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逆風TikTok

今回はアメリカで特許訴訟に巻き込まれ、トランプ政権下で睨まれるTikTokを見ていきます。


TikTokがインドだけでなくアメリカでも使用禁止になろうとしています。

TikTokは中国とそれ以外のアメリカなどでも同じ名前のアプリとして運用しており、機能としてはショートビデオです。

普通に考えたら、アメリカ製のアプリでも行っている、電話帳・メアド・コピペのチェックを利用規約で認めているので、TikTokのそれがそこまで変では無いと思うのです。

つまり、アメリカ政府がテロが有ったときにアプリに対して開示要求を行ったように、

アップルのスマホの暗証番号を教えるように要求したように、

提示先が中国というだけにも思えますが、ダメなんですね。パスワードが顔認証や画面認証になるとどんな不具合が有るのかな?

どんなトラップが入っているのか中国のデータ安全法(データセキュリティー法)の存在、一度精読してみないとですね。

<売却・譲渡先>

アメリカから絞られたので、TikTokを運営するByteDanceとしては、中国とそれ以外を切り離すしか

この禁止処理に対応できなくなっています。

切り離すにしても僅か数年で10億ドルの今期売上予想からすると売却額は膨大になり売り先が限られてきます。

GAFAは特に先週29日、アメリカ議会下院・司法委員会の公聴会に出席していて手を上げずらい状況です。内容がモロ、日本の独占禁止法にあたる「反トラスト法」に基づくものだからです。

FacebookのInstagram買収もやり玉に挙がっていました。以前その当時の特許でInstagramの凄さが分かるか検討しました。


さて、TikTokにとって当初はとは言っても先週初めの事ですが、投資を受け入れたVC(ベンチャーキャピタル)から500億ドルとかという評価で売却交渉が有ったようです。

がその後、進展が無いようなので下記MSの方を優先しているのでしょうね。ロイターの記事です。


急遽、マイクロソフトが出てきて交渉をすすめているという話になり、その他の話は一度埒外に行っています。

マイクロソフトも古くはIEの抱き合わせ販売で独禁法を受けた記憶があるのですが、

GAFAはだめでマイクロソフトがOKというのも乙なものです。

記事によると45日間の交渉猶予期間を与えられるとか、、


って書いていたら、ByteDanceとしてはスピンアウトがご希望の用です。

そもそもアメリカの「Musical.ly」というアプリを買収しているのでさもあらん。

と書きながら、あれ、何か北欧系を偽っていてあやしかった?と調べたら案の定上海の企業でしたね。

スピンアウトでは米政府が認めそうにありません。

<Trillerからの訴訟>

そもそもTikTokの記事を書こうとしてたのが下記のテキサス州西部WACO地区で訴訟が発生していたからです。

いずれもアメリカでショートビデオアプリを提供している2社間の争いです。

Triller, Inc. v. ByteDance Ltd. et al

6:20-cv-00693 Filed: 07/29/2020

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Trillerのアプリも自身のスマホに入れつつ、この会社へ投資を行った記事を漁ると下記のような記事が有りました。

TikTokと競合アプリTrillerです。

1.ペガサスファンド経由で投資した背景 DLE は、テクノロジー・メディア・エンタメ等への投資を想定しているペガサスファンドを通じて、米国で提供されている音楽主体の短編動画ソーシャルメディアプラットフォームである TRILLER を運営する Triller, Inc.(以下「Triller 社」といいます。)に対し投資致します。
Triller 社のもつアプリ、TRILLER は主要なストリーミングプラットフォーム( Apple Music、Spotify等)と統合、及びメジャースタジオ/レーベル( Warner、Sony、Universal)と契約をし、ビデオ(曲)の配信数に応じてアーティストがクレジットを取得できるタレント発掘プラットフォームを実現しています。
また、競合他社を大幅に上回る性能の、ビデオと音楽のセマンティック分析及びバイオメトリック分析により、あらゆるユーザーが数秒でプロ並のビデオ作成を可能にしています。併せて同社は本年に入り Snapchat とパートナーシップ契約を結んでおり、Snapchat の全ユーザー3 億6000 万人にリーチが可能となっており、現在ユーザー数が急増し、全世界で 8000 万ダウンロードを達成し、世界でも注目を浴びる動画プラットフォームに成長しております。なお、今後 TRILLER はEC 機能も実装する予定です。

既に競合となっていたところからTiktok は訴えられた状況です。もう少し見ていきます。

ちなみにTrillerを開いたらマイクタイソンが立て続けに現れて、食傷気味です。

インパクトは有りますが、黒い背景にマイクタイソンがニタァと笑いつつドーン!やり過ぎてます。

<訴状>

裁判地は原告優位なテキサスの

IN THE UNITED STATES DISTRICT COURT FOR THE WESTERN DISTRICT OF TEXAS WACO DIVISION

訴訟を提起したのが

TRILLER, INC.,

Plaintiff, 特許権者

vs.

訴えられたのが

BYTEDANCE LTD., and TIKTOK, INC.,

Defendants. 被告

ちなみにケース番号はCase No. 6:20cv693

特筆すべきことは無いので訴えた特許を見ます。

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Current Assignee:Triller, Inc.

出願時から名前をアプリの名前に変えたようです。

知財ブログらしく対象特許を見ていくと

US 9,691,429 B2

出願日がFiled: 05/11/2015なので、最近の出願で約2年後に登録になっています

訴訟の対象独立クレームを見ると

1. A method for creating a music video in which a plurality of video takes is synchronized to an audio track, the method comprising: selecting an audio track;

capturing a plurality of video takes;

synchronizing each video take of the plurality of captured video takes with the selected audio track while each video take of the plurality of video takes is being captured, wherein synchronizing further comprises playing, from a first beginning, the selected audio track at substantially the same time as a second beginning of capturing each video take of the plurality of video takes; and

creating a music video comprising;

the selected audio track; and

at least a subset of the plurality of video takes comprising at least two video takes of the plurality of video takes synchronized with the selected audio track.

特許自体は限定も少なく、良い特許です。

ここまでコンパクトだと無効化が少し怖いですが、まあ従属まで入れるとトライアルまで行けそうです。

最もイ号と近しいキーとなる関係の従属項はこれかと思います。

7. The method of claim 1, further comprising: playing the selected audio track while each video take of the plurality of video takes is captured.

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キャプチャーと音楽を組み合わせるところでした。


中国製アプリに対する風当たりが強い今のタイミングを見計らっての今回の訴訟、

原告の強いテキサス州ですが、どうなりますのやら、

また、GAFAではなくマイクロソフトが購入することに大きな違いは有るのか疑問です。余り突っ込んでプラットホームを固めると独禁法が出てきます。

有名なスタンダードオイルやAT&T の分割の例も有るのでシナジーが有りすぎて強固に競合を排除すると、問題発生です。痛し痒しの関係になりますね。

参考

https://note.com/yoshihiphop/n/n1b2660304ab7


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