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とり夫さんを囲む会vol.8の原稿

「とり夫さんを囲む会」を君は知っているか?
名古屋の栄の『薬膳バー』という名門クラブで一年ぐらいやっているイベントだ。

一年ぐらい、名門クラブで隔月開催でやってきて、動員客数が大体、多めに見積もって14人ぐらいだ。

延べ、でだ。

イベントといっても、一晩やるわけじゃなくて、いつも「メンヘラナイト」という毎月開催の夜通しやるイベントのまえに、2回に1回、1時間とかでやる。

本編の演者もまだ来ないなか、だいたいいつも店主ととり夫と「とり夫さんを囲む会」を発起してくださったN村さんと、3人しか聞いていないイベントだ。

だって、メンヘラナイトっていつも21:00からやるから、メンヘラナイトに来ようとしてくれてるお客さんってその時間は晩御飯を食べてるんじゃない?(王将とかでギョーザとチャーハン買って持ち込んで来ていいからな)でもそれは、ぼくのバイブス(=動員数)が足りないことについての言い訳だ。

ということで、前回の「とり夫さんを囲む会vol.8」で使った僕が読む用の原稿とDJ(おれ)に対する音オペを以下に付記する。します。面白かったら嬉しいし、面白くなかったら、なんか、どっちみち他のことをもっと頑張るよ!!!

いい人間になれますように!!!!!!!

それではどうぞ。


オープニング:ハッピーニューイヤー/ユーミン

隔月開催で、前回が2月で新年最初の回だったんですが、お客さんが僕と入山さんしかいなかったので、改めまして、
あけましておめでとうございます。
4月だけど。新年度おめでとうございますみたいな。でも遅いほど面白くなるから。
12月にいうのは狙いすぎ。
去年の分も言うのもあり。
6月がいちばん面白い。
7月はもう夏だから「夏」のほうが面白い。
6月の囲む会にあけましておめでとうを言いに来て。

トリフマン、始めます。

ではひとつめのお便りです。


ベルトをわすれました/34歳 会社員

Q:今日、ベルトをしてないことに会社のトイレで気がついたのですが、悲しかったのはベルトを忘れたことではなく、ベルトがなくてもズボンが落ちてこなかったことです。

A:えー、あはい。そうですかそれは残念でしたね。じゃあ次行きましょう。

だってこれじゃあなんて言ったらいいの?なんかうまいこと言ってやりたいって、そういう話じゃんこれ。自己完結してるじゃん。お悩み相談だって募集してるとこで何を自己完結してくれてんだよ。ムカつくんだよなんかちょっと格言めいてて。

「悲しかったのはベルトを忘れたことではなく、ベルトがなくてもズボンが落ちてこなかったこと」

「お前もこれ使っていいよ」ぐらいの感じすらある。あー、忘れてぇー。マヌケが!バカヤロー!


気を取り直して次のお便りいきましょう。平成元年生まれの会社員の方から

Q:普段あんまり使わないドラッグストアで買い物してたときに、たくさん入ってすごい安いソーセージを見つけて半信半疑で買って食べたんですが、ああ怖いな。なんだかたくさん入ってるなー。怖いなー、この値段でこんなに沢山入ってる。やだなー、なんだかおかしいなーって、買って帰ったんですよ。家に帰って開けてみると、普段食べるソーセージよりなんだか形が揃ってるんですよ。やだなー、なんだかおかしいぐらい同じ形してるなー、やだなーって、それで焼いてみてたらばジュワーって、普通のソーセージと何ら変わらない、音がするんですよ…。で、食べてみたわけだ、そしたらぜんぜん、それで良いぐらいおいしかったんですよ…。
でも、いまこのソーセージに完全に慣れた状態で急にシャウエッセンとか食べたら失神するかもしれない。ああ怖いな。今は2袋のシャウエッセンが怖い。
シャウエッセンこわい、というお話でした。

A:おい、やってくれたな。
お悩み相談だって言ってるだろ。自己完結するなって言ったばっかだろうが。
平成元年生まれってこいつ、こいつも34歳じゃねえか。しかもさっきのやつと同じ会社員だ。あー、やられた。まじで腹立つ。
クソ野郎が…。(番組特製ステッカーをお送りします)


気を取り直して次のお便りです。

ラジオネーム「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう運転」さんより

A:これはいいですね。最高。本当にいそう。
本当にいそうとか言っちゃダメか。いやでもいいなこのラジオネーム。
ええと、ヤングのために説明すると、浜省のね、浜田省吾さんていうシンガーソングライターの「もうひとつの土曜日」っていう有名な歌があって、

ゆうーべねむーれずにー、ないてーいーたんだろー

っていう出だしなのね。すごいよね、出だしから。だって、出だしだよ?出だしってことは、あれだよ?
たとえば朝、会社に行って、上司に「おはようございます」って挨拶したら上司が「おう、おはよう」じゃなくて、あなたの目を見るなり「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう?」って言うんだよ?だって、出だしってそういうことじゃん、つまり?出会い頭だよ?すごくない?どう思う?
で、その有名なフレーズに引っ掛けて「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう運転」ですよ。教習所で必ず習うやつ。「だろう運転」。「だろう」じゃなくて「かもしれない」って思いながら常に運転しましょうっていう教訓ですよね。
この時間はこの辺は歩行者はいないから今日も大丈夫「だろう」じゃなくて、昨日は祝日、いわゆる「もうひとつの土曜日」だったから生活のリズムが乱れてしまって寝坊して慌てて走ってくる人がいる「かもしれない」っていうね、そういう運転を心がけましょうねっていう。
そこに来てこの「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう運転」ですよ。こんなに危ない運転ないよね。
車でさ、帰り道に、夕方ちょっと暗くなってきてて逢魔時なんだよ。いちばん気をつけなきゃいけない暗さなんですよ。昨日は祝日だったから、なんだか、もうひとつ土曜日があったような感じで、生活のリズムが乱れてしまって朝寝坊してしまったと、しかも花粉が多いのもあって、目がなんだか腫れぼったくて、そんなコンディションでもちゃんと上司に、おはようございますって挨拶しに行ったのに、アイツときたら「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう」これだよ。なにそれ!?目が腫れてるから?は?うざ!いやそれセクハラでしょ?!あー、もう帰り道なのにいまだにハラ立つー。あーくそー!
っていう状態でヘッドライトもつけ忘れて運転してるわけですから。もう完全に上の空でハンドル握ってるんですよ。「だろう運転」なんかよりずっと危ないそれが「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう」運転なんですよ。なんの話だっけ。
そうだそうだ!お便りをね、頂いたんだ。ラジオネーム「ゆうべ眠れずに泣いていたんだろう運転さん」から!えー、お悩みをね、読まさせてもらいます、一旦、黙読します。うん、うんうん。わかるわかる。えー、よし。じゃあ一言で。我慢しろ。


じゃあ音楽いきましょう。曲はもちろん、この曲。もう延々その話ばっかりしちゃったもんね。ということで、サチモスで、ステイチューン。


はい、いい曲でしたね。ふつうに好き。大きいスピーカーで聴くとまたひとしおですね。
ということで次のお便りです。

Q:こんばんは。

30代の自営業を営む女です。

私は趣味でDJを嗜んでいるのですが、やり始めたときから引っかかっていることがあります。それは、リズム感がまるでないことです。かれこれ3年くらい続けているのですが、一向に改善されることなくBPMなども私独自のものでしかなく迷惑をかけてしまっている気もします。

稀代のエンターテナーとして、抜群のリズム感を持つとりおさんにアドバイスいただけたら幸いです。

よろしくお願いします。


A:ありがとうございます。30代で自営業を経営されてる女性の方。
手に職!:echo+horn
素晴らしいよね。おれたち若手世代もっともっと手に職持っていこう!
ということで、年代としては同じぐらいなのですが、3年ものキャリアがあるDJのあなたに僕は技術的なことは一切アドバイスできません。でも「稀代のエンターテナーとして、抜群のリズム感を持つとりおさん」としてね、これはもうね、こんな弄られ方したらもうね、ガッツリと根性論でお応えします。おい今季もメシ食うなよドラゴンズ!
あなたは「BPMなども私独自のものでしかなく迷惑をかけてしまっている」という意識があるということですが、これについてですが、あなた独自のBPM、それは大変に魅力的なリズムだと思います。
ぼくの好きなじゃがたらというバンドのフロントマンの江戸アケミはこう言っています。曰く、「自分の踊り方で踊ればいいんだよ」と。
DJってきっと基本的にはお客さんを踊らせるのが仕事なんだけど、でもフロアに居る全員のお客さんがみな同じ目的で来ているわけがない。だから一糸乱れぬ踊り方であなたの企図した踊り方をするわけはないですよね。踊りたい人もいれば、口説きたい人もいる。後ろから見てたい人や、少し眠るためにきた人もいるかもしれない。
そんなお客さんたち全員ひとりひとりにピッタリと寄り添う音楽なんか一個もないと思うんですよ、それを求めるのはかっこいいけど僕は、それをできないことを自覚した上でそのフロアに自分の心臓を丸出しにするDJがいたらいいなと思うんですよ。
そんなDJはこの人は自分の踊り方、踊ってなくても、口説き方や飲み方や眠り方をしてる人に対してそういうのを「どうにかさせよう」としてこないから。そうだろうから。でもあのDJは自分の心臓がいちばん面白いと思って、それを僕らなんかに丸出しにしてくれてるな、これはいいな、と思うんですよ、僕は。ちょっと横目でみて、うふふって笑って、ちょっとよだれ垂らしながらまた寝たい。あまりにも良ければ立ち上がって踊るけどね、うふふ…。
そんなふうに立ち上がって踊ったやつをあなたの鼓動でぼりぼりに骨折させながら幸せにしてやろうよ。自分のリズムで踊るのがいちばんだからさぁ。
あなたのリズムはフロアをロックしないかもしれない、でも、あなたが選んだその曲でそのときフロアはあなたの心臓と動悸していて、それに抱かれてそこに居るお客さんの思い出やその日に咲いたお花などがフワフワすることもあるんだと思います。
みんな、聞いてないようで聞いてるから胸張って心臓をまろび出して下さい。よろしくお願いします。みんな見ないフリしてあなたの孤独を覗きにきてるんだ。踊ってくれよ頼むぜ。
ということで、自分の心臓を踏みながら踊ってみてください!絶対にみんな喜んでくれます!
よろしくお願いします!

音楽いきましょう。

(おわり)

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