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なぜ動物園の獣医になったの?

 盛岡市動物公園ZOOMOではブログやSNSを通じてなるべくみなさんに動物たちの様子を知ってもらえるように情報を発信しています。その中の動物の病気や治療についての投稿から、興味を持ってくれた方のために、動物園の獣医師という仕事を何回かに分けてご紹介しようと思います。

 まずは自己紹介もかねて「なぜ」動物園の獣医師になろうと思ったかについてです。
 私は今年の4月にZOOMOに来たばかりですが、昔から動物園で働きたいと思っていました。その根本には、動物たちを絶滅から救いたいという小さいころの夢があります。

 動物好きな一家で生まれ育った私は、昔から動物を飼ったり、テレビや現地で野生動物を見たり、常に動物が身近な環境にいました。そのうち、動物たちを絶滅から救いたいと思うようになりました。動物たちを絶滅から救う、ないし生物の絶滅を防ぐことに関わる仕事はたくさんあります。彼らがおかれている環境の悪化を防ぐ、数を減らしている生き物たちが増えやすい環境を整える、増えるのを手助けする、そのための研究を行ったり、法律を作ったり、制度を作ったり、人々に訴えかけたり、実際に目の前の命を一つ一つ救ったり。「環境の悪化を防ぐ」一つをとっても気温や空気、水、土などの研究、原生林の保護や適切な手入れの研究や実施、それらに関する法律の制定、空気や水などの汚染を防ぐための研究や開発、そのような汚染につながる人の行動の研究など、挙げればきりがありません。

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 小さい頃の私はそのようなことを知る由もなく、盲目的に獣医師を志しました。しかし、獣医学を学ぶ過程で野生動物との関わり方が様々あることを学んだ私は、自分で直接動物の命を救いつつ、現地の動物たちを守る一助にもなれると思い動物園の獣医師になろうと思いました。

 直接助けるのは想像できるけど、どうして現地の動物を守ることにつながるの?と思った方々も多いかと思います。そこには日本動物園水族館協会も提唱する、動物園の4つの役割、「種の保存」「教育・環境教育」「調査・研究」「レクリエーション」が関わってきます。

 具体的にどのように関わってくるかはまた次回。

動物病院
獣医師 滝本