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梅芸『ポーの一族』 綺咲愛里 感想

こんばんは。
むーです。

今日はポーの一族の感想書きます。
どんだけ引きずるの?とそろそろ飽きられそうな気もしますが、宝塚版と全く役の解釈が違うのでとても面白いのです。

ということで。

今日は綺咲愛里ちゃんが演じてくれたメリーベルについて、初演の華優希ちゃんとの比較も交えながら語りたいと思います。

【綺咲愛里】おしゃまで元気なメリーベル

あーちゃんのメリーベルは華ちゃんメリーベルよりも、おしゃまで元気なお嬢様のイメージ。

個人的には原作のメリーベルに近いのはあーちゃんメリーベルだと思いました。

メリーベルって儚さばかりが目立つキャラクターですが、意外にお茶目でお兄様(エドガー)を困らせる悪戯っ子な一面も持っているのです。


そんなメリーベルのお茶目な部分、元気な部分を上手に表現したのがあーちゃんメリーベルでした。


しかもあーちゃんメリーベルはヴァンパネラになってからどんどん頬の赤みが消えていくんですよね、、。最初はピンク色の可愛い頬だったのにどんどん青白くなっていくその変化に驚かされました。

また金髪&ピンクのフリフリ洋服がとてもよくお似合いで!!!
華ちゃんは「お人形さん」のような可愛さでしたが、あーちゃんは「少女」らしい可愛さが魅力的なメリーベルでしたね。笑顔がほんとに可愛くて・・。ちょっと気の強そうな瞳がまた愛らしかったです。

【華優希】儚く神秘的なメリーベル

初演である華ちゃんメリーベルはとにかく儚げで神秘的。こちらは原作のメリーベルよりもややか弱すぎるような気がしましたが、彼女のメリーベルは私が思い描いていた通りのメリーベルでした。

今にも消えてしまいそうな儚げな存在。
今を見ているのにどこか遠く見ているような瞳。
歳を重ねてきたはずなのに子供のようにぎゃーと泣いてしまうその泣きかた。

あーちゃんのメリーベルと比較すると、どれだけ歳を重ねても彼女の精神年齢は成長せず、子供のまま大人になってしまったようなメリーベルでした。

アランとメリーベルの関係

あーちゃんメリーベルと華ちゃんメリーベルの大きな違いはアランとの関係にも出ている。

まとめるとこんな感じ。

*あーちゃんメリーベル×千葉アラン*
あーちゃんメリーベルに甘えたい。甘えてしまって大丈夫かな?と心を許しそうで許しきれていないレベルの依存度

*華ちゃんメリーベル×柚香アラン*
華ちゃんメリーベルが消えたら柚香アランも死ぬかもしれないレベルの依存度


あーちゃんメリーベルと千葉アランの関係性は彼らが関わった時間の長さを考えれば、納得できるレベルの依存度だと思う。

周囲に心を許しきれずにここまできてしまった千葉アランと、どこか頼りたくなる母性のあるあーちゃんメリーベルならではの2人のお芝居でした。

対して華ちゃんメリーベルと柚香アランの関係性は、かなり危険なレベルだったと思う。

誰にも頼れず一人きりで生きてきた柚香アランの繊細すぎる心が壊れる寸前で現れた神秘的で永遠の可愛さを持つメリーベル。

柚香アランにとって、ロゼッティに生写しのメリーベルは最後まで手に入らなかった『最愛の人』に他ならなかったのだとひしひしと感じました。

この柚子アランの必死さがアランとメリーベルの関係をより危ういものにしていたと思います。


あーちゃんメリーベルと千葉アランの関係の方が原作に近い関係性を気付けていたとおもいます!個人的には柚香アラン×華メリーベルの危うい関係が好きです笑


「エドガー・・・!!エドガーーー!!!」

メリーベルのシーンで一番印象に残るのは、クリフォード先生に銃殺される場面。

十字架を拾えと言われても、拾えずにいるメリーベルを見てヴァンパネラであることを見破り銃殺するあのシーン。

銃殺される前の「エドガー・・・!!エドガーーー!!!」と必死で兄を呼ぶメリーベルの姿は見ている人の心をいつの間にかヴァンパネラサイドに引き込む力があります。

このシーン、個人的には華ちゃんメリーベルの方が迫力があったように思いました。

あーちゃんメリーベルのシーンも見ましたが、あーちゃんメリーベルなら十字架に触れそうだし、エドガーを呼ぶまでもなく、なんとか自分でやり過ごすこともできるように見えてしまったのです。。

思うに、あーちゃんメリーベルはあのシーンを演じるには賢く見えすぎたように感じます。

この場面の華ちゃん、あーちゃんメリーベルの比較はこんな感じ。

*あーちゃんメリーベル*
長い時を経て身についた賢さ、意志の強さも感じさせる永遠の美少女→そんな彼女がなぜ十字架さえ触れないのか、うまくやり過ごす術を身に付けていないのかが疑問として残った。

*華ちゃんメリーベル*
時間だけが過ぎて行った純真無垢のか弱い少女。人を疑うことを知らなさそう→弱すぎて何も出来ずエドガーに助けを求めてしまうあの流れに納得。


あーちゃんメリーベルは原作に近い役作りではあるものの、あの場面だけはいまいち説得力に欠けました。。

もし、もっとメリーベルの性格・人物像を知ることのできる場面があれば、このシーンの印象も大きく変わったはずです。おそらくあーちゃんメリーベルのあの死に様にも納得できたと思います。

しかし、あの短時間の中で、メリーベルの最後目掛けて演技しないといけないとなると必然的に華ちゃんような「めちゃくちゃか弱い少女」を演じてしまった方が流れは作りやすいのかもしれません。

あーちゃんメリーベルを堪能するには時間が足りなかった・・!!!

あーちゃんメリーベル、原作に寄りそった丁寧で優しい役作りでした。
そしてふんわりと優しく包み込むような母性は、みているこちらまで伝わってきました。。

弱いはずのメリーベルなのに、なんだか頼りがいがあるようなそんな感じ。
あーちゃんの隠しきれない星娘魂が出てしまったのかな???


唯一惜しむべきは、時間が足りなかったこと。


序盤の元気なメリーベルがヴァンパネラになってどのように変化していったのか。どう弱っていってしまったのかをもっと時間をかけて(メリーベルの場面を足すなどして)見せてくれさえすれば、あーちゃんメリーベルは完璧だったかもしれません。

以上が梅芸「ポーの一族」綺咲愛里ちゃんに対する感想でした!

*梅芸「ポーの一族」全体感想と各キャスト感想はこちら↓



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