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アインシュタインタイルをもう1個愛でる。とにかく愛でてみる

前回の記事はこちら。

今回は、その続きみたいなものになります。

論文に描かれたもう1個のタイル

非周期的モノタイル「HAT」についての論文「An aperiodic monotile」。
もう1個異なるタイルについても触れられています。
第6章「A family of aperiodic monotiles(非周期モノタイルの仲間)」に描かれているそのタイルがこちら。

引用:An aperiodic monotile p.44
https://doi.org/10.48550/arXiv.2303.10798

「HAT」は凧形の四角形を8個組み合わせた形状ですが、上の図形――「TURTLE(亀)」とも呼ばれます――は凧形10個の組み合わせです。

前回の記事で、「HAT」は2つの異なる点対称の図形を組み合わせた形でもある、と書きました。
その特徴を踏まえて「ヘリコプター」と例えてみたりします。

青は、凧形2個の組み合わせ。
黄色は、凧形6個の組み合わせ。

「TURTLE」もよくよく見ると、これも2つの異なる点対称の図形が組み合わさった「ヘリコプター」でした。
このことについて、日本テセレーションデザイン協会の代表でもある数学者の荒木義明さんのツイートがあります。

「HAT」と「TURTLE」の回転主翼(黄色の図形)の向きを合わせて並べてみます。

回転尾翼(青色の図形)の位置の違いが興味深いです。


まだまだ似ていました

荒木さんのツイートの画像に登場した「Aperodic Tile Maker」ですが、「HAT」を元にして、
・面積を変えない
・各辺の長さを一定の割合で変化させる
このルールで、様々な形状のタイルを描いています。
つまり、「HAT」を変形すると「TURTLE」になります。

で、「TURTLE」をしばらく眺めていると、前回の記事で書いたことがよぎりました。

引用:An aperiodic monotile p.21
https://doi.org/10.48550/arXiv.2303.10798

「HAT」を形作る2つの長さの辺のうち、同じ長さの辺を平行移動すると、2つの異なる図形を作ることができます。

※黒い辺の長さを1とすると、オレンジの辺の長さは$${\sqrt{3}}$$です。

これと同じことを「TURTLE」でやってみると、どうなるのか?
「HAT」との比較のため、「TURTLE」を少し回転していますが、結果はこちら。



ええええ?!
同じ2つの図形が、しかも辺の長さが入れ替わって、つくれました。


締め

ということで、もう1個の図形「TURTLE」を愛でてみました。

もうちょっと愛でるかも知れません。

では。

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