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YouTuberを始めて会社を辞めて声優を始めた女のこれから

2023年夏、私は長年勤めた会社を退職した。
理由は、仕事と心身の平穏・趣味=YouTubeを天秤にかけた結果、心身の平穏を一刻も早く取り戻したかったし、なによりも趣味を辞めたくなかったから。そう言うと思い切ったかっこいい決断をしたように聞こえるかもしれないが、趣味を続けたかったのは事実とはいえ実際は仕事がいよいよしんどくなっただけである。生活の豊かさは変わらないまま、さまざまな見たことないボールを全力で打ち返し続けるにも限界がある。

会社を退職後、別の会社に転職する気はなかったし今もない。私の活動を知っている会社の社長から退職時に「君は今の活動を続けたりタレントになった方がいいよ、会社員でいるのはちょっと違うとずっと思っていた」と言われるほど会社員に向いていない自覚もある。もっと早く言ってくれよ社長。
今後の生活手段は未だ不透明でさすがに多少焦ってきているが、せっかく手に入れた自由の身、一度きりの人生、どうせならやりたいことをやり尽くして死にたい。

私がやりたいこと。
まず一つは、YouTube。
動画制作は自分が伝えたいことや好きなことを好きなように詰め込める、私にとってはこれ以上なく性に合った趣味である。なにげなく始めたYouTubeだったが、今では「自分の好きなものを誰かと共有したい」「お店を応援したい」「地元の名古屋を盛り上げたい」という目的を強く持ち、たくさんの方からの応援に支えられながら楽しく頑張れている。
「ずいみーもぐもぐチャンネル」は動画制作が楽しいと思える限りはずっと続けたい。
「2022年総括」で掲げた2023年の目標の一つである“チャンネルの収益化”は残念ながらまだ達成できていない。なるべく早く達成して活動の継続力を高められたらと思う。


もう一つは、イラスト。
物心ついた時からお絵描きが大好きだった。今もお店などにイラストを提供することもあるが、今後は時間が許すならもっと活発にイラスト制作も行っていきたい。


最後は、声優。
実は、私は過去に声優を志していた時期がある。
高校に入学した私は新しい環境に馴染めず、家族とも不和が生じ、小学生からずっと一緒だった愛猫が亡くなり、毎日がとにかく辛かった。
そんな中、ふっと湧いてきた声優の夢。中学生の頃は演劇部に所属していたこともありお芝居が好きだった。舞台俳優への興味もあったが、幼い頃からアニメを観て育った私は声優になることを決めた。
真っ暗闇の中に生まれたたった一つの希望、生きる目的。それが声優だった。声優になれなかったらもう終わりだとさえ思っていた。今思うとそんなことはないのだけど。

それからは取り憑かれたように最短ルートで声優になる手段を調べ尽くした。そこで見つけたのが、東京の大手声優事務所が運営している養成所の特待生オーディションだった。
家族がいない時間にラジカセで台詞を録音して応募した。その結果最終審査に進み、1,000人を超える応募者の中から2番目にあたる賞を受賞した。高校卒業後は上京してその養成所に通うつもりだったが、家族から上京を反対され断念。
結局、東京にある別の大手声優事務所が運営している養成所の名古屋校に通うことにした。進級オーディションと同時に開催される事務所所属オーディションに、1年目で合格した。ライバルは数千人で、所属できるのは一度に数人。
晴れて声優事務所に見習いとして所属することになったのである。

ちょっと待て。凄まじい倍率から夢を掴んだ人間が、なぜついこの間まで名古屋で会社員をしていたのか?
それは、自らその夢を捨てたからである。
私はたぶん病んでいた。高校入学時から抱えていた不安定な精神状態が継続しており(今は元気)、全てを捨てて上京し一人で戦う勇気が出なかった。次第に熱量にも陰りが見えてきて、声優の仕事をもらう前に当時すでにアルバイトとして入社していた会社に留まることを選んでしまった。
自己嫌悪に陥り、生きる目的も失い、後悔し、絶望した。

ずっと余生のつもりで生きてきた。今の活動が楽しくなるまでは。
いつの間にか、やりたいことも、好きなことも、大切な人も、たくさん増えた。
今ならまた頑張れるかもしれない。自分を支えてくれるものが増えて自由にもなったことで、ずっと蓋をしていた気持ちと向き合って、決断することができた。
YouTubeはもちろん付随する活動も続けたいし、名古屋にもずっといたい。活動規模の限界はあるが、なにかを捨てなくてもよい形で活動できるフリーランスの宅録型声優として再始動した。
声優とそれ以外の活動は明確に分けたかったので、声優名義は「ずいみー」ではなく「立花和泉」。

決断の前に揺れ動く私の背中を押してくれたのは、名古屋栄にある和かふぇ冨士屋の女将だった。
私の声を何度も褒めてくれて、温かい言葉をかけてくれて、自信を持たせてくれた。和かふぇ冨士屋の公式キャラクター 藤子ちゃんの声に抜擢していただいていなかったら、声優の夢は一生諦めていたと思う。感謝しかない。


最近ようやくボイスサンプルを完成させることができた。
2年間通った養成所では主に基礎的な訓練や演劇のレッスンしか受けられなかったが、なんとか形にできたと思う。お芝居もたくさんしたいし、誰かのコンテンツに自分の声を添えることで役に立つことができたら嬉しい。



人生第二章の始まり。
失うものも特にないので、やりたいことをやりたいように全力で楽しむ所存。乞うご期待。


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