クラスメイトのアゴが突然外れた話


僕が専門学校に通っていた頃の話だ。
僕は頭は悪かったが優等生だった。

誰よりも先生の話を全力で聞いていた。
でもよく分かっていなかった。

まぁそれはどうでもいいんだけど

クラスメイトにYくんという
19歳だけど40歳(主任)みたいな子がいた。
ぽっちゃりした体格と笑顔が素敵なメンズだった

彼は器用になんでもこなすタイプで
ティラノサウルスのような小さな手で異常に早いタイピングをできた。(いまだに彼よりも早いやつをみたことがない)

彼は授業中の発言力も高く
その風格のせいか大したことを言ってなくても大したことに聞こえてしまう。

時にそれはどちらが先生か分からなくなるほどだった。


ある日、
授業中の出来事だった。

先生の問いかけにYくんがアンサーを返していた時だ。

部下にアドバイスをする如く話すYくんのアゴが突然外れた。

口が半開きのまま閉じなくなったのだ。

「あうあうあー」

なぜか笑顔のYくん

(え、なんで?)
僕は思った。

「あうあうあー(よくあることなんで)」
と言って、Yくんは自分のアゴを何度も殴り始めた。

それが正しい対処だったのか今でも分からない

淡々とアゴを殴り続けるYくん
心配になった先生が言った。

「ほ、保健室に連れて行って」

友人に付き添われて
アゴを殴りながら教室をででいくYくん。

30発以上は殴っただろう。


教室をでで数秒後
Yくんが戻ってきた。

「アゴがはまりました」


見事アゴをはめたYくん
元気かなぁ。

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