曇りか雨か。決断は大体はずれ。
ザ・曇天が広がっている。
雨雲は活動していないように見えた。
犬の散歩に出るなら、今しかない。
念には念をと、ガサガサとして着心地のよくないレインコートの上着と蒸れる防水ズボンを着用し、ポーチを斜め掛けに。リードをつけた10キロの犬を抱きかかえて、マンションのエレベーターを1階まで降りた。
扉が開いたとたん、自転車置き場の屋根をポツリポツリと打ち付ける音が聞こえてきた。
「またか」
私は泣き出したい気持ちを抑えながら、濡れ始めた地面に犬を放した。
雨女である。
運動会や遠足や新婚旅行のモルディブでさえも雨に見舞われた。
『出かけるときに雨だった。そういうときだけ覚えているから雨女だと思い込むんだ』
と誰かから聞いた気がするが、私が出かけるのを見計らうように毎度どんぴしゃりのタイミングで降り出し始めるのだから、それは嘘だと思っている。
もうすぐ、晴天が希少な時期が来る。
少しの晴れ間を台無しにしてしまうかもしれないことを事前にお知らせしておく。
サポート…?こんな世知辛い世に私をサポートする人なんていな…いた!ここにいた!あなたに幸あれ!!