～サステナブル・ビューティー～
Teru さん
ヘア・アーティスト。
東京都笹塚でサステナブルビューティーをコンセプトとしたサロンadd9（アドナイン）を経営。ヘア・スキンケアプロダクトプロデュース、コレクションヘアスタイリングを行う。
こんにちは。zoomyです。いざRoad to Tamori「あなたの記憶に残る人インタビュー」は、東京都・笹塚にある私のいきつけのヘアサロンオーナーのTeruさんからスタートです！Teruさんとの出会いは、私の元上司からのご紹介でTeruさんのサロンに通い始めたことがきっかけで今でもずっとお世話になっています。その人その人の美しさを引き出し、その美しさを保つためのスタイリングやホームケアの提案はもちろん、毎回サロンでの体験が楽しみになる特別な経験をさせてもらっています！
Q１：サロン・アドナイン設立の経緯は？
2015年4月に、ここ笹塚にサロンをオープンしました。“アドナイン”はもともと音楽用語（9番目の音。新しい和音になる）で、個人的にアドナインスの和音が好きだったことと、お客さん一人一人が持っている人生のハーモニーに、自分たちが一つ音（エッセンス）を足すことによって、その人自身がより調和する、その人の新しい和音を作り出せたらいいな、と思いお店の名前にしました。新しい髪型や髪の色など、そしてサロンに来てスタイリストとの会話などちょっとしたエッセンスを加えるだけで、サロンでの体験そのものがその人の新しい和音を奏でていくと思っています。
そのきっかけにあった想いは？
サステナブルビューティープロジェクト “I sustain beauty” を立ち上げ、より持続的に個人の美しさを維持していくために必要なことって何だろう？と考えたときに
・平和な世の中でないと美容産業がなりたたない。ゆとりがないと人は美容にいきつかない
・地球が破壊されていけばサービスは提供できない
・お客さんが継続的に支払えない価格であればサロン経営はなりたたない
ということにいきつき、「人にやさしく、地球にやさしく、お財布にやさしい商品・価値を提供していく」ことをポリシーとして持続可能な美しさをテーマに事業をスタートしました。
設立から7年やられてきて思うことは？
僕自身がサステナブルビューティーをモットーにしてやっていても、それを理解している人と理解していない人が混在していのがリアルだと思っています。
ただ、サロンに来てくれたお客さんがそのコンセプトに触れてそれについて考えるきっかけになったり、そこから広がるようなマインドの種をサービスを介して提供できる、サステナビリティの取り組みをしていきたいと思っています。サロン運営ではやはり薬剤や大量の水を利用したりするため、完全なる“エシカル”とはならないと思いますが、その中でも少しでも自分たちでできることを探して実践しています。
Q2: サロンではオーガニックや体にやさしい商品を提供されていると思いますが、Teruさん自身の生活や人間関係においてもサステナブルを心がけていますか？
育った環境は礼儀作法を大切にしている家庭でしたが、それについては自分はルーズ（笑）。いらないルールは排除したいと思ってきました。高校を卒業した後は海外でのキャリアを選んだため、海外でより自由な環境にいたのですが、小さいころから見せられてきた「心を大切にする」という父親の蒔いたなにかがずっと自分の中にある気がしています。自分はさっぱりしているタイプですが、そう考えると、自分とかかわってくれた人達との関係も続いているのかもしれないですね。
海外生活は2000年～2012年、12年間イギリス・ロンドンで生活していました。海外へ渡った時は全然英語が話せなかったんですが、3ヶ月英語学校に通い、そのあとイギリス会社に入社しました。その会社はサロンとアカデミーをやっている会社で、サロンワークは週１程度、あとはアカデミーで教育の仕事をしていました。
日本にいると、自分はその中でしか世界が見えずにたまに押しつぶされそうな感覚になるときがあったのですが、海外に行ったことによって、何かパワーというか世界の広さ、時間の広さを感じることができました。世界って広かったよなって海外にはそう思わせてくれる環境が多いんです。
Q3：Teruさんはご自身の性格を自分自身でどう見られていますか？
自分は一つのところにとどまっていることが苦手なんです。例えば同じ場所にいてルーティーンがあると心地いいし、安心・安定感があるけど、自分がそういうルーティーンにはまるととことんだらけることができてしまうんです（笑）。そうすると、このままいったら自分自身の将来が見えるな、とかなんとなく道が見えてしまうのが怖いんです。安定は求めている一方で、常に動いて刺激を得られるように、新しいものを取り入れて成長する喜びがある方がいいと思っているので、若干なにかしらの不安定要素がある方が自分自身には合っているかと思っています。
なので性格的にはすごいポジティブで楽観的だと思います。たまに深く考えずに行動しちゃって痛い目をみるけど（笑）実践で学ぶタイプです。それに対してへこたれることがないし、石橋をたたくことはない。橋壊れたら、「じゃどうやって橋を向こう側にかけられるか」を考えます。何事も自分自身が成長する種を神様から得られていると思います。
自分自身では型にはまりたくないとは思っていますが、新しいことをやったと思ったけどそれは旧来のやり方からくるもので、自分自身の固定概念がそこにあった、と最近気づくことがありました。それは新しい雇用体系を取り入れ始めたから気づけたことで、すごくいい勉強になりました。それは自分にとって財産だと思っています。固定概念から、“これって当たり前でしょ？”って思っている部分はまだまだいっぱいあると思っているので、もっと柔軟に受け入れて自分自身が成長できるように、オープンな状態でいられるようにしたいと思っています。
Q４:今後サステナブルビューティーをより発展させるために行いたいことは？
現在、雇用形態に関して“美容師が働きやすい環境”を意識して取組を始めています。実際に取り組んでみて分ったことは、働きやすい環境は整えられたと思うのですが、それは旧来のやりかたをアレンジしただけで本質は変わっていないことに気づいたんです。これからはどんな働き方がフィットするか、どうしたら美容業界で働く人がいきいきしていくかを考えたときに、やはり雇用形態の多様性が大きくあると思います。
美容師として美容業界に携わっていきたい、でも労働時間を短く家族との関係を大切にしたい、という人には最低限の保証や働ける場所を提供していけるような、フレキシブルな雇用形態を構築していきたいと考えています。サービス業なのでビジネスとしてその形態を成り立たせるのは簡単なことではないかもしれませんが、旧来のビジネスモデルから脱却して美容業界全体の発展のために新しいビジネスモデルを提案していきたいと思っています。美容師とお客さんとの信頼関係から新しいビジネスを生み出し、そこから美容師に還元できるような、新しい利益の作り方を模索しています。課題もまだまだたくさんありますが。
Q５:そんなTeruさんは、誰にどんなTeruさんの記憶を残したいですか？
大きな流れで言えば、なぜ自分で会社を立ち上げて自分のコンセプトを形にして事業をやってきたか。それはその時々で自分とかかわってきた人たちに自分の想いを残していきたいという思いがあったからです。それが今のタイミングで言えば自分の子供たちですね。3人いる子供たちに、お父さんはこういう考えでこういう生き方をしてきたんだと感じてほしいし、これから幸せに生きていってほしいっていうのが伝わればいい。ただ、今は限定的に誰かに残したいっていうのはあまりないです。今後関わっていく人に種まきをしていきたいと思っています。
Q６：では、最後にTeruさんの推しを教えてください！
最近の推しは鎌倉です！ここ２～３年、月一で鎌倉にランチしにいってます。朝出かけてお気に入りのお店でランチして、パワースポットでエネルギーを感じて帰ってくる。そういうゆったりとした時間を過ごすことが推しです。
海外に住んでいたときは時間の流れ方が日本と違っていました。日本に帰ってきて日本の社会で働いていたら、気づくと何かに追われているのを感じていました。なので自然の中でゆったりとした時間をもつことで、静かな時間が流れているのを感じ、やっぱり人生においてこういう時間が大切だな、資本主義で生きていることそれがすべてではないな、と思える。パワースポットというより、自分自身の視野や気持ちをリセットしてくれるようなところですね。普段の仕事、生活から外れて違った視点から見れるし、いつもとは違った流れを体で感じられる経験、というのが推しです。自分にとってパワー感じるところは、竹林があるお寺で、竹ってすごい生命力があってパワーを感じます。なんで自分は悩んでいたんだろう？って次に向かって動いていける。
Q７：では、次のお友達を紹介してくれるかな？
友人でもあり、ビジネスパートナーでもある鈴木忠広さんをご紹介します。ロンドンに住んでいた時、イタリアのブランドの仕事でイタリア出張が多かったのですが、鈴木さんとはミラノで知り合いました。当時彼はミラノでプロダクトデザインを学んでいて、帰国してからデザインの会社を立ち上げて幅広く活動されている方です！人生の軌跡が面白くてすごい興味深い人です！
今回のインタビューでは、サロン設立の経緯や、目の前のお客様一人一人のサステナブルビューティはもちろん、今後の美容業界の発展につながる新しいビジネスを創出することでご自身の成長を楽しんでいるTeruさんの想いをお伺いできました！緑あふれるTeruさんのサロンで、いつも癒しと刺激の両方をもらっています。次回、そんなTeruさんから紹介いただいた鈴木さんのインタビューをお楽しみに！
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