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ZI:KILLを語る

90年代のビジュアル系(当時この呼称はまだなかった筈)の音楽は一時期よく聴いていた。その中でもZI:KILLは今でも頻繁に聴く程ちょっぴり特別な存在。初期のビジュアルだけを見るとゴスとかポジパン的な、何処か陰影のあるヨーロッパ的な雰囲気が色濃く、所謂その頃の化粧系バンドとは一線を画していた。中学生の頃、街の小さな中古盤屋に時々どきどきしながら入店しては物色していた。うろ覚えだけど、壁面にはGASTUNKのEPなんかがディスプレイされていたり、その横にもずらっとレア盤と思しきCD等、欲しいものも幾つかあったけど7000円とかそんな値段だったので勿論買えずに羨望の眼差しでそれらを眺めていた。このお店はレコードが多かったけれど、当時はターンテーブルはおやじのはあったけど自分でレコードを買う事はなく、CDを買っていた。そんなzu-hause少年が少ない小遣いを握りしめて吟味をして買った一枚がZI:KILLの「DESERT TOWN」の中古盤だった。


この店で気になって買ったのか、雑誌かなんかで見ていたのか記憶は定かではないけれど、これの初回盤についていたフォトブックの写真(↑トップの画像)の魅力が物凄くって。そして、なんと言ってもTUSKの歌詞ですよね。およそこのテのバンドであまり出て来なそうなワードも随所に飛び出すし、彼の男臭さだとか人間の弱さ、そういったものを吐露したりもする詩の世界に惹かれていったのも手伝い、繰り返し聴いていたし、正に青春の一枚とも言える。


ZI:KILLはX(X JAPAN)主宰のインディーレーベル、EXTASY RECORDSからファーストとセカンドをリリース後、東芝EMIからメジャーデビューするわけだけど(セカンドとサードでドラムを叩いていたのは現L'Arc〜en〜Cielのyukihiro)、そもそもの始まりはHIDEがZI:KILLのライブを観てYOSHIKIにリリースの話しを持ち掛けたという事だった筈。因みにHIDEのフックアップする嗅覚というものはTHE MAD CAPSLE MARKETSだったり(HIDEが激推ししてると知ってから聴き始めた人の数はとんでもなくいた筈。自分もその1人)DEEPだったりと、ヴィジュアル系に捕らわれない彼が純粋にライブなりCDを聴いて良いと思ったものをインタビュー等で伝えてくれる事が嬉しかったものです。


結局インディーで2枚、メジャーで3枚のアルバムをリリースし、武道館公演等を行うも1994年(30年前だ…)に解散。で、2021年。この年に発行された「ヘドバンVol.30」にて、「ZI:KILLとは何だったのか?」という特集が組まれ、ここでTUSKとSEIICHIが個別にロングインタビューを受けるというものすごい企画が実現。わたし当時Twitterでも少し触れてますが、ちょくちょく本棚から引っ張り出しては読む事になるのだけど、2人が回想するエピソードや初めて知る事、そして再結成についての思いなんかも含め、貴重な話しを聞く事が出来てヘドバン編集部の皆さん本当にありがとうございますの気持ち。更に、ZI:KILLファン代表cali≠gari桜井青が語る愛溢れるインタビューも併せて必読(CLOSE DANCEは全曲神がかってる発言や、ZI:KILLはバンド活動の礎とか…青さん熱いっす)。

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