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独身が食べるもの

最近、コンビニのご飯を食べすぎてて、もちろんおいしいから食べてるんだけど何となく切なくなり自炊をするようにした。

料理漫画を、味いちもんめとか、ラーメン発見伝とか、よく読むので、炒め物は難しいけど煮る料理は途中で修正が効くということだけ覚えていて、だから自炊はもっぱら汁物だ。

一食のめしを食べるために、毎度台所に立って働くのは嫌なので、大きな鍋に一週間分ぐらいの炊き出しみたいなものを作る。そのレシピを大公開する。独身必見!

【これが独身鍋だ】
鶏皮…300g
玉ねぎ…大きいの一個
白菜…4分の1カット
しめじ…一袋
えのき…ひと株
塩…一握
自分への愛情…150屯

鶏皮が全部浸るぐらいの水を家庭科室にあるぐらいの大きさの鍋にはり、鶏皮と塩を全部入れて火をつける。あんまり強火でやらない方がいいと思う。鶏皮が大丈夫そうになったらあくをとる。気がすむまでとればいい。浅めのお玉で大きめのお手塩にあくをとりつつ、その汁で味見もする。このあとたくさん野菜を入れるのでしょっぱいぐらいの塩を入れよう。(大切なことを突然言うが、食べ物とはつまるところ、塩の乗り物なのだ)

気が済んだら野菜を入れる。大根の皮を捨ててなければそれを細切りにした奴から、次に任意の大きさに切った、大根の本体と白菜の白いほう半分、きのこたちを入れる。

玉ねぎだけ切り方を気にしたいんだけど、半分の半分は繊維に垂直に薄く切って、それから入れて、あとのやつは大きめにカレーの具みたいに切って入れて、最後に白菜の緑側のほうを上に積んでいく。心配なぐらい山盛りになるが、ちゃんとおさまる。

おさめるために白菜を手で上から150屯の愛情をかけて丁寧にぎゅうぎゅう押す。このあたりの仕事はテレビを見ながらしたほうがいい。台所にテレビがない人はラジオを聞こう(どちらもなければ買おう)。もう刃物も触らないのでお酒も飲んでいい。

縮んできたら鍋の端から少しずつ、汁に浸ってない白菜たちを押し込んでいく。全体が浸ったら、いったん大丈夫。

いったん大丈夫の状態

万が一溢れるといけないので火を弱くしてぐつぐついうのを聞きながらテレビやラジオやお酒で過ごす。おつまみかおやつを食べてもいいが、風呂にはいるとかコンビニに行くとかの場合は一旦、火を止めるようにしよう。

もうあとは、おいしそうだなと思ったら食べよう。あくをとったときのお玉で底と上澄が混ざるようにかき混ぜる。「そういえば大根があったな」と思う。このときに大根が透明色になっているとうれしい。喜んでいい。おまえは独りでよく頑張った。

まあまあ頑張った状態

一人前のお椀に一杯とって、食べる。腹もくちて寝れそうだな、と思ったところで最後にひと仕事あるんだけど、たぶんまだ鍋はなみなみと料理で満ちていると思うので、油断せずこれを冷蔵庫に入れなければならない。ここで、小さめの鍋があればそれに一食分だけお玉で移して、明日の朝ごはんの分にする。冷蔵庫内でもなるべく早く冷ました方がいいので、保冷剤などで工夫する。

工夫した状態。大鍋の下には氷枕。

あとはお風呂入るなり、お酒の続きを飲むなり、なんか満たされた気持ちで寝ましょう。明日の朝もこの美味しい汁が食べれます。安心して寝ましょう。

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