離れて。

天:いやだぁ〜、このままが良い〜

天:♪♪


自分で言うのもなんだが、

妹の天は見た目は凄く可愛いし、その上こんな仕草されたら大抵は即堕ちになると思うのだが、

外と家での態度がこうも違い過ぎると寧ろ怖いくらいだ…


〇〇:天?

天:な〜に、お兄ちゃん?

〇〇:この差、なんとかならない?

天:差って?

〇〇:だから、家と外じゃ全然違うじゃん!

〇〇:俺に対する態度とかさ。

と不満をぶつけると、天が俺から離れてソファーの枕に抱きつき頬を膨らませていた。


天:だって…見られたくないもん。

天:お兄ちゃんに甘えられている姿…

〇〇:それは、まぁ…分かるけど。

〇〇:普通くらいにならない?

天:そんなの、上手く出来ないよ。

天:だって〜

バッ 

〇〇:わっ!?

ギュッ

天:これが普通だもん!


しかし、そんな天も家以外でデレデレになる時がある。




〜休日〜


天:はぁ〜、家でゴロゴロが1番サイコー!

天はソファーに寝そべって、俺は床に座って一緒にあつ森で遊んでいた。

〇母:もう、また2人ともSwitchでずっと遊ぶ気?

天:えー、良いじゃん!

天:それに、ちゃんと宿題は終わらせたよ?

〇母:そういう問題じゃなくて。

〇〇:あ、洗濯物干す?

〇母:それはもう終わったから良いわよ。

〇〇:あ、ありがとう…なんか、ごめん。

〇母:そうじゃなくて、こんな天気良いんだからどっか出かけたら良いのに…勿体無いわよ?

天:え〜、ん〜…

少し不満げな顔をしながら、考える素振りを見せて、

天:あっ!

天:お兄ちゃん。

〇〇:何、天?

天:バッティングセンター行こうよ!

〇〇:ああ、良いよ!

天:やったー!


2人が家でゲームばかりで心配だった母さんは、天と俺がバッティングセンターに行くと聞いて安心していた。


天:いってきまーす!

〇父:お、どこ行くんだ?

天:お兄ちゃんと今からバッティングセンターに行くー

〇父:おお、そっか。

〇母:気をつけてね。〇〇、宜しくね。

〇〇:うん、いってきます。


母さんと父さんに「いってきます」を言って、俺と天はバッティングセンターに出かけた。


<バッティングセンター>

天:うわ〜、久しぶりに来たね!

〇〇:そうだな。

天:今日も打ちまくって、スカッとしてやろ!

〇〇:そう言うけど、この前結構ボロボロだったよね?

天:ぐっ…

天:あ、あれは調子悪かっただけだから!

天:リベンジよ、リベンジ。

天:今日は。

〇〇:そっか、まぁ頑張れ!

天:ふふ、見てろーお兄ちゃん。

天:今日はホームラン打って、惚れさせるからね。


しかし、いざバットを持って打ち始めると、


カキーンッ


〇〇:ふー、出だしは順調。


ピッチングマシーンから飛んできた100キロの球を打ち、こっちは良い感じに飛んでいったが、


ヒュンッ


天:ひぃ!


隣で天が、飛んでくる球にビビッたのか空振りしていた。


〇〇:天、それ何キロ?

天:え、100キロ。

〇〇:天には速すぎない?

天:だって、打てるようになりたいもん!

天:お兄ちゃんみたいに。

〇〇:けど速すぎてずっと打てなかったら、スカッとしないぞ?

天:ん〜、でも打てるようになりたい。


そうせがむので、仕方なく天のところに向かった。


〇〇:天、ちょっと素振りしてみて。

天:え?う、うん。

天に素振りしてもらうと、やはり腰がフラついていた。

〇〇:打ち方、直した方が良いね。

天:そうなの?

〇〇:うん、今度一緒にバット持ってやるからさ。

天:あ、う、うん。

天の後ろにまわって、バットの持ち方なんかを見せたり振り方を真似させたりした。



〇〇:今の感じで、打ってごらん?

天:うん、やってみる!

ピッチングマシーンの送球速度を90キロに設定して、天に打たせてみた。


カキーンッ


天:わ、打てたぁー‼️

〇〇:うん、今の良かった!

天:やったぁー。

天:ねぇ、お兄ちゃん。

〇〇:何?

天:もう一回だけ、一緒に素振りしてくれない?

〇〇:え、良いけど…

天:100キロのを打つ前にちゃんとした打ち方できているか確認したいから。

〇〇:う、うん…多分、大丈夫だと思うけど。


天にお願いされて、一緒にバットを持って素振りした。


〇〇:うん、大丈夫だよ。

天:良かった。

天:次、100キロね。

〇〇:分かった。

ピッチングマシーンの送球速度を100キロに設定した。

そして…


カキーンッ


天:え、う、打てたー‼️

〇〇:凄いじゃん、天‼️

天:嬉しいー、出来たー!

〇〇:今の、綺麗な球筋だったな。

天:ありがとう、お兄ちゃん!

ギュッ

〇〇:わっ!

天:ふふふ。

〇〇:どういたしまして。


こんなまでいかなくとも、家だけじゃなくいつも外でも素直だったら良いのだが…



ー校門前ー


〇〇:天、弁当忘れていたぞ。

天:あ…

天:う、うん…

〇〇:じゃ、お兄ちゃん行くからな。

天:分かってるって…

相変わらず、学校だからか素っ気ない態度で兄からの弁当を受け取り、そのまま背を向けて校舎に入っていった。

〇〇:(ったく、天は…)

理由が分かっているから怒りはしないが、それでも少し不満だったりした。


そんなやり取りをした筈が、夜になると家では…


ー家ー


天:お兄ちゃん。

天:ベル、置いておくね。

〇〇:え、あ、ありがとう。

夕食を食べて風呂に入り、部屋着になった俺と天でSwitchのあつ森をしていた。

〇〇:って、20万ベル⁉️

〇〇:良いの!?

天:ふふ、全然良いよ〜

天:その代わり…

サッ

〇〇:へ?

天:膝枕して?

〇〇:はいぃ???

天:ふぁ〜…

天:眠くなっちゃった…

〇〇:いやいや、それじゃ俺動けな…

天:zzz


呆れながらも、寝顔が可愛過ぎてそのままにした。


〇〇:ったく。

〇〇:そんな顔して寝ちゃって…笑



あの学校でのツンツンした態度とは真反対の、
甘えん坊さんな天を見ていると、思わずはにかんで笑ってしまう。


天:んふふ、お兄ちゃ〜ん。

天:しゅき。

〇〇:へ!?


寝言でだが、そう言われて顔が赤くなってしまった…


fin.

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