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オシドリの雛誕生!

~オシドリの産卵~

 いつもは鳥類舎の展示場で飼育していたのですが、昨年の秋から今年の春にかけて鳥インフルエンザ対策のため、動物病院でカルガモやマガモと一緒に飼育していました。鳥インフルエンザの発生も一段落し、また、4月23日に開園のため4月20日に展示再開へ向けて鳥類舎に移動準備を始めたところ、巣箱内に3個産卵を確認しました。まだ産み始めたばかりとはいえ、産卵が始まってからの移動は初めてなので、少し心配だったのですが、移動3日後には産卵していた巣箱ではない、昨年利用していた巣箱に新しく産卵を始め、一安心しました。
 現在、当園では2ペア飼育しているのですが、昨年と同じペアの№116(オス)と№117(メス)が産卵していると思われ、5月3日の時点では5個の卵を確認できました。

20210503_産卵途中

※5月3日の時点では目視で5個の卵を確認する。
 その後、5月8日には巣箱内に綿羽を敷きだし始めました。

20210509_綿羽敷

※5月8日の時点では巣箱内には7個の卵を確認する。

 5月12日からメスが抱卵を開始しました。常にメスが抱卵している巣箱の前では、メスを守るためにオスが鉄壁なガードをします。

20210519_オシドリ♂ガード

※メスのいる巣箱を守るオス。

~検卵~

 孵化予定日の1週間前の6月3日にメスが巣箱を離れた隙を狙って検卵をしました。巣箱内では結局12個抱卵しており、1個発生卵、10個中止卵、1個無精卵と思われました。この時点では昨年と同じ1羽の孵化と思い、今年こそたくさんの雛をと思っていたところでしたので少し残念にも思っていました。

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※検卵の様子

 しかし、孵化予定日の2日前の7日に唯一の発生卵が地面に落ちており、今年の繁殖は失敗かなと思いはしましたが、まだ、メスは抱卵を継続していたため、孵化予定日の11日まで様子を見ることにしました。

~孵化~

 6月11日の朝、7羽の雛を連れて歩いているオシドリの親子を確認することができました。高さ2mのところにある、巣箱から小さな雛がジャンプして落ちることを想像すると、改めて野生の本能のすごさを感じつつ、また、雛たちをお腹の下で温める母親の母性にも感動させられました。

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※雛を連れて歩いているオシドリの親子

 結局のところ、中止卵だと思っていた卵は順調にいっており、発生卵と確認できた卵は聴診器で心臓の音は確認できたので、孵化直前に死ごもりとなってしまいました。(死ごもりの卵は全部で4卵でした)というわけで7羽の雛の孵化は嬉しい誤算というか間違いでした。

~成長~

 その後、7羽の雛はアマゾン欲しいものリストで買っていただいた、「ヒヨコフード」や「ミールワーム」などをモリモリ食べて順調に成長しています。4か月後くらいには性別も分かるようになるのでとても楽しみです。

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鳥類担当 伊藤