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Abu社 大使シリーズのステッカーについて

iPhoneのケースがもうヨレヨレになってから2年ぐらい使っているんだけど、ごまかしが効かないぐらいへたってきた。

オッター・ボックス(日本語に訳したらカワウソ箱)のケースはすごく頑丈で、よく携帯を落として壊してしまう僕にはうってつけなのだ。買って装着してからもう何年も経つが、未だに頑丈さという点では何も損なわれていない。

しかし、見た目にボロもボロなので新調せねばいけない。携帯や財布、鞄などの人目に触れやすい日用品は、だんだんと薄汚れていく。本人は毎日見ているので気が付かないが、傍目からいきなり見るとかなり汚いだろうし、なんというかだらしないのだ。だからもう、名残惜しいけど買い換えねばならぬのだ。

今使っているのはススキの藪みたいな柄のやつなのだが、同じものは絶版になっていた。中身が何世代も前のもうあんまり誰も使ってない機種なので、柄は一択で真っ黒のやつしかなかった。真っ黒ならステッカーを貼りたいな。素敵なステッカーを。そう思ってなんのステッカーにしようか、考えた。

前に靴を買ったときにもらったKEENの木でてきたステッカーが真っ先に思い浮かんだ。ずっと何に貼ろうか考えて出し渋っていたやつだ。じゃあ1も2もなくそれでいいじゃないかと思われるだろうが、しかし問題は木でできていることである。木だとなにがいけないかと言えば、経年劣化があざといぐらい出そうなのだ。「それをたのしめ」と言わんばかりに出そうなのだ。いいじゃないか、醍醐味じゃないかと思われよう。しかし困るのだ…。ポケットに入れるものの劣化速度を甘くみてはいけない。雨が降ればズクズクに濡れるし、晴れの日でも汗を吸う。しかも湿気を逃がさない。だからポケットに木なんか入れてたら、どうだろう、1週間で腐葉土になってしまうのではないか?携帯に腐葉土をつけていたら人にどう思われるだろう。だらしない奴かカブトムシかのどっちかだ。だから木のステッカーは厳しい…。

でもアウトドア・ギアみたいな感じにしたいとずっと思ってて、僕はキャンプとか全然しないけどキャンプ用品とかキャンプ用のジャンバーとかリュックとかは好きで、身の回りは出来るだけアースカラーで固めていたい(陸サーファーのキャンパー版みたいなものだと思ってもらえればいい)。だから藪の柄のケースを使っていたのに、今度は真っ黒だ。コールタール色のプラスチックなのだ。しかし木を貼ると腐るし…。防水なら言うことないのに…。防水、アウトドア…。そうか、釣具だ!

思いついたらそこからは早かった。僕は釣りをしないけど釣りが好きで、仕事中ひまな時はずっと「八面六臂」っていう魚の卸屋のホームページを見ているぐらい魚が好きだ。そして、開高健に憧れる文学中年だ。じゃあもう、「大使」しかなかろう。「Abu社の大使(アンバサダー)」とは、開高健がアラスカでキングサーモンを釣ったときに使っていたリールの名前で、釣りをしないけどいつも心臓のポケットに「フィッシュ・オン」の文庫本を挟んでいる僕の、釣りに対する憧れがこの「大使」に詰まっているのだ。すぐに「Abu Garcia ステッカー」で検索すると出てきた出てきた。これこれ。

まず1番にアブガルシアのロゴマークのステッカーが出てきた。アブガルシアは釣具以外にも洋服や帽子や鞄なども作っていて、去年の秋ぐらいに釣り用のヤッケみたいなのがハリウッドランチマーケットで売ってたぐらいお洒落なのだ。このロゴやっぱりかっこいいなと思いつつ、他にも気になるシールがある。

商品名のところに「ハイスピード・ステッカー」と書いてあって、デザインとしては赤いメタリックの円形のシールに銀の縁取りがしてあり、真ん中に同じく銀抜きで「Hi Speed」と書いてある。ラッキーストライクのロゴを情報だけにした感じと言ったら伝わるだろうか。検索してもらうのが1番早いと思うけど、ちなみに黒もある。

なんだこれ、と思ったら750円とかする。大きさも瓶ビールの王冠ぐらいのもので、なんでこれを750円で…。なんでこんなダサい小ちゃいシールが…。と思いつつ他のも見ていくと、あっ、これ「Ambassadeur」って書いてある!でもこれもなんかすごい小さいな。1,800円!?なんで?

調べてみるとこれらはAbu社のアンバサダーシリーズのリールに貼られるステッカーで、「Ambassadeur」のあとに品番の「5500c」などが続けて書いてある。「Hi Speed」はリールのハンドルの根本の丸いところに貼られるもので、つまり「Abu社のこの偉大なる大使は凄い速さで糸を出したり巻いたりするぞ!」という表示のためのものみたいだ。

そう考えると、俄然この小ちゃいダサい赤いシールがカッコよく見えてきてしまうではないか。「Ambassadeur」の方ももちろん欲しいのだが、開高健がアラスカでガチガチ凍えながらウイスキーを煽りつつ巻いたりしゃくったりしていたリールは「5000c」というモデルらしくて、残念ながらドンピシャのそのシールはなかった。(そもそも表示シールが存在していたのかも調べられなかった)だからいまのところ、「5500c」がいいなと思っている。

知れば知るほどカッコいい、憧れのAbu社の大使のステッカーなのです…。早く貼りたい…。(釣りはしないけど)

(トップ画はAbu社のサイト https://www.purefishing.jp/product/brand/abugarcia/history/ より拝借しました)

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